2章.23 ウルド、家を買う
誤字報告ありがとうございました!
中々読み返して修正してる暇がないので助かります!
投稿前に確認してますが見落としてる所ありそうで怖い…
季節は秋になった頃、俺はパゴダ商会のザガルタ支店に来ていた。
ついに目標のひとつに手が届く。
そう、家を手に入れる為だ。
頑張って貯めた貯金、金貨200枚。
勿論、全てを使える訳じゃないが、そろそろ物件を実際に見て安ければ買ってしまってもいいと考えている。
最悪足りない場合でも、貯金の目標額が明確になるだけなので構わないと考えたのだ。
「今ですと、うちの繋がりで紹介出来る物件は10件ございます!ご希望の条件はございますか?」
「部屋は3つか4つ、それと風呂があるといいですね。風呂があるなら風呂とトイレは別で。」
とりあえず最低限の条件だ。
なければ買うのをやめるまである。
「かしこまりました!その条件ですと…、3件ですね!今からご覧になさいますか?」
意外とあるもんだな。
選べると思ってなかったからこれは嬉しい誤算だ。
俺はお願いしますと伝え、せっかくなのでオリビアを連れて内見する事にした。
昼過ぎに再び店に2人で行くと、初めて見る女性が俺達を待っていた。
「本日、お客様を担当させていただきます、レニと申します。早速ですが、一軒目に向かわせていただきますね。」
流石に高額な取引を対応しているだけあって、凄い丁寧な方だなぁ…。
俺とオリビアは、お願いしますといい早速レニさんの後に続いて一軒目に向かった。
閑静な住宅街に着くと、平屋だが広そうな家に着いた。
「一軒目がこちらです。お部屋が4部屋と、お風呂が付いており、トイレは別です。条件通りの中で一番お安く金貨100枚ですが、商会長の御友人とお聞きしておりますので、即決で金貨90枚にさせていただきます。」
おお、予想よりも遥かに安いな。
トイレは水の魔力が込められた魔石が使われているので水洗みたいな感じだし、風呂も俺の魔法で入れればいいので水汲みも必要ない。
部屋も俺とオリビアが一室ずつで残りを客室にすれば、誰かが泊まりに来ても安心だ。
キッチンも綺麗でリビングも5人いても余裕がありそうな広さ。
ここに決めても良さそうだな。
「オリビアはどう?これから住む所だから、一緒に決めなきゃね。」
俺がオリビアに聞くと、どうやらオリビアも気に入った様子だ。
「すごいっ!お部屋がたくさんあるよ!ウルド、本当にここに住めるの!?」
これは決まりだな。
ギルドまでも10分ぐらいの距離だし、何よりオリビアが気に入ったみたいだしな。
「では、こちらに決めさせていただきます。良い家を紹介して貰っちゃいましたね。パゴダさんにはお世話になりっぱなしで申し訳ないです。」
「ありがとうございます。商会長も同じ事を仰っておりましたよ。それに普通、冒険者はパーティで拠点として購入する事が多いので、それをお一人で賄える実力がお有りな証拠。流石は商会長と懇意になされる方ですね。」
レニさんからのまさかのべた褒め攻撃で俺は気恥ずかしくなり、早速支払いを済ませて契約を完了させた。
そして宿に戻り、妖精の誘い亭で最後の夜となった。
俺とオリビアは今は普通に一階でご飯を食べるようになっているので、カウンターで並んで少し豪華な夕食を楽しんでいた。
「寂しくなりますねー…。やっとオリビアちゃんと仲良くなりましたのにー!」
ウェイトレスのお姉さんもオリビアを可愛がってくれていたので、別れを惜しんでくれてるようだ。
「一緒にご飯は食べに来ますよ。ここのご飯が美味しくて宿を決めたんですから。オリビアもここのご飯好きだもんな?」
「うん!ここのご飯も、お店の人も好きっ!」
オリビアがここまで元気になったのも、この宿の人達のお陰でもある。
これからも通ってお店にお金を落とさなきゃな。
俺達が食事を終えて、俺が久々に酒を飲もうとマスターを呼ぶと、頼む前に葡萄酒とオリビアには果実水が出て来た。
「サービスだ。長い間泊まってたやつの門出の時ぐらい付き合え。」
マスターも自身に一杯用意していた。
なら、俺も漢気を見せないとな。
「なら盛大にやらないとですね。お姉さん、酒場にいる人達にこれで一杯お願いします。」
そう言ってウェイトレスさんに金貨1枚払い、酒場にいた客達とウェイトレスさんも巻き込んで乾杯した。
その後は常連客達と盛り上がり、オリビアが寝てしまうまで騒がしくて、楽しい夜になった。




