第18部分
それから1週間程はビックボアを延々と倒す日々を続けた。
勝手な推測だけど、
・森に異常発生の原因となる何かが発生する
・最初はゆっくりだが速度を上げて増殖を続ける
・そのうち凶暴化すると共に増殖速度が最大になる
・堤防が決壊するように、一気に襲い掛かる群れになる
この2番目と3番目の狭間を今は行き来しているような気がする。
討伐を開始して1週間が経過した頃に、自宅に置いている食料保管用のアイテムボックスが一杯になった。
更に延々と倒す日々は続き、予備にしているアイテムボックスが一杯になった。
その頃にようやく、減少傾向に転じたという情報が入る。
「これで村の危機も回避されたと考えて良さそうだね。家に立て籠もる日はこれにて終了かな。」
朝食を食べながら、皆へそう伝える。
おっさんにも手を引くと伝えるべきだと思い、おっさんの家へ向かう。
「ヤマト君、おはよう。お陰様で収束の方向に向かっているよ。村長としてお礼を言わせて欲しい。村の防壁工事の資金にと、アイテムボックス1箱分のビックボアを提供してくれたとも商業ギルドから聞いている。」
ちなみに、寄付した訳ではなく、アイテムボックスの上限を迎えていたので、ある日を境に半分を孤児院へ、半分を商業ギルドへ渡していたのである。
「まぁ、あれだけ大量でしたから、少し寄付するくらいなんでもないですよ。」
「他の冒険者もそういう気持ちで……おっと、これは言ってはいけないね。とにかくありがとう。村の運営に関わる者達から、何かお礼をするべきだといった意見も出てるんだ。」
「お礼をするくらいなら、その費用を防壁工事に回しましょうよ。」
「まぁ、そう言うと思ってだね、ただの名誉でしかない物だが、ローカニル村の村長として、君に「ローカニルの守護者」の称号を与えたいと思っているんだ。是非、受けて欲しい。」
「称号の意味を教えて頂けませんか?簡単に受け取っていい物ではない気もしますから。」
・称号は一定の功績を残した者に王や町、村の長が贈るもの
・称号を得たことにより束縛されることはない
・守護者の称号を持つものは各町や村で1人しかいない
・今回は守護者から称号返上の申し出があった
・称号持ちは他の村や町での入村、入町審査を免除される
・同居人は全員税金免除
「称号を返上されるとは余程ですが、どんな方ですか?」
「冒険者ギルドのギルド長だよ。過去に洞窟での異常発生を察知して1ヶ月籠り続けた人だね。今回は防壁の魔道具を使った作戦に感銘を受けた様で、返上の申し出という訳だ。」
「そんな方が返上とは。受け取っていいものなのでしょうか?」
「娘から後押しが強かったみたいだよ。エルサ君、よく知ってるだろ?彼女がギルドマスターの一人娘だね。手を出すとダンジョンのボスとタイマン勝負させられるそうだから、気をつけてね。」
「エルサさんと付き合うことは死を意味する訳ですか。わかりました。」
「では受けてくれるってことでいいかな?」
「はい、謹んでお受けします。」
こうして、ローカニルの守護者となったヤマトであったが、ギルドマスターの別の思惑はまだ理解出来ていないのであった。
家へと戻り、皆に称号をもらったことを説明しておく。
「リーダー、おめでとうございます。これでこの村でも有名な冒険者ということですね。孤児院の後輩に良い見本として話せることが私は嬉しいです。」
パトリクは素直に喜んでくれる。
「村の英雄さんは未婚だと大変だと思うけど、どうするの?」
シャル、クリス、リンマはニヤニヤしているが放置しよう。
「将来の旦那様が英雄なら、もう何も言うことはないな。」
クリスパパママは2人の世界に旅立っているので、放置しておこう。
「英雄の家に仕えることが出来るとは、奴隷としてこの上ない栄誉です。」
奴隷の皆様は箔がつくみたいで、喜んでいる。
「称号は皆と一緒に頑張った成果なので、全員の評価と考えるよ。」
家での話も終わり、用事があるので商業ギルドへと向かう。
「エステルさん、こんにちわ。相談したいことがあるんですけど。」
「あら、英雄様。何かお役に立てますでしょうか?」
「そういうのは、やめてください。」
「はい、英雄様は注文が多いですね。ご用件はエルサさんとの結婚ですか?」
「結婚?なんでそんな話になるんですか?要件はビックボアの素材売却です。」
「結婚の話はそのうちゆっくりしましょう。素材の売却は大丈夫ですけど、どの位の数になりますか?」
「正確に数えていないですが、最低で5000ですね。」
「5000?毛皮と肉の両方でしょうか?」
「ええ、両方です。買い取って頂けます?」
「数が数なので100以下の端数は切り捨てで良ければお受けしましょう。」
「では後で家のものを寄越しますので、受け取りをお願いします。」
そう伝え、商業ギルドを後にし、冒険者ギルドへと向かう。
「エルサさん、こんにちわ。例のビックボアの異常発生ですけど、討伐報酬だけでも頂くことは出来ますでしょうか?」
「これは英雄様、未来の旦那様、達成ポイントは付けることができないですが、商業ギルドに素材売却されるのであれば、その明細を元にお支払いは可能です。」
「では、後ほど家の者を寄越しますので、宜しくお願いします。」
ソソクサと冒険者ギルドを後にする。
家に戻りパトリクに素材の納品をお願いしておく。明日でいい。
「リーダー、そういえば言われてました宿舎の建設費用が分かりました。周囲の家を買う話をすることができませんので、ここの敷地でおおよその費用を出してもらいました。
あまり大きな建物を建てると、その分費用が凄いことになるそうなので、この家(宿屋)を大きくするイメージで考えています。1棟に60人収容の建物がこの敷地なら3棟建つそうです。なので1軒の敷地で180人ですね。宿舎の建設費用は1棟1,000万Gで更地であれば2週間程度で建てることができるそうです。」
「家というのはそんなに早く建つものなの?明らかに速度がおかしい気がするけど。」
「防壁作りに来ている土の魔法が使える技師達がこれから1年はこの村に滞在するそうで、不定期ではありますけど、村の建物の建設も請け負うそうです。なので、早い!」
なるほどなるほど、と納得して食事にするのであった。
商業ギルドへの販売:10,000,000G
冒険者ギルドからの報酬:5,000,000G
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名前:ヤマト
職業:村人A
所持金:15,903,500G
所持P:10,650P
冒険者ギルドE 500/1000P、商業ギルドD 0/3000P
E強化短弓 E小型鉄杭 Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中箱)
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