第11部分
目を覚まし、おっさんの家へ行ってみることにする。
おっさんも奥さんも家に戻っており、朝食を食べることができた。
「ヤマト君、死んでなくてなによりだ。仲間も皆も大きな怪我は無いみたいだね。まずは無事にスタンピードを乗り越えられたことを喜ぼうじゃないか!」
おっさんの言う通り、生き残ったのでそれだけで価値があるとは思う。
実際に死者は2桁だったそうだ。
「大変だったのもあるし、新しい家のこともある。2、3日は休むといいよ。」
おっさんに言われ思い出す新しい家。
「ありがとうございます。今日は家を見にいくことにします。」
食事を終えて、おっさんの家を後にする。
「今日は家を見に行こう。」
新しい家に到着すると、そこは確かにでかい宿屋だった。
本館の鍵を開けて中に入る。
宿屋は入ってすぐ右手に受付があり、左手には食堂がある。まっすぐな廊下が伸びており、1階は大部屋のようだ。2階は1階よりもやや奥行きがなく、個室が10部屋ならんでいる。
トイレと風呂は別棟にある。風呂は大きな浴槽が1つだけしかないので、男女に分かれて順番で入ることになるだろう。敷地内には本館、別館(トイレ、大浴場)、馬車置き場、厩舎、使用人住居がある。広すぎるって。
部屋割りは全員1階の大部屋を1部屋使うということで話しが纏まる。
早速だが、広すぎる物件を管理してくれる人員探しを開始する。
商業ギルドへと向かい、エステルさんに奴隷を買いたいとストレートに言ってみる。
「奴隷?奴隷ですか?商業ギルドとして情報は持っていますけど、奴隷を買う経緯をお聞きしていいでしょうか?」
まぁ、確かに突然奴隷を買いたいと言われても困るよね、と思いつつ宿屋だった物件を入手することになったこと、物件が広すぎて手に負えないこと、おっさんに奴隷の話を教えてもらったことを説明する。あとはパトリクの好みをやや伝える。
「なるほど、確かに奴隷が必要になりますね。今は出払って居ないので、情報だけの話になりますが、説明させて頂きます。」
エステルさんの説明によると、
人間の女性奴隷は最低でも3,000,000G
獣人の女性奴隷は最低でも1,000,000G
人間の男性奴隷は最低でも2,000,000G
獣人の男性奴隷は最低でも700,000G
戦闘技能を持っている奴隷は最低価格の3倍程度~
生産技能を持っている奴隷は最低価格の2倍程度~
夜のお勤めは奴隷次第なのでなんとも言えない。でも大抵は拒否しない。
という感じだった。
いや、夜のお勤めはパトリク向けなのだけどね。
皆でしっかり相談すべきだろうと、新居へと戻ることにした。
「これだけ大きな家も手に入った。この村をスタンピードの脅威から救う手伝いもできた。4人で死にかける思いをしたんだ、ここで今から何をやりたいか、皆で意見を出し合わないか?」という提案をしてみる。
「先に私からだが、私は元々この世界の住人ではないんだ。この世界を治めている多くの女神の導きにより、別の世界からこの世界へとやって来た。技能をいろいろと手に入れているのはその関係だ。やりとりしてる時は「転生課」という名前で女神達が居る場所のことを呼んでる。そして私が何をやりたいかだが、実はスタンピードが発生する世界を選んでこの世界へやって来たという経緯がある。決して、私はその発生源ではない。なので、いろんな場所でいろんなことが起こると思う。手っ取り早いのが、冒険者ギルドや商業ギルドの依頼を受けて世界を旅することだと思うから、旅をしようと思ってる。」
「リーダーはやはりいろいろおかしいですね。」
3人は少し察していた部分もあったのか、すんなりと受け入れてくれた。
パトリク曰く、
「自分は生まれてすぐに孤児院に捨てられた孤児です。冒険者になったのは孤児院でも喧嘩が強かったからというありふれた理由です。他に食べていく方法を知りません。これから何をしたいかを考えると、有名な冒険者になりたいという気持ちが強いです。冒険者として活躍して、世話になった孤児院を援助して、冒険者になる兄弟を鍛えることが出来る冒険者になりたいと思います。」
シャル曰く、
「私も孤児なのですが、孤児になった理由がスタンピードです。住んでいた村が襲われました。隣村までお使いに行ってる間に村は無くなりました。これから何をしたいか、もっと強くなりたいです。この理不尽な魔物の襲撃を跳ね返せるような力のある冒険者になりたいです。リーダーが旅に出るならお供します。」
クリス曰く、
「私は両親は健在ですが、正直暮らしは貧しいです。両親の負担を減らそうと思い、冒険者になりこの村に辿り着きました。頂いた報酬は両親に仕送りできていますので、助かっています。これから何をしたいか、両親になんとかして貧しくない生活を送って貰いたいと思っています。」
クリスの両親の話が少し気になって聞いてみる。
「クリスのご両親は今の村じゃないと駄目だとかっていうのはあるの?」
「いえ、住む場所が他にありませんので、住んでいるという感じでしょうか。」
「なら、ここに住んでもらえばいいんじゃないの?」
「えっ?」
「いや、これだけ広いんだよ?部屋も余ってるし、厩舎や馬車置き場を潰せば同じ宿屋がもう1軒は確実に建つ余裕がある。クリスの両親ならいつでも来てくれていいと私は思うんだけどね。今までこういう話をしなかったのが問題だね。」
「いえ、リーダーは悪くありません。両親をここに呼んでよいという話であれば、私の望みは全て叶うことになります。リーダーが旅に出るなら私も一緒に旅に出て、出来ることはなんでもやります。」
「うん、ありがとう。ご両親はすぐにここに来れるように手紙をだしてくれるかな。引っ越し費用は全部出すから、あるべく早く来るように伝えて。」
「……何から何まで、ありがとうございます。」
「クリス、良かったね(な)」
パトリクとシャルも喜んでいるので、これでいいんだと思う。
「シャルとクリスは引き続き一緒に活動するとして、パトリクはどうする?」
「はい、実は孤児院を出て冒険者になり、GランクやFランクで苦労しているのが多くいます。私もお陰様である程度ならこの村周辺では戦えるようになりましたので、兄弟達をある程度まで育てる手伝いが出来ればと思います。」
別のPTを作って後輩を育成したいという話か。戦力が減るのは痛いけど、仕方がないな。
「わかった、パトリクは別行動をすることでいいと思う。住処はここのままでいいし、兄弟で家に困ってるなら2階使わせていいからな。代わりと言ってはなんだが、居ないことが多いと思うから、その時はこの家のことを宜しく頼む。」
「わかりました。ありがとうございます。」
こうしてパトリクは別のPTで後輩の育成に精を出すことになる。
パトリクは孤児院へ行ってくると言い残し、居なくなる。
「さて、どうするかな。まずは奴隷の話をもう一度勧めに商業ギルドに行こう。クリスは途中で手紙を出すといいよ。」
再度やってきた商業ギルド。時間も遅い時間になりつつあり、奴隷も戻ってきているかもしれない。
「エステルさん、何度もすみません。話してた奴隷のことなんですけど、戻っている方いますか?早めに決めてしまいたいので。予算は2,500,000G出せますが2人は欲しいです。」
「わかりました。そろそろ戻る時間ですので、少しお待ちください。予算と、先程教えて頂いた「条件」の者を連れてきますので。」
そうエステルさんが言い残しカウンターを離れる。
「リーダー、条件ってリーダーの好みってことですか?」
シャルからお約束のような突っ込みが入る。
「いや、絶倫A絶倫Aのお詫びで。パトリクに悪いことしたから。」
「ああ、そっちですか。いつの間に条件まで。」
シャルがゲラゲラ笑ってるので、これはこれで大丈夫そうだ。
エステルさんが戻ってきて、何人か候補になる人がいますと教えてくれる。
別室に案内されると、そこには5人の獣人の奴隷が居た。
エステルさんが年齢とか購入代金とか何が得意なのか、をそれぞれ説明してくれる。
家事が出来るという奴隷2人を選んで購入代金をエステルさんに確認する。
「はい、購入代金は1,000,000Gと1,500,000Gですので2,500,000G予算通りです。価格の違いは、顔に怪我の痕が少し残ってまして、それが違いの理由です。」
「怪我の痕は気にしないので、その2人でお願いします。」
「承知しました。ではお支払いをお願いします。……はい、確かに。時間的に手続きが明日の朝になります。朝にはご自宅のほうに向かわせますので、お願いします。」
「わかりました。では、明日の朝で宜しく。」
そう言って部屋を出る。クリスも戻っており、手紙を出したと嬉しそうに言っていた。
自宅でパトリクと合流しておっさんの家へと向かう。
おっさんに奴隷を購入したこと。クリスの両親を呼ぶことにしたことを話して、物凄く褒められる。なんなんだろう。
引っ越しは明日の予定なので、今日は自宅(旧)で寝ることにした。
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名前:ヤマト
職業:村人A
所持金:82,500G
所持P:900P
冒険者ギルドF 0/30件、商業ギルドE 870/1000P
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