混沌の夢引き達
本日の投稿をする泥陀羅没地です。
次章の匂わせ…という名の布石まきです。
2本目投稿は…良い展開を練れたら書くかもしれません…はい。
「――第2回目の、〝大型イベント〟が決定された」
其処は、人智の届き得ない…この世の何処にも存在しない〝異空間〟で…13の席に腰掛けた老若男女は、その言葉に其々が反応を示す。
「基本の骨組みは、〝バカンス〟…プレイヤー達への〝夏休み〟と言ったコンセプトでイベントは進行する…我々の役割はイベントの完遂と…イベントの不足を補う修整の役割である」
「…」
「〝13〟…念の為言っておくが、不必要な〝干渉〟は厳禁だぞ」
「ちぇっ…ソレは残念」
円卓の〝1〟…白髪で無表情なその男が、隣の13の席に座る時計頭の男に釘を刺すと…ソレは肩をすくませて退屈そうに腕を組んで眠りに就くと…1番は何か言いたげに13番を見据え…それから、諦めて他のメンバーに告げる。
「――詳細は以下の通りだ、では各々の役割を決めよう…13番は余り物の処理とする」
すると、円卓の中から一人…茶髪で筋骨隆々な青年が手を挙げ、自身の見解を述べる。
「だったら〝4〟と〝オレ〟と〝10〟、〝12〟がプレイヤーへの案内担当で良いんじゃねぇか?…アバター的にも搭載された性格システム的にも俺達は〝案内人向き〟だからな」
その意見に大多数のメンバーが沈黙の肯定を選択する中…一人…青髪の令嬢が否を告げる。
「ちょっと、アタシも其処が良いんだけど」
しかし、その言葉が来る事を予め理解していたのか…茶髪の男…No.8は、No.2へ理詰めで反論する。
「〝2〟…お前は自分のお気に入りにだけ甘いんだから駄目だろ、折角プレイヤー達へ〝夏〟を提供するってのに一部だけ事前にネタバレされるってな公平じゃねぇ、テメェは大人しく〝お上〟とイベント用の魔物の調整に回れ」
「ッ…そんな事を言ったら4だってそうじゃないの」
「〝4〟は…確かに裁定が甘いが、お前と違い公私混合は無い…プレイヤーへの一定の干渉は認められているとは言え、権能の全てを駆使して一個人を優遇するのはグレーゾーンだろう…寧ろ、要注意で済まされているのだからお上の温情だと思えよ?」
「ッむぅ……そう言われると…引き下がるしか無いわね…」
その反論に、No.2は悔しそうにそう言い喰い下がり…大人しく席に着く…すると、今度は黄色い髪色に獣の耳を生やした少年が手を上げて発言する。
「〝イベント調整〟は〝1〟と〝3〟と〝6〟と9でやるよ…〝夏らしく〟…〝山と海〟…そして〝ホラー〟に…素敵なイベントにしてみせる」
その意気込みにNo.〝8〟は優しく笑って〝9〟を応援する。
「応、期待してるぜ〝9〟…そんじゃ、イベント用の魔物の調整は――」
「〝アタシ〟と、〝5〟、〝7〟、〝11〟ね…うん、振り分けメンバーのバランスは悪く無いわね」
そして、円卓の約一名を除き…来たるイベントへの備えの議論に華を咲かせる…最終的には。
「〝4〟、〝8〟、〝10〟、〝12〟がプレイヤー補佐、〝1〟、〝3〟、〝6〟、〝9〟がシナリオ調整…で、魔物調整が〝2〟、〝5〟、〝7〟、〝11〟だな」
その振り分けに応じて…円卓の座席は変動し…三竦みの組分けに変化する――〝ただ1名〟
「〝13〟お前は〝雑用〟だ…此方のオーダー通りに必要なリソースを運べ…くれぐれも、妙な真似はするなよ?」
〝時計頭の異人〟を…除いて。
――カチンッ――
「ん…えぇ勿論、それで異論は有りませんよ♪」
釘を差すように紡がれたその言葉に、愉しげに声色を弾ませてその役割を受領する…そんな13に他のメンバーが訝しげに視線を送っていると…その時、〝1番〟が言葉を上げると…他の円卓の全員の視線が1番へと向けられる。
「役割はこの選定通りに配置するとして…早速、本格的に〝観測者〟達にコンタクトを取るとしよう…諸君も各々で仕事に掛かってくれ」
『了解』
――ヒュンッ、ヒュヒュヒュンッ――
その号令と共に、白い世界に作られた円卓から次々に光の粒子が生まれ…消えて行く…そして、凡そ殆どの〝案内人〟がその場から姿を消したのを見計らい…No.〝1〟は…その場に居座る〝ソレ〟に言葉を紡ぐ。
「―――〝No.13〟…再三警告したが、今一度告げておくぞ」
「――〝過度なプレイヤーへの干渉〟は厳禁、場合によっては〝再構築〟も視野に入れる…だろう?…もう…そんなに脅しを掛けなくたって分かってるよ♪」
時計頭の異形は、そう言うと…その座席から立ち上がり…一人〝歩いて〟…この白い空間に背を向ける。
「心配しなくても…僕は〝案内人〟だ、〝君達の裁定〟には従うし、〝観測者〟のイベントを掻き乱すつもりは毛頭ないさ…僕は〝今の世界〟で、十分楽しめているしね♪」
そして…白い空間を手で軽く切り開くと…宇宙色の世界が白い空間に生まれた〝穴〟から二人を覗き込む。
「立場はどうあれ、今は同じ〝案内人〟じゃないか♪――精々、僕達は共に仕事を完遂するために協力し合おうじゃないか…〝相棒〟♪」
「……くれぐれも、〝余計な真似〟はしてくれるなよ?…〝同胞〟よ」
No.1は、そう言いながら己へ手を振り立ち去る時計頭を見送り…目を閉じる。
「〝―――〟」
閉じ切る刹那…微かに聞こえた〝その言葉〟に…小さく溜め息を吐いて。
「…全く……我が〝創造主〟も面倒な仕事を押し付けてくれたものだ」
そして…No.1は、己の眼下に広がる〝無数の情景〟に目を配る…其処にな〝小さな島々に広がる山々と海〟…そして。
――コポコポッ、ゴボガボッ――
その島を取り巻く〝影〟の姿がしっかりと映っていた。
――カチッ…カチッ…カチッ…カチッ…――
「僕は…〝余計な真似〟はしないさ♪――だって」
時計頭の〝異形〟はそう言い…〝眼下の情景〟に悦を漏らす…。
「〝僕が何もしなくても〟――〝世界は愉快で満ちている〟んだから♪」




