第二話 高級宿:ラーダのスイートルーム。
俺達は、シュタイア公国の王都ダリアに到着したのはその日の夜。
通常なら、何週間か掛る行程であろうが、飛行と魔法によりその日の夜に着くことが出来た様だ。
「攻められている国の王都としては、警備が弱いな。」
私の所感はそんな感じだ。幾分か余裕があり過ぎるのではないだろうか?
警備の兵も少なく、夜の繁華街的な場所も繁盛している様子がある。
「そうですね。ですが、まだ国境を占領されただけで、危機感が少ないのでしょうか?」
「もしかすると、平穏無事な生活をおくらせる事で、安定を図っているのでは?」
小競り合いはどこの国境でもある事だ。
なので、ナリ―タの言う事も考えられるが、キャシーの言う安定を図る為に作為的にそうしている方が、国としては侮れない。ここまで、群雄割拠を生き抜いたシュタイア公国なのだから、作為的な方が高確率だろうな。
まぁ、無能な王であれば、ナリ―タの考え通りとなるが、確かここには、有名な王子が居たはずだ。
「とりあえず、今日の宿を探しましょう。私が探してきます。」
そう言って、シャーラが駆け出して行った。
「確か、ここのカマズ王太子の評判は平凡。三男にあたるアロズ第三王子の評判をよくお聞きしますね。」
「私も聞いた事あるわ。【光王子】とかって呼ばれているとか。」
「確か、その対になる【闇王子】って第二王子が居るハズですね。名前は何でしたっけ?」
「それは、セアズ第二王子の事かしら?愚図とか色々と悪い噂ばかりの王子よね。【闇王子】と呼ばれているとは思わなかったわ。」
光が強すぎて、闇が浮かび上がる。そんな感じだろうか?
平凡というカマズ王太子が一番目立たない。
良くも悪くも目立たないという事か?
そういう人物には傑物が多いとは聞いた事があるな。
『能ある鷹は爪を隠す』だったか?
もしかしたら、有能なのかもしれないな。
「それは面白い。その三人の王子達に会いたいな。」
「では、王城に乗り込みますか?」
「すぐ、ナリ―タは脳筋みたいな発言をするんだから。乗り込むではなく、入り込む方が良いんじゃないかな?」
「ほぅ。キャシー。それはどんな手を使うんだ?」
「特にありません。正々堂々と城に入ります。正面から。」
「うん?」
おかしいな。聞き間違いだろうか?
俺達はお尋ね者では無いが、王族に直ぐに会って貰える立場ではない。
「神の使徒一団という形で、王城に向かえばいいんです。後は、ナベリウス様の力の一端を見せつければ、すんなり事は運ぶでしょう。注意が必要というのは、やり過ぎてお尋ね者扱いされない様にするぐらいですね。」
ニコッとスマイルのキャシー。
堂々とした方が良いのかもしれんな。
「良いだろう。そこはキャシーに任せよう。」
「ありがとうございます。」
一応の入場の仕方を決めた。あとは、特別する事もない。
後は寝るぐらいだ。
その後、少ししてシャーラが戻って来た。
「部屋とれました。すっごく大きな部屋でしたよ。」
◇◇◇◆◇◇◇
12名が入っても楽々と過ごせる大きなスペース。
王都でも一番の高級宿:ラーダの宿のスイートルームを確保できた様だ。
到着早々に、一ヶ月分の宿代を先払いした。
ちなみに、ここの宿は一部屋幾らという部屋料金で、おひとり様幾らではないようだ。
通されたスイートルームは国賓館も兼ねている様で、VIP御用達の宿でもあるようだ。
そうなると、普通は身分証なるモノが必要になるのだが、そこは上手くやったシャーラがやった様で、先に多めにお金を払ってしまう事で文句を言わせない様にしたようだ。
どの世界も金らしい。どの世界も?
最近、時々自身の考えに不思議な単語が出てくる時がある。
俺はこの世界しか知らない筈だが、前世の記憶の残りなのだろうか?
自分の死んだ記憶だけが残っているだけ。気になる言葉もある。ただそれだけのハズ。
「これだけ大きいテーブルがあれば、皆で食事がとれますね。」
「そうだね。従者もつけてくれるサービスあるみたいだけど、どうしようか?食事の時だけでも頼む?」
そんな会話をキャシーとナリ―タが話し合っている。
細かい所には俺は関知しない。
俺は隣の部屋のソファーの中央に腰を下ろす。
すると、直ぐに横にギャネックが座る。
ギャネックは寂しがり屋なのか、一緒に行動している時は常に横に居ようとする。
ナンバー中、一番の年上で、元伯爵夫人でもある色気のある女だ。
「お前は話に加わらなくて良いのか?」
「そういう所は、ナリ―タさんとキャシーさんにお任せしております。私は決められた事を守るだけです。」
と言って朗らかに笑う。
俺はギャネックの色気纏う肩を左手で引き寄せると、右手で顔をクイッと上げさせてキスをする。
ポッと顔を赤くしたギャネックはそのギャップ、何とも言えない。
妖艶さと可愛らしさを備えた女だ。
「いきなり・・・恥ずかしいですわ。」
そう抗議する様子は嫌そうではなく、ただ恥ずかしくて言っていると思わせる様な行為だ。
ある意味、上手いのだろうな。とは思っているが、実際自身がされるとグッとくるのは仕方がない事だろう。
その様子を見ていたのか、ミーシャが無言のまま近づいてきて、俺の顔を自分の方へ向けてキスをしてきた。ディープキスは糸を引くほどに濃厚だ。そのまま、ミーシャは俺の右側に座る。
それを見てギャネックは俺の膝の上に跨ってきた。上着をはだけて俺に抱き着く。
空いた左側にはアクアだ。
普通はこのまま、進んでいってしまうのだろうが、この日は違った。
まだ、色々な事を決めている段階であったので、ナリ―タとキャシーが活動中だからだ。
このままの状態で、イチャイチャを繰り返す。
キスをしたり、優しく胸を揉んだり、俺自身を触られたりと、愛撫が続いた。
その後の事は、想像できるだろう?
そう大人の情事がおこなわれた。




