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第34部分

「えっ?……」

パーティの皆が言葉を失っている。


「実力が足りないとか、誰かから止める様命令されているといった訳ではありません。10階のボスを突破出来るかが問題になってきます。」

「言われている意味が理解できないのですが。やや強い魔物がボスなんですよね?10階なので特別に強い魔物でも配置されているのですか?」

「魔物の強さはキメラを強化した程度と言われていますので、その部分は問題ないと思います。問題はその魔物が持つ特別な能力にあります。」

「能力?それは何でしょうか?」

「討伐事例が多くありませんので、詳細は分かっていませんが「呪い」の一種だと言われています。11階まで幸運にも進めた冒険者も居ますが、11階から戻ってくることはありません。」

「即死しなくとも、それに近い状態になるということですね。」

「そうです。帰還者が居ませんので、ギルドとして10階のボスに挑まれる前に警告をする様にギルドマスターから命令されております。」

「分かりました。対策を考えてみるとします。」

進まないという手はないので、対策を考えるのである。


冒険者ギルドを後にして、リンマに聞いてみる。


「リンマ、そもそもな話なんだが、呪いって何?」

「はい、一定期間マイナス効果が発生する物を「毒」と呼び、その効果が打ち消されるまでマイナス効果を発揮し続ける物を「呪い」と呼びます。治癒でも「呪い」に対処することは可能なのですが、専門的に「呪い」に特化していませんので、気休めでしょうか。」

「「呪い」になると対処はどうするの?教会が呪いを解くとか?」

「呪いは教会で解くことはできますが、この村の教会では初歩的な呪いしか解けないと思います。それに呪いが治療されることはあまりありませんので。」

「ん、治療がされないってどういうこと?」

「あまりお聞かせする話ではないと思いますので、言いませんでしたが…」

「内容が分からないけど、呪いが治療されない経緯が知りたいかな?」


リンマの話を総合するとこんな感じだ。

・呪いを使ってくる魔物はある程度分かっている

・呪いは1匹が1回しか使用してこないということが分かっている

・呪いの疑いがある魔物には、奴隷で編成されたパーティをぶつけ、その後に本命のパーティと交代する。奴隷は呪いを喰らうが、本命は喰らわない。

・10階のボスは倒せたけど、11階から戻って来ないのは、11階で出てくる魔物が多いのではないか。奴隷も有限なので、身代わりはそのうち尽きる。

・奴隷に対し「呪いを受けろ」という命令は出来ない。ただし、「戦闘をしろ」という命令は出来るので、肩代わり作戦は実行可能。


「聞くだけで気分の悪くなる話だね。」

「はい、ですのでこの話は控えていました。」

「実際にやる気は0だけど、奴隷を使った呪いの肩代わりは普通に行われていることなの?」

「肩代わりだけではなく、奴隷を使った階の偵察は一般的に行われています。戦闘技能がある奴隷を未知の階層に送り込み、帰還者から情報を聞き出すそうです。」

「その情報を元に攻略して報酬を得るの?」

「はい、そして奴隷を補充する為に簡単な階に奴隷を送り込み、報酬等で奴隷を買うそうです。」

「無茶苦茶だな。そんな奴隷の使い方をしても、奴隷は買えるんだ?」

「交換条件として妻や家族、恋人は奴隷として優遇された生活を送らせるそうです。」

「優遇された生活?」

「そうです。家の奴隷は皆、部屋を与えられ決められた仕事しかしていません。休日もあります。この待遇は一般的に優遇された待遇なのです。」

「え?ということは、本人達にとって先回りして夫や恋人、家族を差し出せと言ったようなものなの?」

「一般的にはそうですが、リーダーの場合は解放もしてますし、買われる際の条件にも含めておりませんので、その誤解は無いと思います。」

「あ~良かった。そんな屑な行為と思われるだけで最低な気分だからね。」


「少し今後のことを考える必要がありそうだ。一旦、家へ引き返そう。」

そう皆に告げて家へと戻る。


「さて、ダンジョンの10階を攻略に必要な何かを話し合おう。」

「私は呪いの存在を前提に考えますと、新たな技能を習得したいと思います。」

そう言うのはリンマ。

「具体的にどんな技能が欲しいのか分かるかな?」

「正確な技能名なのかはハッキリしませんが、解呪の技能になるかと思います。」

なるほど、解呪ね……スマフォをポチポチ触って探してみる。

「お、追加されている。解呪という名前で間違い無い様だ。」

「え?本当ですか?出来れば手にいれたい技能ですね。」

リンマの言う通り、解呪の技能はあって損はないと思う。

「他に何か候補はないかな?」

「それならリーダーかクリスが治癒を覚えるといいと思います。」

フェルナンドから意見が出る。

「最前線で呪いに晒される2人にも何か技能を追加するべきだけど、今は名前が分からない。」

そう意見してくれたのはシャル。

「それではこんな感じでどうだろうか?」


・リンマに解呪B(50,000P)

・クリスに治癒C(5,000P)

・私に治癒C(5,000P)


特に反対意見はなく、その話に皆頷いている。

「戦士の皆には悪いけど、今回は治癒関連を充実させて貰う。」


少しいいですか?とアクセルが手を挙げる。

「リーダーが治癒を取ることには反対ではないです。ただ、治癒は剣術との相性が悪い。分かりやすく言いますと、治癒を得る代わりに剣術を失うはずです。」

「具体的にどの技能と相性が悪いか分かる?」

「槍術を除く武器を使用する全ての近接攻撃技能と言われています。盾術Aと治癒Aを取得した人が過去に居て、大活躍はしたそうなのですが、教会から「治癒する者は最前線で魔物の血を浴びるべきではない」とか言われてしまって、それ以降相性の悪い特技だと言われていますね。」

「あ~なるほど。広域化で強化されたランク5の盾でも持って、完璧な盾になられた日には魔物は攻めることができないからね。」

「そうなんです。どうも魔物と大きく差の開く組み合わせは駄目なんだそうです。」

「そうなんだ。まぁでも今回失うであろう剣術は皆が居るから大丈夫だと思う。」

「そう言われるのであれば、反対する理由はもうありません。」

アクセルからの意見を聞き入れて、でも治癒を取得することにする。

しかし槍術はOKなのは僧兵という職業の為せる技なのであろうか。


「今日は休んで、明日の朝から10階に挑戦しよう。」


☆☆本日のお仕事☆☆

魔石(小)残1,550個-使用1270個(残り280個)

魔石(中) 入手60-使用0(残り145)

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

名前:ヤマト

職業:狩人A

所持金:150,233,500G

所持P:9,150P

冒険者ギルドB 150/10000P、商業ギルドB 150/10000P

E強化短弓 Eサーベル Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中)

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

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