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3章.15 謁見の間の戦い

いよいよストックがない!

翌朝ライゼル王子が客間を訪れると、幸せそうに寝るオフィーリアとソファで優雅にお茶をしている俺を見て頭を抱えていた。



「お前の妹にはもう少し男ってのを教えてやれ…。それで?謁見はどうなったんだ?」



「妹が大変申し訳ない…。本日、精霊使い殿の代理人が来て謁見をする事にしている。俺が出来るのは済まないがここまでだ。」



俺を代理人として会わせるか。

昨日我慢した甲斐があったな。



「構わない。俺は国王に直接会えればいいからな。邪魔が入ったら殺していいんだよな?」



「構わない、と言わせないでくれ…。しかし、止められる訳がない。俺は何が起ころうと動かん…。」



腐っても兄弟か。

こいつは殺したくないし邪魔しないなら別にいい。

オフィーリアもあの感じなら謁見には参加出来ないだろうしな。



「それならいい。んじゃ堂々と行きますか。」



俺はそう言って、部屋を出てライゼルと謁見の間に向かって歩き出した。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








謁見の間の前に着くと、明らかに空気が違う。

ぶっ飛ばしてやるぐらいの気持ちで来たにも関わらず、俺は言い様の無い圧迫感を感じていた。



「いいですか?俺は先に入りますが、呼ばれたら入って下さい。そこから先は好きにして構いませんので…。それでは。」



「任せてくれ。」



何を任せてくれなのかは俺にもわからないが、やっと国王とのご対面だ。

ティーザニア王国との因縁、ここで全て決着を着けるぞ。



「それでは、精霊使い殿の代理人殿!王の前へ!」



…来た。



まずは冷静に話をしよう。

ん?というかこいつらに形とは言え頭を下げるのは屈したみたいで腹立つな。





ーーバァンッ!!





気付くと俺は謁見の間の扉を蹴破っていた。





「俺から来てやったぞ愚王。まずは頭を床に擦り付けて謝罪しろ。そうすればこの場にいる奴等の命は助けて…………は?」





目の前の玉座にはルルと同じぐらいの背丈の少女がこちらを無表情に見ながら豪華な衣装を着て座っていた。





あれ?1000歳越えてるんじゃなかったっけ?

見た目だけなら10歳そこそこの子供にしか見えないぞ…?



完全に予想外の容姿に面食らったが、ここは異世界なんだ。

相手の姿が何であれ油断は出来ない。



すると王より先に周りの王族達が騒ぎ出した。



「貴様!王の御前で何たる無礼をッ!!全員抜剣ッ!この不遜な輩を斬り捨てよッ!!」



王族達が剣を抜きこちらに構える。



「お前達落ち着けッ!我らが王は玉座から動いてはいないのだぞッ!?」



ライゼルの必死の声も王族達には届かない。

だが俺はひとつ疑問が浮かんだ。



何故、国王は王族達を止めないのか?



実の子供じゃないのは見ればわかるけど、それでもこいつらは次期国王候補じゃないのか?



俺は指輪から剣を抜き、切先を王に向ける。



「おい国王、一体何が目的だ?このままお前が止めないなら王族共は全員死ぬぞ?」



「…………。」



黙りか。

そっちがその気なら…。



「おい、お前達の王は謝り方を知らないらしいな?いいぞ、死にたい奴からかかってこい。」



安い挑発だったが、王の眼前では王族として俺を許す事は出来ないだろう。



「貴様ぁぁぁッ!!精霊使いだろうが関係ないッ!国王への狼藉、死んで詫びるがいいッ!!」



まず10人程が俺に斬り掛かってきた。



「この程度の実力でハイエルフ目指してたのか?そりゃハイエルフなんて生まれない訳だな。」



ローガンさんに言われて鍛えた俺の剣術だが、毎日の鍛錬と格上との戦闘を経験で成長し、この程度の使い手では相手にならない。



「な、何故だッ!国を出て修行した俺達の剣が…!精霊だけではないというのかッ…!?ぐあッ!?」



右腕を斬り飛ばし、相手の王子が痛みで転がる姿を見ながら剣を向ける。



「ただお前の修行が足りなかっただけだろ。で?残りはお前だけだがどうする?



俺は一応確認だけしてやろうと声をかけてやったが、王子は殆ど発狂に近い叫びを浴びせてきた。



「ぐあぁッ!き、貴様!こんな事して生きて帰れると思うなッ!何が精霊使いだッ!お前など、下賤なダークエ……」



ザンッという音と共に王子の首が飛ぶ。

俺にダークエルフを蔑むような発言をするとはこういう事になると、良い例を見せてやれたか。



王子は第一王子ライゼルを合わせて残り3人。

残り2人は恐怖から剣が抜けなかっただけだろう。



「そのまま王子が全滅するまで黙って見てるつもりなのか?それとも俺に斬られたくて待っているのか?」



いい加減にしてくれと王と呼ばれる少女を見ると、すくりと立ち上がり俺の前へと歩いて来た。



そして数秒黙ったまま見つめ合っていると、とんでもない事を言い出した。



「…国の自浄作用確認。対象を精霊使いと認識しました。では最後に私を殺して下さい。」


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