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愛宕坂の勝軍地蔵  作者: テッドオフ
21/31

戸惑うばかり その2

・・・・・・

 馬鹿な女だよ。可愛い顔で学校のアイドルなのに、佐々木みたいな男に身体を差し出すなんてさ。


 悪かったわね、どうせあたしはブスだよ。


 んなこと言ってねえし。


 可愛いけど身長が高いのって、男の人は嫌なんじゃない?コンプレックスっての?


 こうして二人並んで寝てる分には身長なんて関係ないじゃん。長いのは手足だから手を伸ばせば、ほら、ここに手が届くし。ほらほらほらー!

・・・・・・



 ・・・ここはバンドがいつも練習してる誰かの家の車庫だ。うたた寝してるうちに彼に置いていかれたみたい。あの子たち、私がいるのに気づかないままエッチなこと始めたんだな。

 見つからないようにここを出なきゃ。

 と身を起こしたとたん、ドラムペダルを蹴ってしまった!

 ダダン、ドドン、パッシャーン!


 そこでハッと目が覚めた。


 ・・・また夢だ。今度は高校時代、おっかけをしていた頃のことだ。ドラムの男の子は何て名前だっけ。あの子にも言い寄られたんだけど、私はギターの佐々木君が好きだった。だから彼にあげたんだよ、私のいろんな大切なものを。


 それにしても何でここんとこ、エッチな夢ばかり見るんだろ。中野さんや佐々木さんと寝た時もこんなだったかな?うーん。覚えてないな。失明の危機だってのに、エッチなことばかり考えてる私って、やっぱり駄目人間ね。

 でも身体が勝手に疼いてるって感じ。そっか、裸で寝てるからかも。まわりに誰かいるのか、それとも一人きりなのか分からないのに裸で寝てる、それが性的に気分を上げてるのかも。


 でも今は前田さんが隣に寝ているはずだ。明日も一日、有給休暇取ったから、なんて言ってたもの。

 私は寝返りを打って腕を伸ばした。でもまわりに腕に触れるものはなかった。



「前田さん?」

「ここにいるよ」

 隣の部屋から声がした。

「起きてるの?今って何時頃なの」

「まだ朝じゃないよ。外は真っ暗、寝てたらいいよ」

「あなたは何してるの?こっち来てよ」

「眠れないんだよ。どうしてかな、疲れてるのに」

「そりゃそうでしょうね。よく動いてたから」

 最初の夜はシンプルな行為だった。でも私を抱くたびに、前田さんは大胆になった。乱暴に腰や背中を掴まれ、元気いっぱいなのだ。これだけの元気さは中野さんにも佐々木さんにもなかったと思う。私も疲れるし、乱暴に扱われることもあるけど、前田さんを信じていた。目が戻るまでは、頼れる人は彼しかいないし。


「ねえ。こっち来てよ」と私が言うと、

「わかった」と布団に潜り込んできた。

「わッ、冷たい。風邪ひくわよ」

 私は冷えきった彼の背中やお尻を片手でさすった。

 下にしていたもう片方の手が彼のあそこに触れた。触っているだけで、みるみる膨らんでくるのがわかる。耳を甘噛みされると、私はまたおかしくなってきて、彼のあそこを強く握る。



 翌日。前田さんが帰って一階の居間でぼおっとしていると、多田里美さんがバタバタとやってきた。不思議な偶然。ちょうど里美さんのことを考えていたところだったのだ。


「丸岡さんから聞いて、飛んで来たのよ。どうしたって言うの?どこの病院行ってるの?」

「いえ、病院には行ってないんです」

「病院行かなきゃ駄目なんじゃない?まあゆかりさんがいいんなら私は構わないけど」


 ?なんか素っ気ない返事。お店のことかな。

「お店、開けなくてごめんなさい」

「店なんかどうでもいいのよ。大家として、ご両親にどうお詫びしていいやら。?ご両親には連絡済みでしょうね」

「はい。昨日、大阪に帰りました」と、嘘をついた。


「そう。聞いてたら私もお会いしたかったのに」

「里美さん。これは勝軍地蔵と関係してるんです。悪霊の祟りというか、呪いなんです。だから呪いを解く魔法さえわかったら元に戻るんです」

「桃園さん・・・あなた、大丈夫?」


 そこに店の玄関戸が引かれ、誰かが入ってきた。

「あら、竹内さん。あなたも来てくれたの?」里美さんが言った。

「そりゃ心配だもの。大丈夫?桃園さん」


  桃園?初めてちゃんと名前を呼んだのね。でもまあいいや。

「竹内さん。ご心配おかけしてすいません。今も里美さんに話してたんですけど、物が目に当たったんじゃないんです。悪霊の呪いですから、そのうち治るんです」

「悪霊?そんな怖いこと、言わないでくださいよ」

「桃園さん。わかったわ。わかったから上で寝てなさい。あなたが眠るまで下にいてあげるから」と里美さんが続けた。


 私はわかりましたと答えて、二階の部屋に戻った。確かにとても疲れていたので、布団の上にゴロンと横になると、すぐにうとうととしてくる。

 そのまま眠りに落ちる?落ちない?と意識が浮遊してるうち、

「寝たかい」と竹内さんの囁くような声が聞こえた。

「寝てるみたい。可哀想に、悪霊の呪いだなんて」すぐ近くで晴美さんの声がした。

「全くだ。おや、ぐっすり寝てるようだね。さ、下に降りよう」

「ね、どう?久しぶりに」

「うん。でもあの子、起きないかな?」


 二人が黙ってもぞもぞ動き出したのがわかった。そのうち里美さんの喘ぐ声、それって・・。

 あの二人、そういう関係だったの?私から見れば二人はお祖父さんとお祖母さんほどの年齢だ。あんな歳になっても、男と女ってエッチするものなの?

 幾つになっても男と女、ということで私が文句を言う筋合いじゃないけど、なんだかガッカリだ。

 でも里美さんの喘ぎ声を聞いてるうちに変な気持ちになってきた。疲れてるけど、あそこに手を伸ばした。快感の刺激が身体を走り抜ける。もう片方の手も伸ばして、指先で別の刺激を探ってみる。





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