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2章.22 小さな幸せ

お休み回です

ゴブリン集落の件から1週間。

俺は順調に金を貯め、貯金は金貨60枚程になった。


ある程度の余裕が出来た俺は、今日は休みにしてオリビアと街を歩いてみようと考えた。


「ウルド、おはよう。今日はお寝坊?」


「おはようオリビア。今日はお休みにするから、もうちょっと寝てて大丈夫だよ?」


オリビアは先に目覚めたらしく、俺がいつもの時間に起きないので心配だったみたいだ。

因みに最近は、仕事に行く俺が床で寝るのが気に入らないらしく駄々をこねるので、一緒にベッドで寝ている。


「お休み?じゃあ今日はずっと一緒にいてくれるの?」


早めに帰る様にはしていたが、やはり1人は不安ただし、寂しい思いをさせてたのだろう。


「勿論だよ。今日は一緒に街を歩いてみない?何があっても俺がいるから大丈夫だからさ。どう?」


俺がそう提案すると、オリビアは少しビクッとしたがすぐに笑顔になった。


「…うん、わたし一緒に行くっ!ウルドとお外行きたいっ!」


俺は、初めて爺ちゃんと狩りに行った自分を思い出した。

他人を信用出来なくなり、家に閉じこもってた俺が人の心を取り戻したきっかけでもある。


他の者に拒絶されても、俺だけは味方でいるよ。

俺の様な結末にならないように。


「よし!じゃあ、顔を洗って朝ごはんを食べに行こうか!」


そう言ってオリビアを抱き抱えて部屋を後にした。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






「うわあっ!お店いっぱいっ!」


オリビアと手を繋いで屋台通りに着くと、店の多さに驚いたオリビアが声を上げた。


「俺も初めて来たけどびっくりしたな。せっかくだからゆっくり見て回ろうか。」


今まで冒険者として働き詰めだったので、ゆっくり街を散策する事が少なかった。

なので、あまりこういう所は来なかった俺としても新鮮だ。


「ウルドっ!あれ、すごい美味しそうなにおいするよっ!」


オリビアが楽しそうに腕を引く。

俺はそれが嬉しくて堪らなかった。

あの、壊れた記憶を少しでも忘れさせてあげたい。

苦しんだ分、それ以上に楽しい思い出をたくさん作って欲しい。


これが親バカって事かな。


「じゃあ、一緒に食べてみよっか!」


暫く屋台通りを楽しんでいると、知ってる顔を見かけた。


「あっ!ウルドさん!今日はお休みなんで…えっ」


「ウルドさんお久しぶりです。あら?可愛い子ですね。隠し子とかですか?」


ライラちゃんとエビネちゃんだ。

向こうも休みらしく、街に遊びに来たみたいだった。


「あっ…、うぅ…、ウルドっ…!」


今までの楽しそうな表情が一瞬で曇り、俺の手を握る力が強くなった。

流石に他人とのコミュニケーションはまだ難しい。

俺はオリビアを抱き上げて2人に挨拶した。


「隠し子作る様な歳じゃないよ。この子はオリビア。そうだなぁ、まぁ確かに娘か。血は繋がってないけどね。」


「ビックリしたぁ…、最近見かけなかった間に結婚したのかと…!」


「本当に娘さんなんですね!可愛いー!オリビアちゃん初めまして!エビネお姉さんだよー!」


結婚してこの歳の子供って、異世界で初婚がバツイチ子持ちと再婚は自由過ぎるだろ。


俺が心の中でツッコミを入れてると、オリビアがエビネちゃんに反応した。


「わたし、オリビア…です。」


おお、カサンドラの宿屋のマスター以来だな。

その調子だぞ、オリビア!


「あっ!私はライラですっ!オリビアちゃんよろしくね!」


ライラちゃんも挨拶をしてくれた。


「あっ…、オリビア、です…。うぅっ…!ウルドっ!」


隠れる様に顔を埋めてしまった。

でも、よく頑張ったな。


「悪いな、恥ずかしがり屋なんだ。人里にまだ慣れてなくてさ。仲良くしてくれると助かるよ。なんせ女の子の友達いないからさ。」


「勿論ですっ!本当に可愛いですね〜!ウルドさんに懐いてて、本当の親子みたいですっ!」


よし、オリビアにも同性の知り合いが出来て良かった。

しかし、本当の親子か。

そう見えてくれてるなら


「そうだ!ウルドさん、この後はお時間あります?

ザガルタに甘い物を出すお店が出来たらしくて、今からライラと行くんですけど、一緒にどうですか?オリビアちゃんも女の子だし、甘い物好きだよねー?」


「甘い…?ウルドっ…!行きたいっ!」


エビネちゃんは子供の扱いに慣れてるみたいだな。

オリビアも乗り気だし、行ってみるか。


「じゃあご一緒させてもらうよ。せっかくのお休みなのに悪いね。」


「い、いえっ!むしろ嬉しいというか…、そのっ!みんなで食べた方がもっと美味しいですよねっ!」


ライラちゃんも優しい子でオリビアを受け入れてくれて嬉しいよ俺は…。


その後、カフェらしきお店でパンケーキをみんなで堪能してお喋りをして楽しみ、オリビアが疲れたのかウトウトし始めて解散となった。


一番警戒していたダークエルフへの差別もなかったしオリビアの笑顔も見れたので、今後はもう少し休みを取って2人で過ごすのも悪くないな、と思いながら、オリビアをおんぶして宿に戻った。

お休み回でした

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