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3章.1 春の訪れ

3章突入!

春ですねぇ

花々が咲き、暖かい風が心地よく春の訪れを感じている今日この頃。



俺は少し早めに朝食の準備をしていた。



「オリビアー、朝ごはんどうするー?まだ寝てても良いぞー?」



俺が声を掛けると、目を擦りながらもオリビアがやってきた。



「うー…、一緒に食べるの……。」



最近まで朝はゆっくりだったから仕方ない。

俺はベーコンエッグと簡単なサラダ、それと白パンを用意してリビングの椅子に腰掛ける。



「オリビア、待ってるから顔洗ってきな?」



「うん…絶対待っててね。」



まだ半分寝ているオリビアは、ふらつきながら顔を洗いに向かった。

だから寝てなって言ったのに。



戻ったオリビアと朝食を済ませると、俺は家を出る準備をしてオリビアは食器を片付けてくれる。



「それじゃ行ってくるね。知らない人が来ても出てはいけないよ?」



「ウルド心配し過ぎだよっ!わたしが出るわけないよっ!」



それはそれでどうなんだろうとは思ったが、それなら安心かと思いスルーした。



「一応ね、一応。もし何かあったらギルドに駆け込めば何とかしてくれるから覚えておいてね。じゃあ行ってきます。」



「行ってらっしゃいっ!気をつけてねっ!」



ザイルさんから聞いたエルフの国、ティーザニア王国からの接触はまだなかった。



しかし油断は出来ない。

ないに越した事ないんだが、もし俺が家を空けている時に来たらと考えると少し不安だ。



オリビアはまだ幼くスキルを発現してないので、少々、過保護になるぐらいが丁度良いだろう。



考えながら歩いていると、直ぐに冒険者ギルドに辿り着く。



俺の家から10分程なので考え事してると一瞬だ。





冒険者ギルドの扉を開けると、冬とは違い活気で溢れている。

冬を越えて貯蓄を減らした冒険者達が我先にと受付に並んでいる様だ。



俺もあそこに並ぶのかと少し憂鬱になりつつ、久しぶりに依頼探しを開始した。



「そういや俺Cランクになったんだった。Cだと何があるんだ?」



Cランク依頼は護衛が多いらしく、オリビアを置いて行けない俺は受ける事が出来ない。



「おっ?トレントか。ザガルタの西の森の奥なら余裕で帰れるぞ。」



王級討伐の報酬のおかげで俺は資金に余裕あるが、冒険者なので何があるかわからない。

それに、旅立ちの日までランクを上げる為、Cランク依頼で功績を貯める必要があった。



依頼を手に取り受付の列に並ぶ。






「おい、“魔弓“だ。何でもオーク王(キング)がいた軍団を一発で挽肉にしたらしいぞ…。」


「いや、あり得ないだろ…。でも、異名持ちなら可能なのか?」


「ギルマスが見つけて来た奴らしい…。“剛剣“にも認められた実力だって噂だ…!」





……気不味い。



去年ザガルタで見掛けなかった冒険者まで話してるじゃん…。

とっとと依頼受理して貰ったら逃げよっと…。



暫く待ち、俺はミレイさんに呼ばれて受付の前に立った。



「おはようウルド君!みんなウルド君の話題で持ちきりよ?何人に話を聞かれたか分からないわ!みんな貴方をパーティに入れたくて仕方ないみたいねー!はい!受理しましたよっと!」



異様にテンションが高いミレイさんと正反対に朝からテンションガタ落ちの俺はもう帰りたかった。



「はいはい、俺はソロ専門なんでそう答えといて下さい。これである程度諦めてくれるでしょうし。んじゃ行ってきます。」



そうミレイさんに言い残しギルドを出ようとすると、大柄な男に呼び止められた。



「おいお前、ちょっと顔貸せよ。」



俺はザガルタで初めて見る顔だと思い、溜め息を吐いた。



「何でしょうか?パーティ勧誘なら俺はソロ専門なんで全て断ってますが。」



朝からの一連の流れで不機嫌な俺は、つい見知らぬ男に言葉を返してしまった。



「お前Cランクの“魔弓“なんだろ?どうせギルマスが同族だからって優遇されてるに違いねぇ。ちょっと俺と勝負してみろ。」



何だこいつ。

というかこんな絡まれ方こっちで生まれて初めてだぞ。

しかもわざわざ俺が不機嫌な時を狙うって、誰かに煽られたのか?



背後に何者かの影を感じた俺は、こいつに乗ってやる事にした。



「春になって頭に虫でも湧いたんですか?やる訳ないでしょう。そんな暇あるならゴブリンでも倒してきて下さい。貴方にピッタリでしょ?それじゃ。」



周りが静まりかえる中、俺は男に背を向けて歩き出した。



「おいテメェッ!!誰にふざけた口きいてるか分かってんのかッ!!待てやゴルァッ!!」



男が俺の肩を掴み拳を振り上げた瞬間、俺は拳闘術を使い振り返ると相手が振り上げた拳を振り下ろす前に、そのまま男の鳩尾に一発入れる。



「ごふぅっ!?」



男はくの字になり数m飛んで動かなくなった。

流石に殺してはいない筈だ。



俺は静かに周囲を伺うが、怪しい動きの人間はいなかった。



「なんだ、本当にただの馬鹿か…。相手して損した。」



俺がそう呟いてギルドを去った後も、ギルド内は暫く静寂に包まれていた。



その後トレントを持ち帰ってギルドに報告に行くと、朝とは違う雰囲気を感じながらも、きっとミレイさんがソロ専門と伝えてくれたのだろうと納得して俺は家路に着いた。

3章から朝7時と、ストックに余裕がある時は18時から20時の間に公開する予定です。

よろしくお願いします!

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