2章.17 ダークエルフ
ちょっと今回短いんです
俺はマスターから野菜のスープとパンを受け取り部屋に戻った。
本当はもっと食べさせてあげたいが、大河ドラマで飢餓の者が一気に固形の物を胃に入れると危険だと見た事があったからだ。
部屋に戻ったら少女は目を覚ました様で、ベッドから降りて角で震えていた。
少し意識がハッキリとして来た様だ。
俺はなるべく怖がらせない様に気を付け、優しく声を掛ける。
「こっちにおいで。ほら、ご飯を持って来たから食べよう。」
しかし、タオルを被り震える少女は変わらず角から動かない。
仕方ないので、こちらから近付く事にした。
「ほら、美味そうだろ?毒も入ってないし、君の食事だよ。」
わざと少女の前で一口ずつ食べる。
様は毒見だ。
すると、やっとタオルから顔を出してきたので、スープをスプーンですくい、口元まで持って行く。
「ほら、胃が慣れたらもっと美味いご飯を食べさせてやるから、まずはこれを食うんだ。」
少女はやっと口を開けてくれたので、スプーンを口に運ぶ。
「おい……しい……。」
「だろ?ほら、もう一口だ。」
パンもスープに浸して柔らかくさせて、スプーンに入れ少女の口に運ぶ。
ゆっくり時間をかけて食べさせて、スプーンを渡して自分で食べさせると、丁度食事が終わった時に服を頼んでた母娘が帰ってきた。
「お待たせしてしまいましたね。あら、食事は摂れたみたいで良かった。じゃあ、お着替えしちゃいましょうか。」
流石は娘がいる母だ。
瞬く間に下着と服を着せてくれた。
「服のサイズが正確に分からなかったんで、ワンピースを数着と下着を何かあった用に多めに買っておきました。後は、夜の寝間着にネグリジェも数着買ってます。」
やはり任せて正解だった。
俺ならそこまで考えて買う考えはなかった。
「本当に助かりました。じゃあほら、ゆっくり休むんだ。誰かが君を害そうとしたら俺が許さないから、今は安心してゆっくり、ゆっくり休んでくれ…。」
うつらうつらする少女を抱き抱えると、抵抗せず震えていた。
が、気にせず俺はベッドに寝かせると、すぐに寝息が聴こえて来た。
「ダークエルフ…、こんな幼いのに、大変だったでしょうね…。」
奥さんが悲痛な表情で少女を見つめる。
やはり、根深い問題のようだ。
「俺の里ではそういう差別思想がなかったのですが、根が深い問題の様ですね…。」
「はい…。人からは、数百年前に魔族と共に戦争を仕掛けて来た為、今でも迫害の的になり、エルフ族からは古来から不吉の象徴とされているらしくエルフの住む森からは追われ、今では魔族領の森にてひっそりと暮らしていると聞きます。」
良く物語で聞くイメージと一緒だな。
しかし魔族領か…。
この子が望むなら、連れて行ってあげたいな。
俺は暫く少女が悪夢にうなされないか心配で見守って、床で寝る事にした。




