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第17部分

目を覚まし、皆が集まる食堂へ向かう。


「リーダー、おはようございます。柵の魔道具のことで気付いたことがあるんですが。」

クリスは何度か試運転をしてみた様。


「うん、何か問題になりそうなことってあった?」

「いえ、問題という訳ではありませんけど、魔石(小)を消費します。パトリクさんから頂いてもいいでしょうか?」

「いいと思うよ。無くなれば羊を乱獲すればいいし。なんなら魔物部屋探しに行こう。」

「確かにそうですけど、何かがおかしい気もします。」

まぁ、細かいことはいいじゃない。朝なんだから。


では冒険者ギルドへ向かおう。


「エルサさん、おはようございます。おっさん…じゃなくて村長から、ビックボアの場所割当があると聞いてるんだけど、場所教えてもらえるかな?」


「ヤマトさん、おはようございます。ヤマトさんのパーティには目撃数の多い場所を担当してもらいます。村長からも場所は指定されていますので、場所変更は無しでお願いします。」

おっさんはサラッと裏切りやがった模様。前回のスタンピードで負傷したパーティも多いと聞くし、リハビリ中も多いんだろう。


割当が書かれた地図を見ると、前回グレーウルフを沢山狩った例の坂の下がポイントになっていた。


「クリス、良い場所だ。行ったこともあるし、矢が撃ち込みやすいから楽かもしれない。」

「ここなら確かにそうですね。あ、餌は半日分は頂いてアイテムボックスに入れてます。」

では参りましょうか。


冒険者ギルドを出て、担当する場所へと向かう。

「今日は柵の設置がクリス。柵の出入り口を抑えるのがフェルナンドとアクセル。その補助がリンマ。シャルが中で大剣を振り回すと柵が壊れそうなので、シャルは周辺警戒。」

シャルがブーブー言ってるけど、気にしない。


クリスが餌を岩場のある森が開けた場所に設置している。

「距離的に問題ないと思いますが、初回はお試しということでお願いします。」

確かにぶっつけ本番だから、やりながら調整する必要はあるだろう。


30分経過した頃、ビックボアがどんどん餌に集まっている。昨日の警戒心は無いようだ。

「クリスそろそろ頼む。」


「昨日はあれだけ警戒していたのに、今日はあまり警戒していない。異常発生なのかスタンピードの前兆なのか判断に困るな。」

「これだけ多いと、餌が足りないということも考えられますから、あまり決めつけずに様子を見るしかないですね。」

ご機嫌斜めのシャルであるが、一応状況はしっかり分析している。


岩陰からクリスが餌場に向かいソロリソロリと近づいている。

隠密は仲間であれば「ある程度視認できる」そうだ。誤射は怖いからね。

クリスが魔道具を餌場に設置して、柵を展開する。


「フェルナンド、アクセルは出入り口を封鎖、リンマはサポート。」

柵から走り出るクリスと交代で盾2名が入り口をしっかりガードする。


作戦は見事に成功。柵を破壊しようとビックボアは攻撃しているものの、壊れる気配はない。

「入り口周辺は誤射するかもしれないから、奥から片付けよう。」

クリスにやることを伝えて、攻撃を開始する。


「アローレイン」柵に向かい殺到しているビックボアに矢の雨をお見舞いする。

ビックボアが襲いかかる矢にどんどん倒されていく。


「一方的すぎて、ビックボアが少し可愛そうです。」

クリスの言う通り、一方的すぎる。


「ある程度撃ち終わったから、残りは片付けてくれ。」

シャルにも戦闘を許可するが、大剣は1本に制限しておく。

「魔道具を回収して、餌の用意をしてきます。」

クリスもしっかり働いている。坂の上で座って待っているのは一人だけだ。


皆が戻ってくるので、クリスに餌の設置をお願いする。

「それにしても魔道具を使って逃さないのは名案ですね。」

「パニックになるから、出入り口に殺到しないので、思ったより楽でした。」

ほぼノーダメージで殲滅できるのは重要なことだ。


「では続きを行おう。」

午前中は4回の殲滅戦を行った。これだけで300~400匹は居ると思う。

昼食中にギルドから委託された冒険者のパーティが餌の補給に訪れてくれた。


「そういえば、奴隷の2人なんですが、早速どちらが第一婦人なのかで戦っているんですよね。」

「こっちの2人も同じような喧嘩をしてます。」

フェルナンドとアクセルは同じ悩みを抱えているようだ。

「では、自力で第一婦人を探して、奴隷達は買った順番に第二婦人、第三婦人でいいんじゃないの?」

「そうは思うけど、奴隷達が酒場に行かせてくれないんですよ。」

そんなの知らんがな。


「さて、午後からの部を開始しよう。」

こうしてビックボア退治を再開する。午後からも4回の殲滅戦を行った。

午後からは数もやや減り、300匹程度に収まる。


「よし、おっさんに報告もあるから帰ろう。解体処理は任せた。」

解体処理と言っても、アイテムボックスから取り出して、解体のアイテムボックスに投げ込むだけなんですがね。刺さってる矢は抜かないといけないので、家のメンバーが総動員で手伝ってくれている。抜いた矢は再利用できそうな物は、パトリクが倉庫に集めているそうだ。無限矢筒恐るべし。


家で皆と一旦別れて、おっさんの家へと向かう。


「まいど~、戻りました。」

「ヤマト君、おかえり。仲間は怪我してないかね?あ、治癒技能持ちが居るんだったか。それで今日の状況を教えてくれないか。」


・朝から先程までで約700匹

・餌への警戒心が薄れている様に感じる

・その原因が餌不足によるものなのか、別の原因なのかは不明


「700匹だって?どうやってそんな数を倒せたんだ?」

「野営用防護壁の魔道具ってありますよね?あれ、地面から2メートル位の柵を円形に展開してくれるんですが、出入り口は1個なんです。餌を置いて、ある程度集まった時に、隠密の技能持ちが魔道具を設置に向かってます。」

「なるほど、それで一気に囲ってしまう訳か。平常時には禁止しないといけない方法だけど、今回のような異常時には有効な手段と認めるよ。他のパーティに情報流していいかな?」

「はい、今日が試運転でしたので、他のパーティーも同じ方法を使ってくれれば一気に数を減らすことができますので。戦闘に自信の無いパーティは柵の外から槍とかで突くといいかもしれないですね。」

「なるほど、2つのパーティを合同で行動させることも考えていい訳だね。これも良い情報だ。ありがとう。」

「それでは戻って休みます。」

おっさんとの会話を終えて、自宅へと戻る。


自宅へ戻って少し休んでいると、おねーさんから脳内通信が届く。

「防護柵の魔道具とセットで使える電撃罠の魔道具がありますが、いかがでしょうか?」

「それを使うとビックボアはどうなる?」

「焦げたり、肉が変質したりで食用としては使えなくなります。」

「じゃあ、駄目だな。他に何かあるかな?」

「今の家の周囲の家が明日にも村から脱出しようとしています。敷地面積は変わりませんが、建物も大きくありませんので、いかがでしょうか?塀を撤去して繋げれば大きな敷地になりますので。建物は解体してしまえばいいと思います。」

ほうほう、お隣さんとか裏の家とかは明日にも逃げ出すと。

「気になるそのお値段は?」

「お隣の家が5000Pです。裏の2件は4000Pです。敷地面積4倍で13000Pです。」

「なるほど、悪くないね。今の騒動が収まったら考えたい。この騒ぎは本命なのか否かは教えてもらえないのかな?」

「それはお答えできないことになっています。」

無理なものは無理だな。

「ありがとう、また連絡するよ。」

おねーさんとの会話を終了し、食事の時間になったので食堂へと向かう。


皆で夕食をモグモグしている時にパトリクに無茶振りをしてみよう。


「パトリク、当面内緒の話なんだが、隣の家が空きそうなんだ。」

「隣ですか?特に付き合いもありませんし詳しくは知りませんけど、とにかくでかい庭のある家ですよね。」

「そう、その家だね。あと、裏の2件も空きそうなんだ。」

「裏の2件もですか。裏の2件は建て替えないと厳しい感じですね。」

「そうなんだ、それで相談なんだが、この3件を買い占めようと思っている。」

「え?3軒ともですか?」

「そう、3軒とも買いたい。パトリクが孤児院から引き取るつもりの冒険者志望者は数人だけだろ?この家の部屋数の問題なんだけど。なら、裏の2軒の敷地を使って2階建ての宿舎を作れば何人くらい入れると思う?」

「家のことは詳しくないのでハッキリとは言えないですが、100人くらいでしょうか?」

「それだけの冒険者希望者って居るだろうか?」

「冒険者希望は沢山居ますし、他の孤児院にも声を掛けることが出来ますので、そのうち埋まると思います。ただ、100人の面倒を見る人間が居ないです。」

「確かにその問題は残るけど、そのうち解決する課題として考えよう。この騒動が収まったら、大工さんのとこへ行って、宿舎建設の費用がどの程度になるか聞いてきて欲しいんだ。」

「了解しました。落ち着いたらすぐに聞きに向かう様にします。」


そんな話をして夕食を済ませ、部屋へ戻るのであった。


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名前:ヤマト

職業:村人A

所持金:903,500G

所持P:10,650P

冒険者ギルドE 500/1000P、商業ギルドD 0/3000P

E強化短弓 E小型鉄杭 Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中箱)

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