2章.4 捜索
今日、何故かPV数が急に倍になってビビってます
いつも読んでいただいて、感謝!
俺はザガルタを出ると、魔力探知を全力で発動させ、森を出た時に使用した時と同じ風魔法を発動し、全力で飛ばす。
片道歩くと1時間以上かかる道のりを15分に短縮出来た。
「この森だな。外の森ってこんな薄気味悪いのか。」
俺のいた森とは空気も雰囲気も違う。
魔物が住む森はこんなにも変わるのか。
俺は隠密スキルも発動して弓を手にする。
あまりのんびり探してはいられないな。
まだ魔力探知にそれらしき反応がないので、生きていてくれと願いつつ森を進む。
しばらく進むと、魔力反応があった。
数は4つ、情報と同じだ。
だが、まだ油断出来ない。
魔物が4匹集まってるかもしれないからだ。
俺は自分を諌めて冷静になる。
「200m先か。頼むから正解であってくれよ。」
更に進むと少し先に岩肌が見える。
反応まで100mなので、洞穴に潜んでいるらしい。
少し、ゴブリンの可能性を考えてさらに隠密に集中する。
2年前と同じように、深く、沈むように。
音を立てない様に注意しながら進むと、小さいが人の声が聞こえた。
どうやら当たりのようだ。
俺は安堵の溜め息を吐いた。
俺はそのまま洞穴に近付いて様子を伺う。
どうやら怪我をしている仲間がいるらしく、反応が一つ今にも消えそうだった。
このまま隠れていても解決しないので、こちらから声をかける。
「誰かいるか。俺はギルドの依頼で捜索に来た冒険者だ。Fランクの4人パーティで間違いないか?」
洞穴の外から声をかけたが返事がない。
どうやら警戒されているみたいだ。
どうしたものか、と考えていると、やっと返答が返って来た。
「ほ、本当なのか?証拠はあるか?」
恐らくもう1人いる少年の方だろう。
俺は安心させるように語りかける。
「本当だ。受付嬢のミレイさんが心配していたぞ。 俺は武器を持たずに手を上げている。そっちへ行っていいか?」
俺は弓を指輪にしまい、右手にギルドカードを持って手を上げて待つ。
それからまた暫く待つと、反応が2人分ゆっくりと近付いて来た。
鷹の目を使ってみると、杖を握る少年と弓を構える少女がゆっくりと歩いて来るのが見える。
10m程手前で2人が止まったので再び俺は声をかけた。
「右手のギルドカードを確認してくれ。俺はEランク冒険者のウルドだ。信用したなら武器を下げてくれ。」
俺がそう言うと、2人が目配せした後に武器を下ろした。
少女がまだ警戒している様子で口を開いた。
「2人怪我をしていてここを動けないの。私達だけなら動けるけど、2人を置いて行けないわ。」
俺は成る程、と思い少し考えてから一つ提案する。
今は俺が回復魔法を使うしかない状況だからだ。
「俺はそれを何とかする手段がある。だけど、今から見る事は秘密だ。それでも良いか?」
別に隠す必要はないんだが、無料で対価無しは、この状況だと俺なら絶対に信用しないと思ったからだ。
2人が考え込む。
しかし選択肢が他にあるなら俺が聞きたい。
全員助かるには、俺を信用するしかない。
やっと同じ結論に辿り着いたのか、少年が重い口を開く。
「分かりました、お願い致します。僕の回復魔法では全快に出来なくて…。」
どうやら回復役らしい少年が悔しそうに漏らす。
今にも泣きそうな少年の肩を叩き、俺は許可を得たのでそのまま洞穴の奥に歩きながら喋る。
「気にするな。Fランクなんだからこれからだろ。次は仲間を君が救えばいいんだ。」
そう励まして奥に進むと、腕に添え木をした戦士の少年と、腹部を斬られたのか重傷の魔術師の少女が横たわっていた。
少女の方は少しまずい。
腹部の傷がかなり深く、まず森を抜けるまで生きているかどうかすらわからない。
俺は時間との勝負だな、と思い、軽傷の少年を先に治す事を決める。
「早速始めるぞ。時間がない、腕を怪我してる君、こっちに来てくれ。」
俺が戦士の少年に声を掛けると、少年は自分からと思わなかったようで驚く。
「俺より酷い怪我のこいつを治してやって下さい!こいつ、俺の妹で…、やっと冒険者になれたのに、…うぅっ…。」
兄妹か、なら絶対助けてやらなきゃな。
そう心の中で呟き、俺は真剣な顔で少年の目を見て話す。
「妹を助けたい気持ちはわかる。だけど、君は腕を治せば戦闘可能だろ?ならまずは君から治してパーティの戦力を立て直す。リーダーは誰だか知らないが、まずは生きて動ける仲間を優先して考えろ。いいね?」
少し厳しいが、ここで分かって貰えないとまた同じ事が起きるだろう。
そして次は、全滅もあり得るからだ。
少年は、ハッとした顔をして戦士の顔に戻った。
「すいません、動揺して恥ずかしい所をお見せしてしまいました。よろしくお願いします。」
すぐに自分を律する事が出来るのは良い事だ。
俺はすぐに回復魔法をかけて少年の腕を治した。
「凄い…。無詠唱で、こんな酷い骨折を…。」
回復役の少年が驚いている。
が、今はそんな事気にしていられない。
「よし、君はもう大丈夫。妹さんは俺に任せて、君達2人は入り口を警戒してくれ。君は一緒にいた方が安心だろう?治療とはいえ肌を出すから、俺が何かしたと思ったら後ろから斬ればいい。だが、治療が終わってからにしてくれ。」
戦士の兄は信用してくれたらしく、回復役の少年を連れて入り口に向かった。
相変わらず弓使いの少女は警戒している様だが、少しは信じてくれたのか、さっきまでの表情とは変わっていた。
「分かったわ。ライラは私の親友なの。助かるわよね…?」
不安そうな少女に、俺は顔を向けず、重傷の少女のローブを脱がしながら答える。
「絶対に助ける。だから、手を握ってあげていてくれ。始めるぞ。」
俺は早速、傷に回復魔法をかける。
しかし、生命力が下がっているのか効きが悪い。
そう言えば母さんが、詠唱すれば魔法の効果が上がるって言ってたっけ?
確か回復魔法は……。
恥ずかしいから使わないと思って聞き流した詠唱を、必死に思い出した。
「主よ、主の導きにより、彼の者を救いたまえ。ハイヒール。」
うろ覚えの呪文を唱えると、明らかに回復力が上がり、傷が塞がっていく。
傷が綺麗に消えたのを確認して、俺は手を握り必死に祈りを捧げている少女に声を掛けた。
「これで大丈夫だ。これで命の危機は去ったけど、失った体力までは回復出来ないからね。この子は俺が背負うから急いで帰ろう。俺は男だから、君が服を直してあげて欲しい。頼めるかい?」
そう告げると、弓使いの少女は嬉しそうに目に涙を溜めて頷く。
「うん!本当にありがとう!すぐに直すから!」
俺は後ろを向いて少女達の準備を静かに待った。
「もう振り返って大丈夫よ。気を遣ってくれて、親友の代わりに感謝するわ。」
弓使いの少女が、作業が終わったらしく声を掛けてきた。
「よし、ザガルタに帰ろうか。」
俺はそう呟き、振り返って脱がせた服がきちんと着直されているのを確認すると、ライラという名の少女を背負い入り口に向かった。
明日は間話入ったり本編進んだり




