2章.14 ご挨拶
2章長くなりそう
翌朝、この宿屋の料理を気に入った俺は、マスターに7日分の宿代を支払い暫く滞在する事に決めた。
せっかくの観光だし、ささやかな贅沢ぐらいはいいよな
そして、意外と早く宿が決まったので挨拶だけ先にしておこうとパゴダ商会の本店へと向かうことにした。
「やっぱり凄い商人なんだなぁ。これ、俺なんかが入っていいのか?」
店に着くと店構えが貴族専用の様に見えて少し躊躇うも、数人冒険者が入っていくのを見て、俺も勇気を出して入る事にした。
「いらっしゃいませ。パゴダ商会本店へようこそ。」
凄く綺麗な女性が対応してくれた。
気後れしつつも、ここで帰れば来た意味がないと思いパゴダさんはいるか聞いてみる事にした。
「あー、あの、冒険者のウルドと言う者なんですが、パゴダさんはいらっしゃいますか?今日の会食前に挨拶に来ました。お忙しいなら、また後で伺いますので。」
すると女性は俺の事を暫く眺めてから話し始めた。
「なるほど、貴方がウルドさんですか。…うふふっ!娘も大変ね!貴方は女難の相が見えるものっ!ご挨拶が遅れました。私はパゴダの妻でアメリアと申します。カトレアを救って頂き本当にありがとうございました。すぐにご案内致しますわ。」
アメリアさんは、カトレアの姉と言われてもおかしくない若さに見えるけど、まさかの母親らしい。
女難って言われてもなぁ。
昔、ドライアドにも似たような事言われたっけ。
女の勘ってやつかな?
しかし、パゴダさんにこんな美人か奥さんが…。
でもよく見ると、目元などカトレアに似てるな。
これはカトレアも将来は美人さんだな。
そう思いながら、よろしくお願いしますとアメリアさんの後ろに着いて行った。
執務室に着くと、アメリアさんがノックをする。
「貴方、ウルドさんがご挨拶に来て下さいました。今、大丈夫かしら?」
アメリアさんがドア越しに確認すると、すぐに返事が返って来た。
「おお!勿論だ!早速ご案内してくれ!!これはウルド殿!お久しぶりでございます!!最近のご活躍、私の耳にも届いておりますぞ!!ささっ!こちらへお座り下さい!アメリア、お茶を頼むよ!」
アメリアさんが微笑みながら去って行った。
俺は促されるまま対面ソファのパゴダさんの正面に座った。
「お久しぶりですね。お元気そうで良かったです。今日はお世話になりますね。」
そう言い一礼すると、慌てて、お辞め下さい!と止められてしまった。
「ウルド殿は少し謙虚過ぎですぞ!もう少し、欲を出して丁度良いぐらいですな!そうそう、カトレアは勿論、紅の乙女の方々も全員いらっしゃいますぞ!」
「それは楽しみですね。クレアさん以外はザガルタでお会い出来なかったので、楽しみです。カトレアの様子はどうですか?心の傷が少しでも癒えていれば良いですが。」
あの歳で監禁されたんだ。
手紙では元気そうだが、両親の前では違うかも知れないしな。
「カトレアはウルド殿がカサンドラへ来て下さると、最近は楽しそうでしてな!あんな事があったので妻と心配でしたが、今はすっかり楽しそうに過ごしておりますぞ!」
「それは安心しました。そんなに頻繁には来れませんが、たまに護衛依頼を兼ねて遊びに来ますね。」
それから少し雑談していると、パゴダさんが面白そうなイベントの話を始めた。
「そういえば、明日と明後日に貧民街で闇市が開かれるのですよ!掘り出し物が多く、冒険者の方々にも良い品が出ているかも知れないですぞ?」
「へぇ、それは面白そうですね?でも、貧民街は裏社会に繋がっていて危険と聞いたのですが、大丈夫なんですか?」
そろそろ剣を新調しようと思ってた俺はその闇市が気になったが、それ以上に裏社会なんて関わり合いたくなかった。
するとパゴダさんは笑い、疑問に答えてくれた。
「ハッハッハ!わざわざ喧嘩を売ったりしなければ何もありませんぞ!それに、闇市の時は外の人間も多く入るので、そんな時に暴れでもすれば、違う組織に攻撃の口実を与える様な物ですので!」
「なるほど。でしたら、明日にでも覗いてみましょうかね。有益な情報ありがとうございます。」
暫く話し込んでしまい、そろそろ仕事の邪魔になりそうなので、夜にまた伺うと伝えて俺は街に繰り出した。




