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第十三話 ヨンケーレ大平原の戦い。 その10


「五日経ったな。」


「はい。」


彼らは辿りつく事は出来なかったようだな。

俺は今、火竜の洞窟の中の一室。その中で、くつろいでいる。


「ここに、マドカ・ラングレーを連れて来い。」


「はい。」


裸で隣にすわっていたアクアが服を掛けて立ち上がる。

豊満な胸を服の中にしまうと部屋を出て行く。


少ししてから、アクアに連れられてマドカ・ラングレーが部屋に入って来る。

裸の俺の一瞥し、顔を紅くするマドカ・ラングレー。


「約束の五日が過ぎた。」


「はい。」


「お前の部下達はここに到達する事は出来なかった。」


「はい。」


そこで、俺は言葉を切った。

マドカ・ラングレーは覚悟したのか、先ほど迄とは違い、凛とした顔になった。


「お前はどうされたい?」


だが、どうやら俺の質問が以外だったのか、驚きの顔になる。


「それは、どういう意味ですか?」


「お前はどうされたいと聞いている。」


驚きは更に増した様だ。


「いや、そのあの、犯されるとか、首切られるとか、魔物の慰み者になるとか・・・。」


わけがわからん事を口走りだした。

一通りどうなるのかを想像していた事を口走った後に、真っ赤になって下を向いた。

どうやら、マドカ・ラングレーという女は恥じらいを見せているのようだ。


「もう一度だけ聞く。で、どうされたい?」


「・・・解放されたい。生かされたいと思っています!」


希望半分、警戒半分と言った所か?

信用があるとは考えていないが、どうやら誤解されている様だ。

開放してやろうと思ったのだが、残念な事にマドカ・ラングレーは俺の眼を見てしまった様だ。


「やっぱり、仲間にしてください!私にお情けを下さい!」


残念だ。本当に残念だ。

俺に魅了されてしまった様だ。

もう少し、精神力がある者だとおもったのだが・・・。クックック。


「本当にそうされたいのだな?」


「は、はい。」


「良いだろう。マドカ、こちらへ来い。」


「はい。」


俺がそう呼ぶと、マドカは俺の傍へ来た。

そして俺の前で跪き俺のモノを愛おしそうに触り、口に咥えた。


「私も。」


そう言って、アクアは俺の横に来て豊満な胸をさらけ出す。

アクアの秘部へと俺は手を伸ばす。クチュクチュという淫靡な音が部屋中に響き渡った。


「あぁ。あっ。」


アクアの声が淫靡な音に重なる。

俺のモノを咥えているマドカは、そのままの体勢で自ら着ていた服を脱ぎ捨てるのであった。



◇◇◇◆◇◇◇



昼は魔物の軍団。

夜は死霊の軍団。


その休みを与えてもらえぬ退却戦はカーリアン帝国の侵攻軍十五万の兵を削りに削った。

四名居た将軍もイオラ将軍のみとなり、完全なる敗戦となった。

殿を務めたマリエン大佐は、バード中佐と共に、満身創痍の身になりながらも、国境を越えて帰る事が出来た。


その理由は、魔物とも死霊とも戦う事はせず、ただひたすらに仲間を救出する事のみに徹したからだ。

退却しながらも散っていた仲間を救出し集めて逃がす。

その繰り返しをおこなう事しかしなかった。

その為なのか、二日目以降は狙われる事は無かったのである。


殿を務め切れていないとも言えるかもしれないが、そのおかげもあり、多数の生還者を生み出した。


【救援のマリエン大佐】

【救助のバード中佐】


この戦において彼らは名を売る事になる。

しかし、彼らはその後二度と、シュタイア公国の侵攻戦には加わる事は無かった。

彼らはかの国への侵攻だけは是非としなかったのだ。


こうして、カーリアン帝国のシュタイア公国への侵攻はとん挫する事になった。

長い期間、シュタイア公国への侵攻は停止とされた。

責を執るべきイルド将軍は戦士しており、更に、そのイオラ将軍の部下達も戦士している。

さらに、戦場にいたブルボ将軍とメイセ将軍も退却戦時に戦死している。


後詰、補給が主な任務になっていたイオラ将軍に責任を負わす事も出来ず、処罰された者は出なかった。


この戦争において、色々な憶測から、多数の物語が出来たのは言うまでもない。

圧倒的戦力を誇ったカーリアン帝国が負けて逃げ帰ったという事実もまた歴史に残された。



◇◇◇◆◇◇◇



一方、攻められたシュタイア公国も侵攻は免れたのだが、その免れた方法が、自力でなかった事で、喜べるものでは無かった。戦死者は多数出ており、その死者の家族に払われる遺族見舞金は莫大な負担を貴族は負う事になった。


そして、生き残ったドミニク公爵は、民から救国の英雄として讃えられる。

しかしドミニク公爵は公王からの報酬を断った。


「私が、守ったのではない。」


頑として受け入れなかった。

公爵という大将が受け入れない以上、他の貴族達も受け入れる事が出来なかった。

その為、公王は戦争に参加した貴族に対して、5年間の免税をおこなう事になった。

そうする事で、公国は国としての補償をおこなうしか出来なかったからだ。


今回の戦争を通じて、国軍の設立が承認された。

これ以降、貴族たちは貴族の嗜み程度の私設軍を持つのみとなった。

皆、今回の戦において、連携不足が多くの死者を出した事を痛感したからだ。


初代大将軍の位には、生き残ったドミニク公爵が叙任された。

その後、ドミニク公爵は公爵という立場を息子に譲り、国軍の設立に尽力した。

その功績により、永久大将軍という名誉職を授かる事になる。


これにより、シュタイア公国も貴族のみではなく、士族の発展がされていく。

ドミニク公爵がした、公爵家と大将軍の位を分けて考えるという形が是とされ、貴族と並んで士族の立場も同列に並ぶことになった。貴族と士族による両輪でシュタイア公国は、運営されていく事になる。


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