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怪物達の狂想曲〜彼方の獣達は電脳の夢を見るか〜  作者: 泥陀羅没地
第三章:魔人と魔女と人街の悪夢
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四方の門は破られて、王たる獣に生贄は捧げられん

本日の投稿。


最近2本目を描こうとすると気力が、残っていない作者です…ごめんよ。


今日こそは2本目を投稿したい所存…タ◯ピー、執筆意欲をブチ上げる道具、出して。

――カランッカランッ!――


「チッ…面倒臭い」

「アナタを放置すると、面倒だから」


ヴォルフが迫り来る悪霊を交わし、門を食い破り広がる魔獣を蹴散らして行く…そんなヴォルフを、悪霊の主たるチサトが妨げ、【兵士】達を街に送り込ませてゆく。


――ガッ!――


「グエッ!?」


――ブンッ!――


入り込んだ魔獣を掴み、無造作にチサトへ投げ付ける…しかし、そんな攻撃もチサトは平然と対処し…その鈴を強く揺らす。


――カランッ!――


その瞬間投げ飛ばされた魔物の肉体は霊体の不可視の爪によって引き裂かれ、血が飛び散る。


「――無駄…所詮魔術を使えなければ、私の〝眷属〟は突破出来ない」

「……」


チサトがそう言う側で、引き裂かれた獣の身体から〝白い靄〟が立ち込める…ソレは、鈴の音に合わせてその姿を蒼白い〝猟犬〟に変化し…チサトの前に立ち塞がる。


「――何度やろうと、結果は変わらない…諦めて」


――カランッ!――


そして、チサトは一際強くその錫杖を地面に突き付ける…その音と、鐘に込められた強い魔力が…青白い霊体達へ主の命令を告げる。


――ズオォォッ!――


その瞬間、〝蒼い亡霊〟達は皆弾かれる様にヴォルフへと飛び掛り…ヴォルフは、迫り来る〝邪魔者〟に、小さく舌を鳴らし…迎撃しようとした…その刹那。


――ズドドドドッ――


「「ッ!?」」


空から差し迫る、大量の炎の弾丸が霊体の怪物を撃ち抜いてゆく。


「ッ――〝アルス・アスクレス〟…!」


空を見上げる〝悪霊〟は見た、己を射抜く〝虹の魔力〟を持つ白梟を。


――ドッ!――


「ッフン…!」


そんな、悪霊の動揺の合間を大地を掛ける〝黒狼〟は見逃さない…地面を踏み締め、強靭な肉体を駆使して喰らいつくのは…彼女の〝心臓〟…。


――ズオォッ!――


「ッしま…!?」


ヴォルフの一手に、漸く我に返ったチサトはそう言い…自らの過失に気付く…しかし、気付いた頃には既にヴォルフの鋭い爪が突き出され…その一撃はチサトの胸を貫こうと迫る…。


――ブンッ!――


そして…〝亡霊の指揮者〟は…一度の脱落を期する――


「――っぶねぇ!?」

「「ッ!?」」


事は無かった。


――ザザザザザァッ――


ヴォルフの貫手が虚を貫き、大地を削る様な音を立てて、〝乱入者〟はチサトを腕に抱える…。


「ふぅ…ドクターの野郎が急にどっか行きやがったから追ってみりゃ案の定…危なかったなぁチサトォ!」

「…シュテン」


其処に居たのは、一匹の鬼…金色の眼を血で染めながら牙を剥いて笑う…その出で立ちに、チサトは呆けた様にそう言い…シュテンを見る。


「――ん〜――ヨシッ!…チサト、お前ドクターを殺せ、オレじゃあんにゃろうに攻撃が届かねぇ」

「ッ…了解…シュテンは――」

「応よッ…〝犬ころ〟はオレが相手する」


二人は立て直しつつ、戦闘に備える…そんな二人に相対するヴォルフもまた、同じく此方にやって来るドクターへ目を向ける。



――バサバサバサッ――


「良い所に来た、アルス…丁度お前の所に向かっていた」

「嗚呼…視えていたよ…随分と苦戦していたらしいねヴォルフ君」


二人は軽口を交わしながらも、粛々と情報を共有し…目の前の〝敵〟に身構える。


「――〝北門〟も破られた、残る関門の〝東〟も直に破られてしまうだろう」

「…急ぐか」

「嗚呼…〝彼女〟は私に任せ給え、君と相性が悪いのだろう?」

「嗚呼…なら、あの〝鬼〟は俺が相手取る」


――ゾッ!――


そして、4人は互いに睨み合い…今まさに一触即発の空気が立ち込める…そして。


――『ドゴォォォンッ!』――


遥か遠く…何処からか轟く〝轟音〟を合図に…魔獣と聖獣のタッグマッチは幕を上けた。



●○●○●○


――バキッ!――


「ウオォォォォォォラァッ!」


地面を踏み砕き…レリックがその刃を振り下ろす…アークの魔力によって〝強化〟された肉体は…黒曜の鱗を持つ大蜥蜴の身体を斬り裂く。


――ザシュッ!――


「ダァッいってぇ!?――クソったれが!」


寸前でファニルは自らの身体を収縮させ…致命傷を避ける…そして、返す刀に己の口から炎を吐き出し、レリックへ反撃する。


――ゴォッ!――


「グゥッ!?」

「レリックッ!?」

「――オォォッ!」


反撃の炎は、レリックの顔を焼き焦がす…その熱は刺すような苦痛と身悶えする程の熱で皮膚を蝕み、肉を侵すが…レリックは半ば獣染みた慟哭と共に…振り下ろした大剣を手放し…拳を強く握る。


――ドゴォッ!――

――バキッ…!――


「「グゥゥッ…!?」」


互いに引かない攻防は、その瞬間…レリックの放った拳の一撃によって、引き剥がされる。


――ザザッ!――

――ドッ…ズゥゥンッ…!――


「ハァ…ハァ…ハァッ…」

「ハッハッ…どうしたよ〝人間(レリック)〟…もう限界かぁ!?」


ファニルの身体にも…限界が来ていた…いや、元より限界には達していた筈だ…聖獣と人間の〝主力〟の2人を、幾らタフネスに特化したとは言え1人だけで此処まで抑え込んだのだから、ガタが来ていない方が可笑しい…しかし、ファニルは既に限界にまで酷使し、全身に夥しい〝状態異常(デバフ)〟を食らいながら…その目には依然、凄まじい〝戦意〟を滾らせていた。


――ゴゴゴッ、ゴゴゴゴゴッ!――


「――俺ァまだまだ元気一杯だぜッ!?…2人掛かりでこんな様たぁ情けねぇなぁオイッ!」


なけなしの魔力を、すべて注ぎ入れ…ファニルは自身の肉体を〝巨大化〟させる…最早、これ以上…〝小細工〟を使う気は無いと、言う様に。


「――ッ…!」


そんなファニルの殺気に、レリックは即座に己の大剣を掴もうと身体を動かす…しかし。


――ドサッ!――


「――グッ!?」

「レリック…!」


その瞬間…膝から倒れ込むレリックの姿に…アークは焦りの言葉を口にする。


「クソッ、回復が追い付かない…!」

「クソが…あともうちょっとだってのに…こんな時に…!」


――ズゥンッ…ズゥンッ…!――


「――ソッチももう、打つ手無し…って所か?」

 二人を見下ろす大蜥蜴は…そう言い…ただレリックを見下ろしながら…言葉を送る。


「――んじゃあ、殺すぜ〝レリック〟…テメェの事は記憶しといてやんよ――!」

「ッ…退け、〝アーク〟…二人まとめて死ぬ必要はねぇ…!」


そして、ファニルはそう言い…レリックへの止めに…その大口を開き…その肉を喰らおうとする。


「ハハッ……最悪な〝最後〟だなぁオイ…」


レリックは、相方のアークを投げ飛ばしながら…迫り来る〝牙〟を前にそう自嘲気味に笑うと…その目に、己の生きた人生の記録を幻視する。


「……悪ぃな兄弟…先に逝くぜ」


そして…レリックは…自らの運命を受け入れた。








『〝聖剣よ、我が爪となれ〟』



しかし、その定めに、異を唱える者が…居た。

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