3章.2 第八王女の苦悩
マイページに自分のXアカウントを載せましたが、ずっと続きを書いてるのでたまにボソッと呟くぐらいです。
世界樹の周りに広がる雄大な樹海。
その聖なる森の中にあるエルフ族の国が存在する。
その名は『ティーザニア王国』
その第八王女として私、オフィーリアは生まれた。
ティーザニア王家は代々、国王はハイエルフであり、その子孫は優秀な力とハイエルフへ至る資格を有している。
そう、種族進化だ。
エルフの誰もが種族進化を出来る訳ではない。
世界樹様に認められ、相応の格になった時にハイエルフへと至るらしい。
なので王子達は格を上げる為に各地へ出かけ、ダンジョンや魔物を討伐し、己がハイエルフへと至るため研鑽を続ける。
エルフの寿命は長い為、他の種族より成長速度は遅いと言われている。
その為、現国王が受け継いで以来、800年は代替わりが行われていない。
国王は優秀過ぎた。
800年もの間、平和な時間を過ごしてきた国民は何も考えない。
いや、考える事を辞めたのだ。
世界は移り変わり、思想も時代で変わる。
しかし、この国の中は800年前と何も変わらない。
故に誰も意見する事は出来ない。
例えそれが間違った道であろうと。
その錆び付いた思想に私は疑問を持っていた。
かつて、1人の王子が反旗を翻し、王族達を捩じ伏せて国を出たという話がある。
勿論これは王族にしか伝わっていない話だが。
私はその方の様に動く事が出来るだろうか?
いや、今の何も力がない私には到底無理だろう。
歳もまだ100歳にも至ってない未熟な私じゃ何も変える事など出来ない。
しかし、いつかは…。
そう考えている私に、ひとつの情報が入った。
「精霊使いを持つエルフが現れただと…!?」
精霊使い、それは精霊と意思疎通を交わす事が可能なエルフにとっては神の代弁者。
我々エルフ族の神とは世界樹の精霊。
即ち、その精霊と意思疎通を交わせる精霊使いとは、精霊信仰が根強く信じられている我々にとっては人族の聖女と同じの存在なのだ。
しかし、現国王が受け継いでから現在までの間に現れた事はなかった。
そしてそんな者が国外に現れたとなると、この国がやる事は容易に想像がつく。
「国王は必ずこの国に招待、いや、脅迫や拉致も辞さないだろうな…。」
他種族や王族以外を下に見る国王は必ずやるだろう。
その者の意思など興味も関係もない。
このような国に来て、その者は幸せと言えるのだろうか…。
「私でも出来る事、か…。」
そう独り呟き、私は考える。
しかし、何の力も持たない第八王女の私にはなす術は無い。
多少、剣の才には恵まれたが、日々ハイエルフに至る為に己を磨く王子達には敵うはずがない。
「本当に、嫌になるな…。」
自己嫌悪に陥りベッドに飛び込む。
所詮、私は飼い殺しの檻の中の鳥なのだ。
王族の女は国を出る事を許されない。
それに、他国との関係を絶っているこの国では政略結婚すらない。
なので、遠縁の王族との婚姻を強制されない限りは王城にて死ぬまで暮らす。
長命の種族に生まれた事を私は悔やんだ。
人に生まれればもっと自由に、もっと濃密な生を送れたかもしれない。
私はエルフが嫌いだ。




