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怪物達の狂想曲〜彼方の獣達は電脳の夢を見るか〜  作者: 泥陀羅没地
第三章:魔人と魔女と人街の悪夢
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路地裏の恐怖

毎日投稿良しッ!


仕事がなければもっと時間に余裕が出来るんですがね…一生物語を作るだけで生きられたらなぁ。

――「〜〜♪」――


湿地に、草原に、岩場に、荒野に…酷く愉しげな鼻歌が、駆け巡る。


「〜〜♪」


――ザッ、ザッ、ザッ、ザッ♪――


鼻歌の主は、終始御機嫌に歩を進ませ…自らの存在を広くに解き放つ…まるで、隠れ潜むつもり等無いと言う風に。


その存在感は凄まじく…本来ならその地に住まう魔物達の、その殆どが気配に充てられ逃げ帰る筈だった…そう、〝本来〟なら。


――ザッザッザッ…――


「――フフッ♪」


声の主…怪しげな妖婦が笑みを深める…自らの顔に、腕に、腰に、脚に注がれる…情熱的な〝殺意の視線〟に晒されながら…。


――ガサガサッ――

――ズル、ズルズル…――

――ブブッ、ブブブブッ――


彼女の瞳が閉ざされ…無防備にその場に立ち尽くした…その瞬間、絶好の好機に獣達が飛び掛った…その瞬間。


――〝クスッ♪〟――


そんな、嘲笑の混じった小さな笑みが響き…〝華やかな餌〟に釣られた大馬鹿者達は…その腸を引き裂かれ、血の海に沈んだ…そして。


――グチュッ、ゴクッ…バリッ…ゴクンッ――


血と死が染め上げる大地の上には…たった1つの〝咀嚼音〟だけが響き渡るのだった…。




●○●○●○


沼毒蛙(マッド・フロッグ)の模倣がアンロックされました!》


「――…フフフッ…いやぁ順調順調♪…この辺りの雑魚は粗方〝模倣〟出来る様になったわね♪」


湿地の魔物を捕食し…その場を後にする。


――――――

【解析済み魔物一覧】

・角兎

・森護鹿

・突撃猪

・小鬼

・小鬼弓使い

・小鬼剣士

・小鬼――

………

………

………


疫毒虫(ヴェノム・セクト)

肉裂虫(バイツ・センチピード)

沼大蛙マッド・ビッグフロッグ


――――――


開くのは、〈生物変形〉の〝捕食記録〟…其処には数十種の魔物が列を成して並べられ、其々の性質が、その項目の奥深くに刻み込まれている…此処まで来ると、自身で中身を確認する事も難しい。


「とは言え、大いに越したことはない……いやぁ、想定より早く終わって良かった♪――それもこれも全部――」


とは言え、私は達成感に満たされながら、同じく〈生物変形〉の…一日前に獲得したその能力に目を通す。


――――――

〈戦技:肉体改造〉

能力系統:任意発動


自身の肉体の強度を自由自在に操作する戦技…下方改造には魔力を消費せず、上方改造には相応の魔力を消費し、一時的な能力の増強が出来る。


――――――


「――〈肉体改造(コレ)〉のお陰ね♪」


この戦技のお陰で、今まで自分から追い掛けないとだめだった格下との戦いが逆転し、向こう自らが私を狙いやって来る…そして、間合いに入った瞬間、自身の肉体を元の状態に戻す事で、相手が気付いた時点では、もう手遅れと言う盤面に持っていける…。


「肉体の強化もお手の物というまさに素晴らしい戦技…コレからも沢山役に立ってもらうわよ♪」


新たな力に私はそう言い、街へ向かう…その時。


――カタカタッ!――


不意に、私の腰に付けていたコンパスが揺れ…私にその存在をアピールする。


「ッ!…何かしら〝コンパス〟…アナタを起動した覚えは無いけど?」


私がそう言うと、〝ソレ〟はカタカタとその身体を揺らしながらコンパスの針を〝ある方角〟へ差し向ける。


「――〝街〟に何か有るの?」

『カタカタカタッ!』


その方角の先には、私が向かっていた〝ニュートの街〟が建っていた…ソレに、私がコンパスへと問うが、コンパスはソレにカタカタと強く震え、肯定を示す…どうやら確かに、〝コンパス〟は何かを示しているらしい。


「……もし裏切ってたら承知しないわよ?」

『カタカタッカタッ!!!』


そんなコンパスの指示に、私は逡巡の後…危険への警戒よりも好奇心が勝り、コンパスの指示に従う…まぁ、裏切られたらその器ごと握り潰せば解決するし…よしとしましょうか。



○●○●○●


一方その頃、マオと離れ…ニュートの街のチンピラを脅し、契約を結ばせていたレイナは…薄暗い街道の中を静かに進んで行く。


「――違反の懲罰を絞るのはメリットと同時にデメリットにも成り得ますね…まさか、両目を潰されると懲罰が無効化されるとは思いませんでした…」


そう言い、自身の手に付いた血の汚れを拭き取りながら…先程の〝光景〟に、安堵と失望の混じった溜息を吐く。


「ハァ――相手がまだ大した実力を持たないチンピラ集団で助かりましたね…火元が燃え上がる前に消火できたのは良かったです…まぁ、折角の〝収入源(経験値)〟の一つが潰れましたが、いや…〝実験〟としての試みと言う事も考えれば、充分な成果ですね」


そうして、少女レイナは落ち込んでいた自身の機嫌を切り替えながら前を向くと…その時ふと感じた視線に空を見上げる。


――〝ジッ〟――


其処には、無数の鴉達が立ち並び…そのほぼ全てが不気味な程静かに、同じ姿勢で少女を見下ろす…その整列された不気味な〝一体感〟と…明らかに異様な視線の集中に…レイナがふと…胸にざわつきを感じ…裏路地から抜け出そうとした…その時。


――〝ザッ…ザッ…ザッ…〟――


裏路地の〝分岐路〟…右と左へ別れたその道の中心に…〝人影〟が現れる…。


「ッ――!」


その姿に、少女は瞠目し…同時に強く緊張を覚える…それも無理は無い…何故なら、其処に居る〝人影〟の姿形は…何時ぞやの夜に見た、あの不気味でチグハグで薄気味の悪い〝謎の何か〟と…全くの同じだったのだから。


その存在に、レイナは直ぐに動き出す…今度は迷うこと無く触媒を構え…その魔力を使い〝魔術〟を構築し始める…。


「――〝爆炎球(ヒート・ブラスト)〟!」


そして、躊躇い無く構築した魔術を〝ソレ〟へ向けて放つと…その魔術はその瞬間…轟音と炎を巻き上げて、その〝何か〟へ直撃した…。


――ゴォォォッ!!!――


炎は球状の抑圧から解かれ、思い思いに路地裏を巡り、大地を壁を燃やしてゆく…その中心に〝人型の陽炎〟を生み出し…そして、その〝人型〟が動く気配の無い事を確認すると…少女の顔に安堵が宿る…。



――ブブブッ!――


そうして、少女の視線が煌めく炎に釘付けにされていると…ふと、少女は確かに…その耳に〝何かの羽音〟を聞き…振り返る…すると、その瞬間…彼女の目の前には、信じられない光景が広がる……其処には――。


――ズオォォッ――


路地裏の暗がりから…少女へ向けて伸びる、〝黒い腕〟が現れ…今まさに彼女の顔を掴まんとしていたのだから。

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