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第26部分

「うーん、何か方法は無いだろうか。」

ヤマトは朝から悩んでいた。


「物足りないなら、見直すけど」

シフト表を持ってシャルが寄ってくる。そっちではない。


「前回の防衛戦でパトリク率いる弓兵部隊に参加して貰ったけど、今回は襲撃されずに被害0だったから良いものの、防護柵にキラーシープが殺到して、柵が抜かれたことを考えると問題だらけだったな、と考えているの。」


「確かにそうね。新人の弓使いにキラーシープと近接戦闘しろって言っても、それは無理な注文だと思う。」

シャルはシフト表を手に真面目な話をしている。アンバランスすぎるだろう。


「防護柵もいいけど、すぐに逃げることが出来る体勢が用意できたらと思ってね。」


「それなら、馬に乗せて矢を射る訓練をさせましょうか?」

クリスから良い提案を貰う。

「馬の上で弓を使うことは、卑怯者とか言われるのよ」

シャルが補足してくれる。謎の縛りが何故かあるのだ。


「では馬車から矢を射るのはどうでしょうか?馬が引いてはいますが、馬には乗っていませんので、卑怯とは言われないのではないでしょうか?」

リンマが更に良い提案をしてくれる。この屁理屈が大好きだ。


「リンマの言う、馬車から矢を射る行為はどうなんだろう?」

「恐らくですが、過去に事例がないので判断まで時間を要すると思います。」

シャルが頭をフル回転させつつ返事をしてくれる。


「よし、おっさんのところへ行ってくる。」

出掛ける際、食堂ではシフト表の見直しが行われていた。白熱した議論だった。


「こんにちわ、お久しぶりです。今、大丈夫でしょうか?」

「おお、ヤマト君、よく来てくれた。メンヒウの町へ応援に行ってくれて、本当にありがとう。」

「前回は助けて貰いましたので、そこはお互い様ってとこですよ。」

「そう言ってくれると助かるよ。今日は何かあったのかね?」


「実は馬車を手にいれたいのです。」

「馬車か……」

「何か問題でもあるんでしょうか?」

「荷台部分は大工が作れるんだけど、馬が特に不足しているんだよ。スタンピードで厩舎が襲われたりしてね。この村だけではなく、メンヒウの町も馬が不足している。」

「とこで、馬車は何に使うのかな?旅にでもでるの?」

「いえ違います……弓部隊を馬車で運用する構想を説明」

「やりたいことは分かったけど、馬が攻撃された時が問題になるよ。馬が不足しているから、追加ですぐに用意は出来ない。動けなくなったら一気に襲われる。半分正解だけど半分不正解になっちゃうね。」

「……なるほど、まだ解決しないといけない問題は多い訳ですね。」


「ああ~そうそう、メンヒウの町から礼状が届いているよ。」

おっさんはニヤニヤしながら礼状とやらを取り出す。

「なんか内容が想像できたので、代わりに読んで頂けます?」

「いいの?じゃあ読むね。ヤマト氏への感謝と、ヤマト氏率いる戦闘集団(クラン)への感謝だね。あと、最前線に立っていた3人の勇敢な戦士を招待して、記念式典をしたいんだそうだ。その3人はどういう人なのかな?」

「私と同じ孤児ですが、嫌がるような気もします。これは本人達が決めることなので、戻ったら聞いておきます。」

「うん、そうしてくれると助かるよ。君は記念式典は欠席するということでいいの?」

「はい、出来るだけそういう舞台には立ちたくないもので。」

「分かった、君以外の返事が決まったら教えてくれ。」


そして家に戻り、シャル、フェルナンド、アクセルを呼んで記念式典の話をする。

「なんで応援に行っただけでそこまで大事になるんですか?」

シャルの言い分はもっともだよな。

「式典とかいうのに出たら目立ちそうで、なんか嫌ですね。」

「リーダー出ないなら誰も出ないでしょ。」

まぁそうなるわな。


おっさんの家にパトリクの奥様(予定)を伝言に向かわせて、この話は終わり。


「パトリク、ちょっといいかな?」

「はい、なんでしょう?」

「ここでは出せないので、倉庫に行こう。」

…倉庫へ到着する。

「じゃあ出すから。」

ボロンとアイテムボックスから出る大量の羊毛。

「これは羊毛ですね。防衛の際の戦利品ですか?」

「そうなんだよ。馬車のお礼に全部渡すつもりが、半分しか受け取ってくれなくて。」

「なるほど、では商業ギルドに売るしかないのでは?」

「それもそうなんだけど、大きな宿舎が完成する前に生きる糧を用意しようと思っってね。」

「生きる糧ですか?」

「そう。この羊毛だけど、材料として販売するのが一番安くて、次に羊毛から加工された糸、次に糸から加工された布、最後に布から加工された服や寝具の値段が高い。奴隷を買って加工させる方法もあるけど、孤児院で戦闘に向かない子を引き取る理由になるから、ここである程度加工出来るようになれば、戦闘組がダンジョンから羊毛を持ち帰り、生産組がそれを加工して販売するって流れが出来る訳だ。」

「それは名案ですね。孤児院でも羊毛をどうにかしたいという話は出てるみたいです。」

「手っ取り早く特技持ちを探すには、奴隷なんだろうな。」

「リーダーも最近はその結論に至るのが早くなりましたね。」


そして商業ギルドへ。


「エステルさん、ちょっといいですか?」

「あら、ヤマトさん、こんにちわ。今日はどんな御用でしょうか?」

「商業ギルドが預かってる奴隷の技能を見せて頂けませんか?」

「うん?技能を見たいの?」

「はい、どんな技能があるのかを知りたいんですよね。」

「う~ん、なるほどね。見せるのはいいんだけど、条件があるわ。」

「なんでしょうか?」

「最低でも2人、買ってくれないかな?メンヒウのスタンピードで家族を失って奴隷になった人が結構居るんだよ。教会の孤児院は増築する目処がついたらしく、用意ができ次第、ある程度引き取るらしいけど、商業ギルドはそこまで奴隷に一緒懸命ではないから。」

「なるほどですね。最低2人は今日買うことを約束しますので、見せて頂けます?」

「契約成立ね。ちょっと待ってて。ギルドマスターに相談してくるわ。」


カウンターで待つこと30分、ようやくエステルさんが書類の束を抱えて戻ってくる。

「ごめんね、遅くなって。これがご希望の書類。買った奴隷以外の情報は他言無用で。」

「了解です。」

1枚1枚奴隷のプロフィールが書かれた書類を確認していく。

紡績、機織、裁縫、この辺りが羊毛の加工に関係しそうだな。

紡績A、機織Bの人、紡績B、機織Aの人、裁縫Aの人、機織C、裁縫Bの人、機織B、裁縫Cの人。合計で5人居るな。

「エステルさん、この5人を引き取りたいんですが、費用はどの程度に?」

「どの人かしら……えっと、この5人ね、値段は張るけどいいかしら?」

「技能の価値は分かってますので、問題ありません。」

「技能A持ちが1000万G、技能B持ちが500万Gになるわ。ただ、依頼を受けている分が終わってから契約になるけど、大丈夫かしら?」

「その依頼が終わるまで掛かる時間はどの程度でしょう?」

「正確には分からないけど、1週間もあれば終わる見込み。」

「では買います。私が家に居ない場合はパトリクを責任者として一時預かりにしますので、その方向で手続きをお願いします。」

「はい、ではこれで手続きは完了。家に向かわせる前日には使いをやるわ。」

エステルさんにお礼を言い、商業ギルドを後にする。


家に戻り、少しまったりしてから夕食の時間を迎える。


「パトリクと相談していることがあって、今日奴隷を5人買いました。」

奴隷2人にガン見されるパトリク、シフト表を取り出すシャル。

「誤解しないで欲しいんだけど、今回買った奴隷は孤児院から引き取る子の指導とお世話を任せる人だから。宿舎に住んでもらって、倉庫とか馬車を置き場を改造した場所で羊毛の加工を教えてもらう。」

「羊毛の加工?生産技能持ちなんですか?」

「そう、生産技能持ち。孤児院から戦闘が出来ない子もこれで引き取れる。」

「それなら何も問題はないです。」

シフト表をさっとテーブルの上から下ろすシャル。


その後の話題はあのモフモフした羊毛を加工してどうするんだ?ということで持ちきりとなった。


☆☆本日のお仕事☆☆

魔石(小)残1,550個-使用0個(残り1,550個)

魔石(中) 入手0-使用0(残り0)

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

名前:ヤマト

職業:村人A

所持金:137,363,500G

所持P:7,150P

冒険者ギルドC 50/5000P、商業ギルドC 300/5000P

E強化短弓 E小型鉄杭 Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中)

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

土地購入予定:5000P

建設予定資金:3棟180人 建設開始残り2日で完成予定

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