1章.16『夜狼』
お頭はボンッキュッボンしか抱きません。
「糞がッ!!」
近くの椅子を蹴り上げて檻にぶつける。
「ひっ…!」
ガキが悲鳴をあげる。嗚呼、ムカつくぜ。
「久々に女を捕らえたと聞いて街から戻れば、乳臭ぇガキじゃねぇかッ!!テメェ!!」
ブォン!と愛用のアックスを乱暴に振るうと、先程までヘラヘラと上等な女を捕まえたとほざいてた顔と胴が離れ、血飛沫が舞う。
「ひっ…!嫌、嫌ぁー!」
またガキが騒ぎ出す。五月蝿えな。
ん?しかしよく見ると良い服着てるなコイツ。
「おいガキ、お前、随分といい身なりじゃねぇか。貴族か?それともどっかの商会の娘か?」
改めて見れば金になりそうなガキだ。
身代金を請求するか、それがダメならどっかの変態貴族に売り飛ばしちまえば良い金になる。
「やっ…嫌ぁ…助けて…」
一週間近く監禁してるせいか、完全にビビっちまってやがる。
チッ!話にならねぇな。
まぁいい。身代金がダメなら売り飛ばすだけだ。
「ハッ!そうかい!せいぜい好きなだけ泣き喚いてろ!もうすぐお前は売り飛ばすからな!せいぜい良いご主人に当たるよう願ってろや!」
まぁ、闇市で買われるガキなんざ、大概が性奴隷か魔法の実験用だがな。
チッ!街に戻って飲み直すか。
すると、入り口の方から馬鹿が騒がしく走ってくる。
「お頭!大変でさあ!冒険者共が街から20人ほどこっちに向かってますぜ!」
部下が騒がしく走ってきた。五月蝿え。
「こっちに向かってるだあ?どうせ森に逃げたあの商人の捜索だろ。ビビってんじゃねぇ!!」
俺様が一喝すれば黙る。いつもの事だ。
さて、娼館でいつもの女を
「お、お頭!違いますよ!まっすぐ!こちらへ!向かってるんですよ!!」
なんだと?このアジトに向かってか?
「相手は20っつったな?ビビるんじゃねぇ!さっさと手下共を叩き起こして入り口を固めやがれ!!!
残った奴等は金目の物をまとめろ!!奴等を捩じ伏せたらアジトを移すぞ!!」
「り、了解でさあ!!」
馬鹿が走っていく。さて、とっととお宝まとめてトンズラする準備をするか。
こっちの戦力は60ちょい。相手は20そこそこだったか?
「楽勝じゃねぇか。ハッハッハ!!」
「助けてぇ…ひぐっ…助けてよ…」
俺は近くにあった酒瓶を手に取ると、ぐっと口に煽る。
ガキの啜り泣く声をツマミに飲む酒も悪くねぇ。
「お前も一緒に連れて行ってやる。良かったなぁ?ハッハッハ!ハッハッハ!!」
人をぶっ殺せて金まで入るんだ。引越しぐらい良いじゃねぇか。
今日は良い夜だぜ
まだまだァ!!




