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2章7 快気と御礼と

ちょっと進みが遅くて、今日はこれだけかもです。

ザガルタで暮らし始めて5日、俺はこの宿が気に入った為、マスターに更新のお願いに行った。


「おはよう御座います。部屋の支払い今日まででしたよね?気に入ったんで更新して大丈夫ですか?」


俺がそう尋ねると、相変わらず厳つい顔で何日だ?と返されたので、2週間でお願いし、金貨1枚、銀貨6枚、銅貨8枚を渡す。


すると、店主が確認した金から銅貨を返してきた。


「サービスだ。断る気なら酒場で使え。」


俺は、何故この宿は人気が無いんだと思いつつ、そうさせていただきます、と感謝を伝えて宿を出た。


実は今、懐に結構余裕がある。


先日のオークが、血抜きしたのが良かったらしく、2匹で金貨10枚になったのだ。


なので、余裕がある内に宿の更新を済ませて適当に依頼を済ませ、夜は少し豪華な食事にしようと今日は計画していた。


俺はギルドに着いて日帰り出来そうな依頼を色々と物色する。


「フォレストウルフ、コボルト、ゴブリン、これにするかな。」


3枚の依頼を持ってカウンターに並ぼうとすると、ミレイさんが手を振って呼んでいた。


俺は丁度良いとミレイさんの所に向かい、依頼を手渡す。


「おはよう御座います。この3つの依頼お願いします。」


ミレイさんは呆れたように苦笑し受け取った。


「はいはい、受理しました。どうせ今日中に戻るんでしょ?討伐証明部位、忘れないでね。フォレストウルフは毛皮も売れるから余裕があったら持って来た方がいいわ。気を付けてね!」


俺は情報のお礼を伝え、受付を離れた。


そのままギルドを出て門の方へと向かうと、知ってる顔を前方で見つける。

先日助けた初々しい若者達だ。


セオ君が、俺に気付くとこちらに向かって走ってくる。

なんか犬みたいで可愛いなこいつ。


「ウルドさん!お久しぶりです!今日はこれから依頼ですか?」


見えない尻尾をブンブン振るようなテンションで声をかけられて、俺は笑いを堪えて挨拶を返す。


「おはよう、セオ君。あれから大丈夫?妹さんはかなり危険な目に遭ったから精神的な部分が心配だったんだ。」


新人であんな大怪我はトラウマになるだろう。

しかもまだ大人とは言えない少女だ。

冒険者の道を諦め、別の道に進んでも仕方ない。


俺が少女の未来を憂いてると、セオ君は明るい表情のまま答えた。


「ライラもお陰様で、あの後すぐに意識が戻りました!改めて紹介します!おい、みんな!」


セオ君が呼ぶと、3人がこちらに来た。

その中にライラの姿を見つけ、外を出歩ける元気が戻ったようで安堵する。

みんな元気そうで助けた甲斐があったな!


セオ君の横に集まると、1人ずつ自己紹介をしてくれた。


「まず私から。盗賊兼弓術士のエビネです。先日は本当にありがとうございました。」


茶髪をポニーテールにしたクール系って感じの子だ。まだ幼さがあるが、将来は美人さんになるだろうな。


「僕はヒーラーのメイソンです。あの時は命の恩人に名乗るのを忘れてしまいすみません。あの時のウルドさんを目標に日々精進しています。」


メイソン君はあれから少し、気持ちが前向きになったみたいだ。優しい性格のイケメンだしモテそうだ。


そして、あの時に重傷を負っていたライラの番になった。

ライラは目が泳ぎ、目に見えて動揺していた。


「あ、あの!わ、わた、私は、あの、その…。」


まだ心の傷が深いんだ…。

あんな事があって、まだ立ち直れないのだろう。

そう思い、なるべく優しく俺から声を掛ける。


「ライラちゃんだね。意識が戻って良かった。まだ精神的に辛いと思うから無理しないでね。みんなも元気そうで良かった。折角助けたんだから命を大切にね?」


そう言うと、ライラは俯いてしまったが、他のみんなが良い返事で返してくれた。

なんだか引率の先生になった気分だ。


依頼も受けているので、そろそろ行くかと思っていると、急に何かを思い付いたセオ君。


「そうだ!ウルドさん、明日約束したご飯行きませんか?勿論、俺達の奢りです!」


俺はまさかのお誘いに少し驚くも、明日は特に予定を決めてないから、どうせまた依頼に行くぐらいしかやる事がないので、断る理由が見つからなかった。


「いいの?別に奢りじゃなくて大丈夫だけど。俺、美味い飯屋を知りたかっただけだし。」


流石に歳下に奢らせるのは気が引けるのですが。

そう考えてると、セオ君が笑う。


「あんな事があった後ですが、格が上がってゴブリン退治とか受けられる強さになったんで、前より余裕あるんです。それに、僕達で行けるぐらいの水準のご飯なので、もしかしたら口に合わないかもしれません。」


格って確かレベルだったっけ。

俺はここまで言われたら断れないと、了承した。


「分かった。じゃあ明日の夕方の鐘の時間にギルド前でいいかな?まだザガルタの地理に詳しくなくてさ。」


そう約束して、俺は今日の獲物を狩りに門に向かって行った。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





夕暮れ時にギルドに帰還した俺は、ミレイさんに達成報告をする。


「はい、ゴブリン7匹、コボルト5匹、フォレストウルフ3匹の討伐完了です。お疲れ様でした!あっ、ウルド君に報告があるんだけど。というか、朝伝え忘れちゃったんだけどね?なんと、Dランク昇格試験が決まりました!今日以降ならいつでも受けれるけど、どうする?ギルド内でやるから暇な日教えてくれる?」


なんだか凄い勢いで一気に話されたが、どうやらDランク昇格試験が受けれるらしい。


「あー、じゃあそんな時間かからないなら明日受けたいです。午後はちょっと予定あるんで午前中が理想ですね。」


俺がそう返すと、ミレイさんは俺に渡すお金を準備しながら返してくれる。


「分かったわ!じゃあ明日の午前中に受付に来てね!じゃあはい!今日の報酬で合計金貨2枚ね!ウルド君、解体上手だから毛皮の査定良かったの!それじゃまた明日ね!」



今日の宿の支払いよりも多くてテンション上がった俺は、その後帰った宿で銀貨2枚も使って飯と酒を楽しんだのだった。

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