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異世界血ート剣客 拙者・葵光剣は異世界に貢献するでござる!  作者: 鬼京雅
二幕・異世界転生せし新選組動乱編
31/33

新選組総帥・土方歳三

 スタタタタッ! と拙者とミツバはスザク王宮の秘宝・クリスタルが隠されている迷宮を駆ける。

 この先に待ち受けるのは新選組総帥を務める土方歳三……。

 俺の恩人でもあり、人生の基本を作った男。

 恩を仇で返すのは俺も好きではない。

 しかし、今は異世界での問題。

 この新選組のやり方は間違っている。

 暴力と言う力による支配は、結果的に己に跳ね返る諸刃の剣。

 それを誰よりもあの人はあの激動の幕末の終焉までを戦う最中、知っているはず。

 俺は俺の信念で、新選組の野望を打ち砕く。

 この異世界に貢献する異世界血ート剣客として。


「そろそろ奥の最後の扉らしきものが見えるな……」


「そうだね。うへぇ!?」


「ミツバ!? 何だこれは!?」


 俺とミツバは地面に仕掛けられた糸のトラップに引っかかった!

 ズズズ……と壁に化けていた新選組監察方のザキヤマは忍装束姿で現れた。


「哀れ、哀れ。次が最後だと油断しているからブービートラップに引っかかるのだ」


「……くっ! 余計な邪魔をしてくれるなザキヤマ!」


 ここで無駄な時間を使ってる暇は無い。

 ミツバは血を吸われて体力が無いから任せるわけにはいかん。

 ここは一気に倒して、無駄な体力の消費を抑えるしかないか……。

 すると、紫の煙が周囲に展開した。


(……これはザキヤマの煙か? 毒があるかもしれない……一気に行くか!)


 ガコッ! という音が聞こえ、俺はザキヤマが何かをしたと思い動く――が、


「……ケケッ。どうしたアオイ? こんな所で何遊んでやがる?」


「タカスギ!?」


 紫の煙がザキヤマを包み、俺達は助けられた。

 ザキヤマはタカスギが相手してくれるようだ。


「ケケッ、またけったいな奴が現れたもんだ。俺の城で暴れてもらうのはここいらで終わりだ小僧」


「アオイの仲間か……ヤクザ者のような男だな。すぐに殺してアオイも殺してやるさ」


 そのザキヤマの言葉を受け、タカスギは言う。


「ケケッ、ここは任せておけ。お前は親父のクリスタルを守れ。クリスタルはこの国の秘宝。奪われればこのバクーフ大陸の勢力図は変わる」


「かたじけない」


 俺とミツバはタカスギに任せて先へ進む。

 そして、最後の扉を開いた――。





「とうとう、ここまで来たか。俺がクリスタルを手にする瞬間を見に」


 その男、新選組総帥・土方歳三は白と黒のダンダラ羽織をひるがえし言う。

 怜悧な瞳は、じっ……とその先にある赤いクリスタルに注がれていた。


「だが、遅かったなアオイ。俺は人間の身体を手にしたぞ……」


「何!? 遅かったか……しかし、貴方一人ならまだどうにでもなる」


 そして、そのクリスタルの祭壇の近くで転がる一人の美女オネエは叫ぶ。


「アオイー!助けてくれー!」


「騒がなくてもいい。貴様は殺すつもりも無いからな。クリスタルを完全に使い果たすまでは」


「ひえー! 土方さん怖いけどカッコイイ!」


 ……相変わらず、カツラ国王は困った人だ。

 しかし、これなら問題あるまい。

 このまま俺が勝てば、頭を失う新選組は撤退する。

 この天下分け目の戦い。毛頭、負けるつもりは無い!


「ミツバ、カツラ国王を頼む」


「合点承知!」


 ミツバは桃色の髪を揺らし、カツラ国王を介抱した。

 そしてクリスタルから離れ入口付近で戦況を見つめる。

 そして、愛刀の和泉守兼定いずみのかみかねさだの鯉口を切る土方さんは、


「貴様を始末し、このバクーフ大陸は新選組が貰い受けるぞ。この人間と妖怪の力が合わさる俺の前に花と散れ、アオイ」


「そうはさせぬ。俺は貴方を倒し、この異世界に貢献する。俺の最強伝説に貢献しろ! 土方歳三!」


 そして、俺と土方さんの激闘が始まった。


『うおおおおおおおおっ!』


 ズバババババッ! と剣を交わす。


「鋭さ、力――申し分ない。やはり貴様は面白いぞアオイ」


「そうか! 貴方と出会った日を鮮明に思い出しているよ俺は!」


「島原で一度死にかけた時、貴様は嗤っていた。必ず相手を殺してやるぞ……という嗤いだ。死にかけにあって嗤うなどという事が出来るのは普通はありえん。だからこそ、貴様が新選組の屯所に尋ねて来るように一応は仕向けておいた。あのまま捨てておけば、島原の用心棒ぐらいで貴様の人生は終わっていただろうからな」


「用心棒だけでは惜しい……と?」


「そうだ。俺は使える駒は壊れるまで使い倒す。俺の新選組さくひんの為にな」


 冷気が……熱い冷気が空間を威圧する。

 熱き氷の男の本領発揮か。


「貴様は……凍れ」


 土方さんの能力である氷の氷柱にて、俺の死角から攻撃が始まった。

 氷の力で死角を狙い、剣で攻めて攻撃の芽を詰む。

 嫌な戦法だ……まるで二人を相手にしてるような感覚だしな……しかし!


「死角をあえて生み出し、そこに攻撃を呼び寄せれば目の前の貴方だけが敵だ!」


 シュンッ! と氷柱を裏拳で壊し、土方さんの剣を弾いて俺はとどめに出た。

 だが、土方さんは無傷だった。


「鞘で受けた?」


「何も剣だけが防御ではないだろ?」


「確かに――ぐっ!」


 鞘での突きをくらうが、俺は反撃の突きに出た。

 その土方さんにヒビが入る。


「氷の人形? 本体は後ろか!」


 背後のそれも真っ二つにするが、氷の破片を散らし飛んだ。

 これも土方さんではなかった!

 不味い!


「真上だ――!」


 ズザッ! とその一撃を浴びた。

 血が舞い、それをミツバとカツラ国王は絶句した顔で見る。

 まだまだ、戦いはこれからだ……その顔をすぐに変える為に俺は微笑む。

 土方さんは嫌な気配の変化に追撃を止めた。

 勘のいい男だ……流石は鬼。


「沖田さんと違って、天然理心流の型は全くと言っていいほど使わぬな。今度は俺の攻撃の番だ」


 平青眼ひらせいがんの構えの土方さんに、俺は攻めた。


清流鬼神流せいりゅうきじんりゅう空覇くうは――」


 シュン! と空気の斬撃が飛び、土方さんは受ける――刹那。

 飛び上がっていた俺は流星の一撃を放つ。


「―ー流星斬りゅせいざん!」


 ズゴンッ! と土方さんにその一撃は決まる。

 砂埃が上がり、拙者は清流刀についた血を払う。

 そして口に溜る血を吐き出し、その砂埃の奥の影を見た。


「……完璧に決まったはずだが、倒れていないか。いや、何か策を講じたな?」


「フン、わかっているなら問うな。連撃をするならせめて三連撃をしろ。総司を超えたんだろう?」


 シュワアァァァ……と広がる砂埃の奥に鬼が居た。その鬼は刀を振るい、その砂埃を払った。どうやら、斬撃を回避出来ない事を悟ると、土方さんは自分から俺の刃に突っ込み、一番日本刀が斬れない部分である

つばの上の部分で攻撃をくらいダメージを減らしたようだ。全く……自分から刃物に突っ込むとは狂った男だ。流石は泣く子も黙る新選組鬼の副長――。ならば、望み通り俺の連撃を見せてやる!


 バッ! と俺は上空に飛び刀を思いっきり振りかぶる。


清流鬼神流せいりゅうきじんりゅう阿修羅空覇斬あしゅらくうはざん!」


 ズバババッ! と無数の空気の斬撃が地上にいる土方さんを直撃する。

 それを刀で受ける土方さんは言う。


「これが貴様の連撃か? メチャクチャに技を撃ってるだけではないか? それが貴様の清流鬼神流かアオイ!」


「安心しろ。ここからが連撃無双の始まりだ」


「!? 真下だと!?」


 瞬間、土方さんの真下に出た俺は叫ぶ。


「清流鬼神流・飛翔斬ひしょうざん!」


 ズバッ! と昇り竜がごとき一撃が土方さんのアゴに直撃する。

 そして、刀を上段に振りかぶり、歯を噛み締め――。


「流星斬!」


 流星の一撃が、土方さんを地面に向けて叩き落す。

 それを追撃する俺は腰を捻り――。


螺旋斬らせんざん!」


 地面に叩きつけられる瞬間、螺旋斬による回転斬りで脇腹を斬る。

 白目を剥く土方さんは後方へ吹き飛ぶ。

 そして、その身体が飛ぶ方向に俺は居合いの構えで待ち構えていた。

 これは土方さんから教わった技。

 元は清流鬼神流にも存在する技ではあるらしいが、土方さんは自分で生み出した技である。

 この居合いで全てのケリをつけてやる――。

 腰を落とし、刀の鯉口を切り、俺は口を動かす。


「清流鬼神流・鬼神光きじんこう!」


 ズバッ! と必殺の居合いが炸裂した。

 これでアオイ・コウケン五連無双は完了する。


「鬼神光は一撃必殺。だが俺には通じんぞアオイ!」


「……!?」


 悠然と、さも当たり前のように土方さんはたたずんでいた。まさか、あの五連無双に耐えただと? 五連無双の最後は決まれば一撃必殺の鬼神光……あれを見切るのは技の体得者でも不可能のはず……。


「どういう事だ? 俺の五連無双は完璧だった。生きているわけが無い」


「そうだな。完璧な五連無双だった。しかし、完璧過ぎるからこそ読めるというのも道理だ。無双とは最後に決め技が来るからな。それに、今の俺には貴様の死角全てが見えるのさ」


「……死角だと? それより、鬼神光をくらって何故生きているか教えてもらおうか?」


「いいだろう。教えてやる」


 すると、全身の刀傷を心の強さで克服するような気迫を見せる土方さんは話す。

 そう、全てはあえて防御に徹して攻撃を受けていた。

 防御に集中し、俺の決め技のみ意識を集中させ、それだけを回避する。

 総合的なダメージは大きいが、死ななければ反撃のチャンスはある。

 と、考えた鬼の作戦。

 王手をかけられながらも、そこから反撃の王手をかける為の反逆劇をこの男はしようとしていた。

 俺が鬼神光を放った瞬間、地面から放った氷柱にて刀の軌道を変えていたのを外したようだ。


「……つまり、貴様の鬼神光だけを意識していたのさ。ダメージは大きいが、これで貴様の五連無双と鬼神光も通じないぞ? 無論、総司を倒した無刀・鬼神光などをさせる隙も与えん。どうするアオイ?」


「……!」


 弟子が師を越えられない……。

 それは無い。

 俺は、新選組最強の沖田総司さんを倒している血ート剣客。

 この世界において、最強の称号は俺なんだ!


「……鬼神光が通じないのはわかった。こうなっては俺も今思いついた技を試すしかないようだ」


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