魔封じの杖とリディア
〇リディア
本名はメイディだが訳あってリディアを名乗っている。生贄になるはずだった妹を庇い、完璧に女装してリディアを装い自身が生贄となりに行くがララ達に救われる。生贄を必要とする大蛇がやっつけられた事は混乱を防ぐためにシズエの里の者には知らせず、妹のリディアがメイディ、兄のメイディがリディアとして生きていく事を強いられる。リディアは自身への侮辱は、妹への侮辱と捉えている。味音痴で料理下手なのに旅先ではよく料理をしたがり、不味いと思われている事に気が付いていない。
シズエの里にて
地震が起きる
ララ「わわっ! 地震だ!」
地震がおさまる。
ララ「おさまったぁー」
コト「この地震は恐らく、大蛇の仕業だろう」
ララ「大蛇?」
コト「うむ、大蛇は3年に1度、コホッコホッ、生贄を欲する」
ララ「生贄?!」
コト「若い娘の生き血を啜ることで、生き永らえてるらしい」
ララ「そんな! 若い娘さんは?!」
コト「もちろん抜け殻となり、大蛇にコホッ、丸飲みにされる」
ララ「ひ、ひどい!」
コト「ちょうど今年が3年目だろう。若い娘を寄越せと地震を起こしているんだ。コホッコホッ、地震は大地を割り、津波を引き起こす。それを避けるには生贄が必要なんだ」
ララ「そんなの、だめだよ!」
コト「だめ、とは?」
ララ「ボクがその大蛇をやっつける!」
コト「大蛇をやっつける?」
ララ「うん、コトも協力してくれるよね?」
コト「私は……悪いが魔封じの杖を優先したい」
ララ「え?!」
コト「私には関係のない事だ。放っておいたからといって、コホッ、私や私の身の回りに危害は及ばない」
ララ「そんな!」
コト「私や私の身の回りが無事であればそれでいい。どこで人が死のうが関係ない」
ララ「…っ!」
ペシン! ララがコトのほっぺたを思い切り叩く。
ララ「最低!」
コト「っ?!」
ララ「目の前に救える命があるなら、ボクは助けたいもん! 例え知らない人でも、死ぬのは悲しい! それが……人間だって信じたいから……信じてるから……」
コト「…………!」
ララ「良いわ、ボク1人で大蛇をやっつける」
コト「…………ま、待ってくれ……」
ララ「?」
コト「その……目的を達成するまでは、行動を共にした方が良い……だから私も行く」
ララ「目的……目的ね……分かった」
コト「……ララ殿、すまない。私はこういう人間だ……コホッ、ただ、1つ訂正させて欲しい。どこで人が死のうが関係ないと言ったが…………人が死ぬのは…快くはない」
ララ「……」
コト「……」
ララ「ほら、魔封じの杖の在り処も探すんでしょ。大蛇の事と両方について調べるわよ!」
コト「うむ」
シズエの里を探索
A「今年の生贄が、まさかリディアちゃんだなんて。あんなにいい子が」
B「魔封じの杖? なんだそれ。美味いのか?」
C「生贄にする若い娘はもうリディアちゃんしかおらん」
D「なぁ知ってるか? 生贄を逃れるために村から離れた奴は、村の総員で捕えられるらしいぜ」
E「おお若い嬢ちゃんだ。今じゃ誰も怖がって近づかんこの村に、一体何用で来たんじゃ?」
ララ「魔封じの杖って知ってますか?」
E「はて、魔封じの杖とな……確かそんな言葉が書いてある文献をどこかで読んだのぉ……どこじゃったかのぅ」
E「おお、そうじゃ! マーマレードさんのお屋敷で読んだの」
ララ「ありがとうございます」
マーマレードの屋敷に向かう。
すると少年Aが立ち塞がった。
少年A「何か用?」
ララ「あっ、あの、実はこのお屋敷に、魔封じの杖について書かれた文献があるって聞いたんだけど」
少年A「その文献を読みたいんだね?」
ララ「うん……」
少年A「……」
ララ「……」
少年A「お姉ちゃんはともかく、後ろのお侍さんは腕が立ちそうだね」
コト「?」
少年A「ねぇ、ぼくの頼み聞いてくれるなら、その文献見せてあげてもいいよ」
ララ「ほんとに?! ありがとう!」
少年A「こっちだよ、着いてきて」
少年Aに案内されて、本棚がたくさん置かれている部屋に案内される。
少年A「好きに探すといいよ」
本棚を物色し、魔封じの杖について書かれた本を発見する。
『魔封じの杖……その杖はあまりにも強力で、この地に封印する事にした。その地をシズエの里と名付け、魔封じの杖を聖獣に守らせる』
ララ「なるほどね……聖獣を探せば良いのか…………聖獣って何?」
コト「聖獣というのは麒麟や、コホッ、鳳凰の事だろうか」
ララ「キリン? ほーおう?」
少年A「お姉ちゃん達、そろそろぼくの頼みを聞いてくれるかな?」
ララ「あ! そうだったよね! ごめんごめん。どんなお願いごと?」
コト「一応言っておくが、限度も弁えておくれよ?」
ララ「コト、難しい事言わない」
コト「ふっ」
地震が起きる。
ララ「うわっ、また地震!」
地震が止む。
少年A「まずい、時間がない」
ララ「時間がない? どういう事?」
少年A「お兄ちゃん………」
ララ「ん?」
少年A「お兄ちゃんを、助けて!!」
ララ「お兄ちゃん?」
少年A「お兄ちゃんが、生贄として連れてかれちゃったの!」
ララ「えっとちょっと待って? 生贄って娘って聞いてたけど」
少年A「ほんとは私が生贄になる予定だったの! 私はリディア! 女よ! ……今はメイディで男で通ってるけど」
ララ「えっと…つまり……あなたのお兄ちゃんが娘として生贄にされるってこと?」
メイディ「そうなの! お願い! お兄ちゃんを助けて! この村から連れ出して!」
ララ「もちろん、助ける! 助けるよ!」
メイディ「ありがとう! でもお姉ちゃん弱そうだから、お侍さんに頼まないと」
コト「ん?」
メイディ「お侍さん、お願いします。どうかお兄ちゃんを」
コト「……」
ララ「……」
コト「……うむ、任せるといい」
メイディ「ありがとう! それじゃお願いね!」
シズエの里の外れにある森に入る。
A「大蛇様、大蛇様、生贄の若い娘をお連れしました。どうか怒りをお鎮めくださいませ」
B「お鎮めくださいませ」
C「お鎮めくださいませ」
D「お鎮めくださいませ」
少女A「……」
大蛇「ぐおおおおおお!!!!!」
A「大蛇様のお出ましだべ!」
B「早くズラかるべぇ!」
C「おう!」
大蛇が姿を現す
大蛇「ぐおおおおおお」
少女A「…っ!」
ララ「待ちなさい!」
少女A「?!」
ララ「大蛇、天に召されろ! はぁ〜ジェラ!」
大蛇「ぐおおおおおお!」
少女A「何をなさるのですか! そんな事をしては」
大蛇「ぐおおおおおお!」
大蛇と戦闘になり、勝つ。
少女A「まさか……大蛇様を斃すだなんて」
ララ「大丈夫でしたか?」
少女A「あなた方は?」
ララ「ボクはララ。見ての通り、魔法使いだよっ」
コト「私は倭国の武士、コホッコホッ、コトという者だ」
少女A「あの、助けて頂き感謝致しますわ」
コト「ララ殿、見てくれ」
ララ「あ!」
空から魔封じの杖が降りてくる。
ララ「もしかして、これが魔封じの杖かな?」
コト「聖獣とは大蛇の事だったのか」
少女A「あの私、何が何だか」
ララ「あ〜ごめん! 今から説明するから」
フェードアウト、フェードイン
少女A「なるほど。それで魔封じの杖を探していらしたんですわね」
ララ「うんうん」
少女A「それでしたら、私がきっとお役に立てますわ」
ララ「え?」
コト「どういう事だ?」
リディア
少女A「申し遅れました。私、メイ……じゃないリディアと申しますわ。魔力感知を得意としていましてよ」
ララ「魔力感知?!」
リディア「きっとララ様の御友人も、コト様の連れ戻したい方も、探せるのではないかと思いますわ」
コト「ほんとうか?!」
リディア「はいですわ」
コト「どうやって探すのだ? 具体的には? 今すぐやってくれ!」
リディア「そ、そんなに肩を揺さぶられては話そうにも話せませんわ〜」
コト「ああ、すまない。つい……コホッコホッ」
ララ「もう、コトったら……焦る気持ちも分かるけど……」
コト「……」反省
リディア「探せると言いましても、強い魔力の痕跡や反応くらいですわ。大体の位置は当てられますわ。探したい魔力の痕跡がある場所に、私を連れて行ってくださいまし」
ララ「魔力の痕跡のある場所……それなら、ボクとコトが初めて出会ったあの場所で、リザイアと戦ったから、あそこが良いんじゃないかな。ねぇ、どう思うコト?」
コト「うむ、確かにあの場所ならば、コホッコホッ、くっきり魔力の痕跡が残っているだろうな」
リディア「ではそこに案内してくださいまし」
ララ「分かった!」
リディアが仲間になる。リディアは癒術師として使える。
シズエの里の北の森の入り口に到着。
コト「コホッコホッ」
リディア「あの……」
コト「ん? 何だ?」
リディア「その……お聞きしていいのか……」
コト「私に対して臆することはない。コホッコホッ、武士と言っても、今は破門された身だ」
リディア「そう…ですか。ではお聞きしますが、コト様の咳って……」
コト「ああこれか。コホッ、ただのコホッコホッ、風邪コホッコホッコホッ」
ララ「ちょっと、コト大丈夫?」
コト「……大丈夫だ。これはただの風邪。気にするな」
リディア「そう……ですか…」
ララ「……」心配そうに
リザイアと争った、森の開けた場所に到着。
リディア「では、始めますわよ」
リディアの周りが光る。
リディア「感知出来ましたわ」
コト「ほんとうか!」
ララ「それでそれで!」
リディア「反応が7つある様ですわ」
ララ「な、7つ?」
コト「リザイアは1体だ。7つも反応がある…コホッ…という事は、他6つは偽物だろう」
リディア「1番近い反応は…………ダルム王国ですわね」
コト「よし、ダルム王国に向かうぞ」
ララ「ちょっと待って、ダルム王国ってどこなの?」
コト「そうか、ララ殿はゲートを通ってきたんだったな」
リディア「ゲート?」
コト「うむ、ララは別世界からコホッコホッ来たようだ」
リディア「そうなんですのね」
ララ「うん。それで、ダルム王国はどこなの?」
コト「コホッコホッ、この森を北に抜けると村がある。更にそこから西へ行くと…コホッ…ダルム王国だ」
ララ「分かったわ。じゃあ行きましょ」




