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第10部分

村の中にある鐘という鐘が鳴らされている音で目を覚まし、急いで装備を整える。

急いでおっさんの家に向かうも、おっさんも奥さんも居なかった。


様子がおかしいと、シャル・クリスを冒険者ギルドに向かわせて商業ギルドへと向かう。


大混乱の商業ギルド内をどうにかカウンターへ進み、エステルさんに話を聞くと、


「スタンピードです。」

短くはっきりと教えてくれた。


頭の中でおねーさんとの会話を試みる。

「スタンピードは発生したと聞いたけど、それは事実なのか教えてくれないかな?」

「事実です。」


「場所と魔物の種類くらいは教えてくれない?まだ死にたくないから。」

「……わかりました。発生場所は村の南にある森の中です。詳しい場所は言えません。ご存じの通り増殖しているグレーウルフを中心とした群れが一気に村に向かっています。」


「ありがとう。」


冒険者ギルドから戻ったシャル、クリスと合流して「スタンピード発生」という認識で今後の行動をどうするか?考えることにする。


・「逃げる」→却下3名 村から出るほうがリスクが高い

・「村に残り防衛に参加する」→却下2名 冒険者なので戦うべきだ

・「村の周辺で他の冒険者と一緒に戦う」→却下0名


「村に入られたら、新しい家が台無しだ。皆で守ろうじゃないか。」

パーティメンバーの士気は極めて高い。


門は既に閉鎖されているので、村の防壁を乗り越え外に出る。

おっさんが遠くでなにか叫んでいたが、よく聞こえない。


冒険者が多く布陣している。守りの薄い場所に配置につく。


「パトリクは近づけないように牽制して欲しい。シャルは索敵と連携でパトリクのサポートを。クリスは私と一緒に弾幕を張ってとにかく近寄らせないように射ち続けよう」

皆に作戦を伝えると、「「「了解!」」」と返事が返ってくる。


鳴り続いてた鐘がいつの間にか鳴りやんでいた。


「……リーダー、クリス、もの凄い数が向かってきます。中央は2人で抑えるので、左右から回りこまれない様に排除してください。」

シャル探索レーダーの話を聞いてると、グレーウルフの姿が遠目にパラパラと見えた。

クリスにも目で合図し、速射・早合で矢を射始める。


パトリクは近付かれまいと、牽制・鉄壁を発動してどうにか距離を保っている。


周囲に残骸がゴロゴロと転がっており、グレーウルフはその残骸の上を構わず突っ込んでくる。


左右のパーティーがゆっくりと後退を始めている。押されている訳ではなく、残骸の山の上からグレーウルフが襲い掛かってくるので、下がらざるを得ない。

応援したいが、こちらも既に手一杯なのだ。


村の防壁には気が付くと梯子が降ろされている。


「リーダー、このままじゃマズイ。一度防壁に戻りましょう。左右のパーティが撤退したら我々が完全に囲まれます。」

パトリクが剣を振るいながら叫んでくる。


「クリス、先に防壁に登ってくれ。防壁の上から近づくやつを出来るだけ叩いてくれ。」

「了解です!」


クリスが梯子を登り終えると、他の冒険者パーティが防壁から降りてくる。


「交代するぞ、うちと右手のパーティは弓が居ないから、先に防壁に登るんだ。登ったら隣と我々が撤退する支援をしてくれたら貸し借りは0だ!」

隣のパーティの知り合いか、なんかそんなもんみたいだ。

どんどん押し寄せるグレーウルフの前で剣を振っても、数には負けて押しつぶされる。


シャルを先に登らせ、次に私、パトリクが登り終え、

「全員登った。はやく後退してくれ。支援する。」

クリスと防壁の上から「アローレイン」をこれでもかと撃ち込む。


交代してくれたパーティも防壁の上に辿り着き、堀の中はグレーウルフで一杯になる。


「このまま増え続けると、そのうちどこかの防壁か門が壊されます。何か手を打たないとまずいです。」

パトリクさんの仰る通りである。このグレーウルフの在庫は一体どこにあったんだ、と言いたくなる程の量である。


戦争映画の攻城戦シーンでは岩を落としたり、熱湯をぶちまけたり、油を撒いて火を付けるのがお約束だったような気がする。


おっさんを探すと、おっさんは門の上であれこれと指示を出している。

おっさんの元に駆け寄り、堀に油を撒いて火を付けることを提案してみる。

防壁に散らばっている弓を門に集めれば、守り切れるかもしれない。


「堀に油を撒いて火をつける?なかなか面白そうな話じゃないか。やってみよう。」


おっさんが隣に居た部下?に指示を出し、暫くして瓶と松明を持って戻ってくる。


部下の人が瓶を掘りへとブン投げ、火のついた松明を投げ込む。


これは堪らないとグレーウルフは火から遠ざかろうとおしくらまんじゅう状態だ。


「全部は撒けないにしても、近づかない場所が出来るだけで成功だ。この作戦でいこう。」

おっさんの指示のもの、大量の油が集められ、門から少し離れた場所にどんどん火の壁が作られていく。


門の前にはシルバーウルフの残骸で山が出来ているが門は破られていない。


どの程度時間が経ったかはっきりしないが、隣町であるメンヒウの町から応援の部隊が到着したと騒ぎになる。ローカニル村も門を開き、戦士部隊が一気に押し返す。


「なんとかなったね。」

クリスと門の上から押しこまれるグレーウルフ達を見てそう呟いていた。


状況が落ち着き、村へと戦士部隊が戻ってくる。パトリクとシャルも大きな怪我は無い様でよかった。


スタンピードの後は後処理ラッシュが襲い掛かってくる。村人総出で解体作業に取り掛かり、堀に残っているものはスライムを放り込むということでそのままだ。


村の外周に松明が大量に並べられ、延々と解体されている光景は忘れることができないような気がする。


その日は家に帰ることなく、防壁の近くで座って寝た。

目を覚ますとだいぶ日が昇っており、解体作業もあと少しという状態であった。


「我々は一旦戻りましょう。何も食べていないので、そろそろ限界です。」

パトリクの言う通り、何も食べていない。


おっさんの家に行っても誰もいない可能性が高い。

こんな困った時はギルドに行って食料という報酬を貰うのが良いだろう。


「エルサさん、無事で何よりですね。昨日から何も食べてなくて、グレーウルフの肉を焼いて食べるか悩んでいるところなのですが、何か食べ物ありませんか?」

顔が疲れているエルサさんに食料報酬をお願いしてみる。


「ヤマトさんも、無事で何よりです。皆さんも、大きな怪我も無い様で。保存食でしたら用意できますので、少しお待ちください。」


そう言って奥に消えていくエルサさん。袋を下げて戻ってくる。

「あまり多くはありませんが、これを皆さんで食べてください。今回は村の防衛に協力して頂き、本当にありがとうございます。」

エルサさんにお礼を伝え、自宅へ戻ることにした。


メンバーで食事を取り、疲れ果てていたので寝ることにした。


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名前:ヤマト

職業:村人A

所持金:2,582,500G

所持P:900P

冒険者ギルドF 0/30件、商業ギルドE 870/1000P

E強化短弓 E小型鉄杭 Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中箱)

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