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ネイキッドとオウザ。旅の始まり。

 旅の始まりは、オウザの魔法から。


 結晶コアエイド


「えっと。くらを付けるのか?」


「鞍は買ってないっすよ。数メートル内なら、おれの命令が伝わるから、何もしなくて良いっす」


「すごいな」


 2人が荷物を載せた馬車を引くのは、馬ではない。先ほどオウザが結晶コアエイドで生み出した従魔だ。


 今回は4足歩行、力に優れ耐久力も抜群の馬の魔獣をイメージして創造した。



 既に荷物を積載した馬車も、通常のものとは違う。


 2階建ての大型馬車だ。1階部分、つまり馬のロープと結合されている車輪のある土台に、荷物を大量に積み込んである。


 そして2階部分が天頂。ここにネイキッドとオウザが乗り込む。地面からの高さは、おおよそ3メートルと言った所か。


 2人の体力なら飛び上がる事も可能だが、馬車に要らぬ負担をかけたくないので、大人しくハシゴを登る。


 そして座席に着いたなら。


「出発っす!」


 オウザの掛け声から、2人の旅路は開けた。


 見送りに来てくれたヴェルグとイセ、キンクに手を振り振り、門番の声援に応えながら、始まりの一歩を踏み出す。



 激突門から西に向かって、まっすぐ。このまま進めば、一ヶ月で剣国だ。


 はっきり言って、オウザが雲を作って飛べば、数日内に着く。


 だが、それではもったいない。


 せっかく、2人そろっているのだ。陸を歩く経験を積むのは、無駄ではないしな。



 まず、王都からすぐの所にある防衛拠点、カコウに。


 カコウには軍事拠点としての意味合いがあると同時、鉱物資源の産出地でもある。当然、その労働者目当ての街も存在し、かなり賑わってるはずだ。以前なら、魔物の出現に合わせて、厳重な警戒態勢が取られていたが、今はもう平穏そのもの。軍も、かなりの兵士が引き上げられ、街の警備に必要な人員のみが砦に残っている。


 健脚なら、カコウまで1日で向かえるが。


 まあ、急ぎの旅ではない。2日かけて、良い。



 旅、とは。刺激的でワクワクするもの、ではない。


 実際には退屈で代わり映えのしない、ある意味、日常以下の代物だ。


 その地方や季節特有の風景が目を楽しませてくれるのは、間違いのない事だが。


 そんなものは、1分で慣れる。


 誰の家の周りだって、本当は美しくかけがえのない光景のはずだが、生まれ落ちた瞬間からそこにあるものたちに気付くのは、遠くに行ってからの話。


 大体、身の回りの風景に一々感動していては、その土地の人々はまともに生きて行かれないではないか。



 さて。


 そうは言っても、道中の2人の旅はまだまだ始まったばかり。


 新鮮な気持ちしかなかった。



「おかしいな。オウザの魔力量で、襲って来るなんて」


「多分、エサの枯渇こかつっすね。皆が襲われないように気を付けてるんで、大ガラスも獲物を選り好みする余裕が無いっぽい」


「なるほど」


 ネイキッドは、大ガラスの死骸を、大通りからかなり離れた地点に放り投げた。


 こうしておけば、魔獣は向こうで食い合う。そして人のおこぼれにあずかろうとする。人そのものを襲うのではなく。




 ・・・以前、王族を中心として、メイストームやスガモ、ヴェルグの集まる席を開いた事がある。


 議題は、魔族魔獣の絶滅について。


 結論としては、不可能という話だ。


 この世に魔力の存在する限り、魔獣は自然発生する。虫のように、動物のように。その全てを息絶えさせるなど、土台不可能。


 だが、調べる事は無益ではない。王立魔法学研究所には、魔王討伐に成功した今もなお、予算が潤沢に振り分けられている。


 その成果の1つが、武具班との共同研究によって生み出された、あの魔力自動車だ。


 魔獣を絶滅させられないのなら、他の手を講じなければならない。



 魔獣同士の争い。それも、人間が主導権を握って。これが成功したなら、魔獣はもはや恐れる必要もない。


 まだ、理論段階の話でしかないが。ネイキッドやオウザも、それを念頭に置いている。



 そんな事もありながら、時間は夕方。


 そろそろ、キャンプを張る時間だ。



「こんなもんか」


「良いっすね」


 とは言え、伊達に馬車を購入していない。


 荷台に天幕を張って、そのまま寝れば良いのだ。


 準備として、2人はペグに魔力ロープを通して、馬車の周辺一帯に円を描いて打ち込んで行った。


 これで、このエリアは、オウザの魔力で包まれた。これは、迷彩ではなく、威嚇いかくだ。このエリアを侵すものは、オウザの魔力と対立する事となる。それを明確にしたのだ。


 そして魔獣対策が終わったなら、お楽しみの晩ご飯の準備だ。


 今日はまだ生鮮食品が食べられる。昼も美味しいサンドウィッチが食べられた。


 肉野菜を煮込み、調味料で味付け。カレーの出来上がりだ。


 米を炊いても良いが、今日はパンに合わせる。カレーをよそった皿にパンを突っ込み、食う。


「美味い」


「うん!」


 ネイキッドもオウザも、年相応の笑みを浮かべて、元気に食す。


 明日の昼にはカコウに着いている予定なので、明日までの食料がある。保存食などは、万が一カコウで入手出来なかった場合を考えて王都で購入したが、パンや野菜なんかは、カコウで買うつもりだ。


 カコウまでは、と言うか剣国までは、完全な陸路。


 何のトラブルもない退屈な旅だろうが。


「流れ星だ」


「おおー」


 夜空を切り裂く白い石ころ。


 そんなものを見ながら、オウザの魔法で作った水で食器を洗い、片付け。


 そして2階部分にセットした寝床でお休み。


 また明日。




チュンチュン



 朝だ。


 結界を割って入ろうとしている魔鳥の激突音が目覚まし。



 電撃スピア。数羽の体長3メートルほどのスズメを撃ち落とし、朝食のおかずが取れた。


 火を起こし、オウザは鳥のあぶり焼きとシチューを作る。


 そうこうしていると、魔鳥の残骸を森の遠くへ放っていたネイキッドが帰って来た。


「ここらでも、やっぱり居るんだな」


 そう言うネイキッドの手には、鹿の角が。


「へええ。おれも、もっと北の方の魔獣だと思ってたっす」


 ロクソー。鹿総とも書く。大型の鹿の魔獣だ。角は様々な武器の原材料となるので、それなりに乱獲されているのだが、まるで減る気配を見せない。それどころか、増えている感さえある。


 余裕があれば、丸ごと狩ってもいいが、今は旅の途中。肉や皮は、放り捨てるより他にない。


 ツテがあればカコウで売るのも良い。その場合、カコウ付近まで魔獣をおびき寄せる結果となっているだろうから、それらの退治まで含めてやる必要はある。結局、狩りの準備が要るわけだな。


 今回刈り取った角は、オウザなら何がしかの原料として使える。



 普段通りの朝ご飯を食べ終えると、キャンプを片付け、2人は旅立った。


 天候も良い。問題なくカコウに着くだろう。



ポクポク


 従魔の足音が、しんとした朝の空気に響く。


 朝早くに馬車を歩ませたが。正解だったようだ。


「世界におれ達だけみたいだ。おれとオウザと、オウザの従魔。それに馬車」


「少な、くもないっすね」


 4人も居たのか。


 2人は、声を立てて笑った。



カツカツ


 整備された街道を独り占め。


 いくらか進んだが、この時間では、すれ違う人も居ない。カコウから出る人間でも、もう少し後だろうな。


 別に、朝早ければ、魔獣も眠っているからとか、そういう理屈ではない。単に、視認しやすいから、日が上ってから活動するのだ。



 魔獣の活動時間は、基本的に24時間いつでも。先の大スズメなどの魔獣も、一般的な鳥獣とは違う。個体ごとの魔力総量が減るまで活動しなくても良い魔獣も存在するし、定期的に人間や動物、あるいは植物を摂取しなければならない生命も存在する。


 例えば、魔王などの高位魔族ともなれば、人間など食べなくても構わないのだ。


 だが、食べなくては、存在を保てない魔獣も居る。ゆえに、魔王は人類を絶滅させぬよう調整しつつ収穫する必要がある。


 でなければ、王ではない。




 陽光が顔を照らす。


 天幕を設置する事も出来たが、ヘンに怪しまれてもあれなので、気象対策は講じていない。


 なんとなれば、オウザの結界で守れば良いし。



 数台の馬車、いくつかのパーティーと挨拶を交わしながらすれ違い、そしてカコウに到着。


 本当に何のアクシデントも起きなかった。



「どちらから?」


「王都リメオラから。昨日立って、今日の到着です」


「魔獣との遭遇は、どうでした」


「大ガラス、大スズメ共に数体。確認してませんが、他の魔獣も居たようです」


 カコウ守備兵との会話。


 王都の激突門ほどの大きさではないが、ここカコウにも、人や馬車の出入りのための通行門が存在する。他にも通用口はあるが、魔獣の出入り出来ない小さな通路に限られる。


 従魔を連れているこちらは、相手からは手練てだれに見えているだろう。ゆえに、対応も戦士に対するものと同じになる。


 商人や兵士なら、もうちょっとスムーズに通れる。


「剣国に向かう予定なんですが、何か問題はありますか?」


 応対は全て、ネイキッドがこなす。オウザでも全く問題は無いが、従魔を使ってもらっているので、これぐらいはネイキッドが役立ちたいと思ったのだ。


「剣国ですか?かなり遠方ですよ。まあ、特に問題は無いと思います。目立った情報は入って来ていませんし」


「そうですか。長丁場の予定ですので、大丈夫です。ありがとうございます」


「では、カコウにようこそ」



 兵が場所を空けてくれて、2階建ての大型馬車も余裕を持って通る事が出来た。


 大抵の城塞都市には、このように大型の打って出るための門が存在する。


 統率の取れているとは言いがたい魔獣を相手取って、統率の取れた兵が有利に戦うための決戦場だ。後衛の魔法使いからの無限の強固ツモリイシも相まって、超激戦区以外では、この戦法が破られた事は無い。



 逆に言えば、この大門が破られると、人間は死ぬしかない。


 結界を含む防御能力はすさまじく高いが、逃避用の経路は、全く仕掛けていないのだ。穴を用意すれば、そこだけもろくなってしまう。全周囲を均等に堅めているがゆえに、大型門の意味がある。


 まあ、最早この世界では、問題にならないだろう。魔王が倒れた今、魔獣の集団行動は、ほぼ無いと言い切って良い。



 しいて言えば、氷王などの飛び抜けた怪物が怖いが。そんなものに、対策など、無い。心配の意味も無い。



 カコウの街並みは、豊かだった。


 街の中に森林があり、森林の中に家が建っている。こんもりとした並木道と言ったところか。馬車やたくさんの人が通る大通りの脇は丹念に手入れされた花壇で固められ、更にその外には活気あふれる商店が並ぶ。


「相変わらず、綺麗な街だ」


「うん」


 ネイキッドもオウザも、この街は通った事がある。以前に師に付いて回った修行で。



 まず、宿を求める。大型馬車を停められるだけの宿は、そう多くない。迷う必要はないだろう。


 「森の家」。シンプルにもほどがある名前だが。その名の通り、森林を模した地形に合った宿だ。そのくせ、お値段もそれなりにする。馬車やなんかの駐車場があり、警備の人間が付くのがセールスポイントなのだ。元々は王兵の駐留宿だったので、かなりしっかりした作りでもある。ただ、それゆえ美麗さには期待出来ない。2人には何の問題でもないが。


 さて。馬車を駐車場に停めたが。結界を張るべきか否か。


 結界を張れば盗難防止になるが、宿の人間が場所を移動させる事も出来なくなってしまう。


 分からないので、聞いてみた。


「すみません。馬車に結界を張っておいて良いですか?」


「構いませんよ。うちは、お客さんの馬車には手を付けませんからね」


 掃除をしている人間に聞くと、心よい答えが帰って来た。


 安心して結界を張ったなら、まだ休むまでには時間があるので、カコウの街を遊ぶ。



「やっぱりここだな」


「そうっす!」


 カコウは、鉱物資源の産出地。当然ながら、ここで生み出されたものは、ここでも加工される。


 最高級品の刀剣を求めるなら王都の鍛冶屋が良いが、量産品レベルならここで十分に手に入る。


 それに、土産物としての顔もあるので、物珍しい剣もあるだろう。


 2人はそこに期待していた。



 着いたのは、土産物屋がのきを連ねる、観光客向けの商店街。とは言え、まだまだ一般人の外からの客は少ない。メイン対象は、戦士と商人だ。


 確かに、面白い武器はあった。子供に持ち帰るようなおもちゃに混じって、大小問わず、様々な武具が。



「なんだこれ・・・?」


 ネイキッドがうなったのは、大刀。刃渡り2メートル超、重さ、実に20キロ超えか。


 ネイキッドなら普通に持てるが、いったい誰が使う事を想定して作った・・?


 しかも、これ。


「あー・・」


 オウザが触れてみて、ネイキッドへの同意の溜め息をついた。


 もろい。


 いや、刀身は恐らくかなり丁寧に作られている。それは分かる。そこらの剣はおろか、王都の物と比較しても劣ってはいまい。


 だが、そこまで。


 この大きさ、重さ。


 つまり、通常の刀剣をはるかに超える負担がかかるであろう、この大剣の硬度としては、弱い。そういう事だ。


 多分、ネイキッドが振り回すと、全力を出す前にちぎれ飛ぶ。


見栄みばえは良いんだけどな」


 そう。一般兵が周りの兵に混じって使う分には良いだろう。もしくは、隊長クラスが帯びていても頼もしい。


 だがネイキッドが使うには、足りない。これでは弱すぎる。


「んっと」


 が。


 オウザは、大剣を持ってみた。ネイキッドほどではないにせよ、オウザもそこそこ人間を超えている。


ブン


 軽く振り回してみた結果、やはりネイキッドと同じ感想を得た。


 もろい。


 おそらく、オウザやネイキッドの速度でぶつけると、即座に折れる。が。


「石ころ代わりに使えば、かなり使えそうっすね」


 オウザには共振頼と魔法がある。搦手からめてを増やすのは悪い選択ではない。・・まあ、かさばるので、そこまで欲しくもない。第一、石ころにしては値が張りすぎる。


 2人はひどい事を話し合いながら、観光街を冷やかして行った。お供は、リンゴスティックだ。この街の特産品であるリンゴを、輪切りにして焼き目を付け、細長いパンに挟んだ、間食として重宝される食べ物。パイほどの手間もかからずに作れるので、主婦の人気も高い。



 およそ1時間ほど見て回っただろうか。


 やはりと言うか、意外にもと言うか、ネイキッドとオウザの希望を満たすような武具は無かった。ただ、流石に品数は豊富で種類も多く、オウザは短めの投擲とうてき用ナイフを購入した。先述した通り、搦手用だ。


 ナイフを手土産に、2人は昼食を取り、宿に帰った。


 割り当てられた部屋は2階。二人部屋なので、それなりに広いし、シャワーも付いている。


「全然動いてないのに、妙に疲れた気分だ」


 ベッドに座るなり、ネイキッドはそうつぶやいた。


「分かるっす。多分、師匠達が居ないからっすね」


 オウザも荷物をベッドの脇に置き、窓からの風景を眺めながら答えた。


 明るい平和な世界。


 勇者達が守った世界。


 今、自分達はその庇護から抜け出て、2人ぼっち。


 気力体力共に充実しながら、オウザは少し寒くなった。



 カコウで一泊し、2人はまた旅の朝に出立した。


 宿の人間は2人を覚えてくれており、出る際には見送ってもくれた。


 思いがけず幸せな気持ちでの旅立ちだ。



「次のアサギリまでは、ざっと1週間か。かなりの長距離だな」


「仕方ないっす。道が道っすからね」


 カコウを出て間もない現在、馬車は全く不自由なくゆっくりとした速度で走れている。だが、それもあと数日。おそらく、明後日ぐらいからは様子が変わる。なぜなら。



「こんなにせまかったっけ・・・」


「ん~・・・」


 霧の立ち込める朝。2人の馬車の旅は順調に歩を進めていたが。


 アサギリ付近、半径数キロ範囲内に迫って、ピタリと止まった。


「ちょっと見て来るよ」


「了解っす」


 馬車2階部分からひらりと飛び降りたネイキッドは、そのまま霧の中に消えて行った。


 そう。数メートル先も見えない霧が、周囲を覆い尽くしていた。そして間の悪い事に、ここらは道幅が狭く、もろい。大気に大量に水分を含んでいるので、常時地すべりの危険があるし、この水分の源である川や滝の影響で、地形すらが1年ごとに変化している。


 昔は、もう少し、広かったような・・・。


 ネイキッドと同じ事を考えながら、オウザは馬車を街道から少しよけていた。離れすぎるとネイキッドが見付けられなくなるので、他の馬車が通れる程度にだが。


 ここ、アサギリの手前は、律国の中でも遠路の難所として有名だ。剣国に向かうために必ず通る地点であるにも関わらず、整備がなされていない。理由は先に述べた通り、地形そのものが街道とするに適していないからだ。過去には、川の上流を行くルートもあったが、あまりにも険しい山脈を通過せねばならないので、危険度はさして変わりない。その上で更に遠いとなれば、そのルートには価値はあまりない。一応、地下水まで含めた治水工事の計画はあるが、100年単位の予定だ。今すぐの解決は不可能。例えば、ネイキッドが巨大化アズマで水の通り道をえぐり抜いた所で、人や馬車が通れる道を整備するとなれば、最低でも1年はかかるだろう。大量の人足を雇って、だ。その大勢の人々のメシ、護衛も手はずを整えるとなると、やはり国家規模の計が必要となる。


 さて。ネイキッドはそろそろ帰って来るだろうか。オウザは無意識に花蜜ニンフで魔力をほんの少し回復しながら、霧を眺めていた。


 ネイキッドの足なら、なんならアサギリまで一瞬で行ける。馬車の道筋を確認するとしても、そう時間はかかるまい。



 音もなく、ネイキッドは自然に現れた。濃霧ゆえに、オウザにも視力では数メートルに近付くまで察知出来なかった。


「大丈夫だ。少なくとも、今すぐ崩れそうな箇所は無かった」


「オッケーっす。じゃあ、行くっす!」


 次はオウザが働く番だ。ネイキッドが座るのを待って、従魔をゆっくりと歩ませた。


 崩落の危険性はなくとも、馬車が狭い道の壁にぶつかる可能性を考えれば、速度を落とすのが賢明。


 土壁が既にはがれ落ち、岩肌が露出した街道を、気を付けて進む。先人が魔力コンクリートで固めてくれた街道をありがたく使わせてもらう。


 幸いな事に、道すがらで魔獣に襲われる事は無かった。このエリアで襲われれば、ネイキッドでもオウザでも、周囲に被害を出してしまう恐れがある。出来れば、戦いたくなかった。



 そして、到着。


 農の街、アサギリ。

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