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第14部分

目を覚まし、朝食を食べているとフェルナンドとアクセルのテンションが少し低い。パトリクも経験した儀式なので許して欲しいと一応は謝っておく。


まずは、シャルの武器を買い替える為、武器屋へと向かう。


「リリーさん、おはようございます。置いてある大剣見せてもらえますか?」


「ヤマトさん、おはようございます。大剣ですね、少しお待ちください」


クレイモア20,000G

バスタードソード40,000G

大太刀70,000G


シャルにどれが良いか聞くと大太刀と即答される。

在庫はまだあったので、2本買う。


その足で冒険者ギルドと商業ギルドに寄って依頼を受ける。


3階は羊の魔物のようで、シャルは試し切りする気満々なので、急いでダンジョンへと向かう。

そうそう、昨夜解体のアイテムボックスを設置する時にパトリクから魔石のことを相談された。食費だったり、孤児院から引っ越して来たばかりの子の装備だったり、細々とお金が掛かるようになっているみたいだ。なので魔石は全部自宅の資金として使っていいよ、ということでクリスママにも魔石の管理をお願いすることになった。


魔法陣で3階へと向かう。


3階の魔物はキラーシープという羊に長いツノが生えた魔物だと聞いている。


「魔物が居ると思われる部屋が近くにありますが、どうも様子が違う気がします。」

クリスが異常を感じ取る。


「確かになんかおかしいね。罠がある様には感じないけど。」

シャルも同じく違和感を感じるみたいだ。


このまま中に入るか、迂回するかという話になり、怪しいけど進もうということになる。


部屋に全員が入り、部屋の中ほどまで進んだ時に部屋の様子が一気に変わる。


2箇所ある出入口はうっすらと色のついた何かで閉ざされており、この部屋から出ることができない。毒ガスか!?と思った時に次の変化が訪れる。


「これ、魔物部屋じゃないですか?固まりましょう。」

リンマの掛け声で皆がしっかりと陣形を整える。


向かい側の出口にある色のついた何かの周辺からどんどんと魔物が湧き出してくるのである。」


「フェルナンドとアクセルは前進して引き付けてくれ。リンマは攻撃できるところから攻撃。クリスは右手の対処を、私は左手を。シャルはどうする?」


「えっと、試したいので少し突撃してきますね!」


そう言い残して魔物の群れに飛び込むシャル。リンマには治癒の準備をお願いするが……


シャルの姿は〇〇無双で相手を吹き飛ばしながら進んでいくアレのような感じである。


刀身の長さがあまり長くない剣であれば、右手・左手の役割があったり、それが双剣術なんだと思う。大太刀という刀身の長い武器の場合はどうするか?シャルの出した答えは回転しながら切り捨てるという方法であった。魔物の数も多いので、そうなるよね。


群れに切り込み、一気に押し込んでシャルが戻ってくる。群れに突っ込んだのだ、少しだけ被弾したようだ。


「数が多いですので、突っ込んだままだと疲れて囲まれそうです。様子を見ながら時々突っ込もうと思います。」

そう言って、シャルは盾2人の後ろに一度下がる。


20匹程度の群れによる攻撃が何度も繰り返される。クリスと2人で矢の弾幕を貼り、隙間から抜け出てきたキラーシープはニンマの槍でザクザクと刺し殺されていく。


シャルが3回目の〇〇無双に向かった頃に、ようやく魔物の発生が収まる。


入口付近に置いていたアイテムボックスを取りにいき、「回収」を行う。


「そういえばこの便利な回収の魔道具返してないな。まぁ、いいか。」


部屋の中央にアイテムボックスを置き、皆で回収を終わらせ1つの問題点に向かい合う。


「この部屋から出る方法は、どうしたら出られるもんだろうか?」


クリスが魔物の沸いていた側の一口に矢を放つ。


「バキッ!」


ガラスを割る様な音とともに一口は解放された。


「この部屋は大変だった。魔法陣に戻って少し休憩しよう。」

焦って進むにしても、また魔物部屋があるとしたら大事だ。


「フェルナンドとアクセルはグレーウフルで経験済みだと思うけど、魔物が押し寄せる魔物部屋の感想はどうだった?」

「う~ん、グレーウルフのスタンピードのほうが楽ですね。ウルフは頭にツノ生えてないので、盾で防ぐのもそこまで苦労しませんでした。」

「今回は攻撃するより牽制で距離を保つことが優先になりましたから、攻撃という攻撃はほぼ出来ていなかったですね。」


でも、魔物の攻撃を防いで距離を稼ぐ役割は十分にこなせていると思うので、問題ない。


「10匹くらいの群れだったら、私1人で始末出来るよ。」

シャルが〇〇無双すれば、確かにそうだろう。


「先制攻撃で連射を使うと良さそうです。ある程度片付ければ、そんなに怖い魔物ではありません。」

クリスは一気に片付けてしまう派らしい。これには同意だな。


休憩も終わったので、3階の捜索を続けて行う。様子のおかしい部屋=魔物部屋の認識でこれからは索敵をしてもらう。


階段の場所を出て、右に曲がって次の角で左にまがって。少し進んだ先にある魔物部屋だった小部屋を通りすぎ、3番目くらいの角を右に曲がって……という感じでどんどん進む。


「地図の特技があると、通ってきた道以外もなんとなくは分かるの?」

隣を歩いているシャルに聞いてみる。


「特技の地図で把握出来るのは階層のおおよその大きさで、このクネクネ曲がっている道は通ってきた道しか分かりません。パーティメンバーが歩いた道は把握できるので、クリスが先行して索敵した情報と合わせ、階段が有りそうな場所に向けて勘で進んでいるだけです。」

案外有能だけど、案外適当な機能なのか。無いよりはマシなので文句を言えないけど。


「リーダー、小部屋です。魔物の数…10匹です。」

シャルから索敵レーダー情報が届くも、

「あ、クリスが倒してしまいました。」

なんじゃそりゃ。


フェルナンドとアクセル、リンマの戦闘経験も積ませる必要もあるので、その後はクリスの先制攻撃はやめて、戦闘を行うことにした。


何度かの戦闘を終えた後、4階への階段を見つける。階段を降り、4回の魔法陣から地上へ戻ることにする。


ダンジョンを出て、村へと戻り、自宅へ向かう。面倒な解体作業から解放されるであろう、解体用アイテムボックスの出番なのだ。


「リーダー、おかえりなさい」

自宅の隣にある空き地でパトリクと孤児院の子かな?が剣の練習をしていた。


「解体のアイテムボックス試すだけなので、そのまま続けて下さい。」


食堂に設置した解体用アイテムボックスの蓋を開け、手持ちのアイテムボックスから中身を移す。バケツの水を空のバケツに移す感じ。解体はすぐに終わるので、今度は何個かまとめてアイテムを手に取り、アイテムボックスへ戻す。重量軽減がないので、これは仕方ないね。残ったゴミの処理は奴隷の子2人に頼んで、冒険者ギルドへと向かう。


「こんにちわ、エルサさん。依頼の完了報告に来たのですが。」


「ヤマトさんいらっしゃい。キラーシープですね。証明部位をお願いします。」

215匹分のツノをゴロゴロ出していく。


依頼達成件数:21件 報酬:645,000G


「ヤマトさん、お願いがあるんですけど、聞いて貰えないでしょうか?」

ほう、エルサさんのお願いだと。悪い予感しかしないが聞いてみよう。


「キラーシープの素材として商業ギルドが買い取るのは羊毛とツノの2種類です。解体する際に出るお肉は多くの冒険者はダンジョン内で捨ててきてしまいます。ではキラーシープの肉が食べられないかと言うと食べることは可能です。少しクセがありますので、嫌いな人は嫌いみたいですが、教会の炊き出しや孤児院の食事としては普通に使われています。」

なるほど、商業ギルドはそんな微妙な肉は買わないってことか。


「そこで、もしお肉をお持ち帰りされているのであれば、教会や孤児院にいくらか寄付して頂けないでしょうか?依頼として出せればいいのですが、弱者救済の一環としてやってますので、冒険者ギルドとしてはお金が出せないのが現状なんです。」

まぁ確かに、お金は出せないだろう。破産しちゃうからな。


「分かりました。協力しましょう。今後も商業ギルドが買わない食べられる肉は持ってきましょう。」

申し入れを受け入れ、冒険者ギルドの倉庫にキーラーシープの肉をぶちまける。


冒険者ギルドでのあれこれは終わったので、次は商業ギルドだ。


エステルさんに依頼完了の処理をお願いして、報酬を頂く。


依頼達成件数:21件 報酬:2,150,000G


「フェルナンドとアクセル、ちょっといいかな。」

2人を呼んで一緒にエステルさんのカウンターへ戻る。


「エステルさん、奴隷をこの2人に見せてくれないかな?いろいろと事情があって、必要なんだよ。この前買わせて貰った2人と同じく大切にするから、お願いします。」


「予算は一人1,500,000Gまで。将来的に奴隷から解放して面倒見るなら奴隷買っていい。使用人住居の空きもあるから、見るだけでも見てこい。」

そう言って2人を送り出し、2人はホクホク顔で帰ってくる。


事情を察しているシャルとクリスは何も言わない。いい子だ。


明日の朝に奴隷は自宅に来るそうなので、支払いを終えて自宅へ戻る。


「リーダー、そういえばベッドをまだ買っていませんか忘れていませんか?」

シャルから強烈な一撃が放たれる。


「そういばまだ買っていませんね。代わりに買ってきましょうか?」

マテマテ、この流れで買うのはよくないぞ。


「私のほうはいつでも大丈夫ですから、今日呼んで頂いても…」

リンマが不穏なことを言っている。呼びません。


3人に完全に包囲されながら食事を済ませ、お布団に逃げ込むのであった。


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

名前:ヤマト

職業:村人A

所持金:1,333,500G

所持P:5,650P

冒険者ギルドE 0/1000P、商業ギルドD 0/3000P

E強化短弓 E小型鉄杭 Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中箱)

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


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