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1章.15 作戦会議 後

初めての前編後編!

「ちょっと待ってよ!」


盗賊職らしい小柄な女性から声が上がる。


見るからに不満顔なのでザイルさんの言葉に思う所があるんだろう。


「そっちのお兄さんはまだしも、もう一人はガキじゃない!子守しながら内部潜入?ギルドは私達に死ねと言いたいのかしら!?」


凄い怒ってらっしゃる。

いや、気持ちはわかりますよ。俺16歳だし。


すると横の長身なお姉さんが止めに入った。


「ちょっと落ち着きなさいよ!すいませんこの娘今日ちょっと気が立ってて!ミーア!ほら、座って!」


ミーアと呼ばれた女性は恐らく戦士職女性に宥められながらもまだ抵抗している。


「ちょっと離しなさいよ!貴女は入り口の主戦場だけど私は違うの!自分の命が掛かってるの!」


かなり興奮して声を荒げているが、納得できる。

俺だって同じ立場ならそうするし。


「ミーアさん、貴女の意見はごもっともですね。それではウルド君の実力がまだ若く力不足なので反対という意見で間違いありませんね?」


優しく諭す様な声でザイルさんが問いかけた。


「ええそうよ!大人しく後ろにいればいいのよ!足手纏いを敵陣に突っ込ませるなんて自殺と同じだって言ってるのよ!!全く!」


あー、この人ツンデレ?いや、デレてないか。

優しい人なんだろうな。弟とかいそう。


「貴女の意見はわかりました。ではウルド君?隠密スキルを使ってみて下さい。全力でやって下さいね。やらなきゃお仕置します。」


怖っ!?全力で頑張ります!


「わ、分かりました。けど、こんなに見られながらじゃ意味ないんじゃ「良いから早くやって下さい。やれば分かりますから。」


笑顔なのに全く目が笑ってないんですよ…

まぁ、ダメならダメで主戦場に参加でいいか。


「分かりました。いきますよ…」


俺は隠密スキルを発動させる。

これは元々狩りに着いて行きたくて前の世界から練習してきた。


自分を空気に、自分の存在が気薄になる様に。

床に溶けるような感覚、もっと深く、沈んでいく。


「嘘だろ…」


誰かが声を漏らす。全員の代弁者だった。

そこにいるのに、確かにいるのに、いない。


いや、確かにいるのだ。

全員が頭がおかしくなりそうな感覚に陥る。


「やはり…そこまでで大丈夫ですよ。ウルド君ありがとうございます。ミーアさん、今のを見た後にもう一度聞きましょう。ウルド君は実力不足でしょうか?」


ザイルさんはニコッとミーアさんに問いかける。


ミーアさんはこちらとザイルさんを交互に見ながら口をパクパクさせてたが、ザイルさんからの問いにハッとした顔を見せた後、返答した。


「わ、私が間違ってた。彼は何?伝説の暗殺者?まだあたまが追いつかないわ!」


伝説の暗殺者って。

ちょっとかっこいいと思ったけど、そんな暗殺家業なんか御免だ。


「俺はただのエルフ族の里で産まれたただのエルフですよ。歳だって16ですから。」


この状況で「んな訳ねーだろ」とは言えないので、苦笑を浮かべて訂正する。


綺麗なお姉さんだから緊急するんだよ。

昔から女性と会話するの苦手なんだから、勘弁してくれ…。


「皆さんこれで分かりましたね。ではこれで終了となりますので、明日はよろしくお願いします。」


ペコリと一礼し、ザイルさんは会議室から去って行った。


さて、会議が終わったので明日の準備を済ませて早めに休もうかと考えていると、先程のミーアさん達のパーティがやってきた。


「あ、あの!ウルド君、さっきはごめんなさい…君がまだ駆け出し冒険者みたいな雰囲気していて、そんな子を一番危険な所に出す作戦を聞いたら頭に血が上っちゃった…」


やっぱりな。言葉の端々に棘が無かったからそんな気がしたけど、優しい人なんだな。


「いえ、俺もミーアさんと同じ立場なら殴ってでも止めると思うので。心配していただきありがとうございます。」


やっぱり女性と喋るのは緊張して言葉が固くなってしまうな。我ながら可愛げのないガキだよ…


「「………………………………。」」


そんな事思いつつ会話が止まってしまった。

き、きまづい…


すると察したのか、先程の長身の戦士の女性が喋り出した。


「ミーアって誤解されやすいのよ。根は凄く良いのに勿体ないわよね!あっ、私はクレア!『紅の乙女』のパーティリーダーで戦士よ!よろしくね!」


凄く明るい人だ。綺麗な茶髪のポニーテールを元気に揺らしながら挨拶してくれた。


「よろしくお願いしますクレアさん。エルフの里のウルドです。職業は狩人です。よろしくお願いします。」


ペコリと一礼しておく。第一印象は大事だ。


「あら、若いのにしっかりしてるわ。本当に16歳?実は160歳とかじゃないの?」


クレアさんはエルフに偏見なんてないのか、結構突っ込んでくるなぁ。

俺としては普通に接してくれて嬉しいけど。


「本当に16歳ですよ。ねぇ、父さん?」


「ああ、こいつは正真正銘16歳の俺の息子だ!挨拶が遅れたな、俺はモウラだ!ウルドの父で今回は里長代理で来た!明日はよろしく頼む!」


父さんも力強く挨拶する。

この二人、勢いが似てるな?


「こちらこそ宜しくお願いします!ウルド君!あと二人メンバーいるんだけど、今日は別行動だから明日改めて紹介するからね!」


クレアさんの華が咲いたような笑顔で言われると、緊張するから遠慮しときますとは言えない。


「はい。そのお二人によろしくお伝えください。明日楽しみにしてます。」


そう社交辞令で答えると、ミーアさんが近付く。


「貴方、悪いけどお父様に似てないわね…お母様似なのかしら」


ボソリとミーアさんに耳打ちされる。

くすぐったいし恥ずかしいからやめてね。


「一応、弓の腕前は父譲りですので。母さんはオットリしてますが、ザイルさんに似てる、かな?」


ミーアさんにそう返しながら我ながら納得した。

あっ、だから怖かったのか!


「ギルマスと!?それはそうなるわ。納得ね。」


ミーアさんが苦笑いしながら答えた。


そのままギルドの外に出ると、彼女達の宿は逆方向らしく、入り口で別れる。


「じゃあまた明日!頑張りましょうね!」


クレアさんがブンブン手を振ってくるので恥ずかしいから軽く返して宿の方に身体を向け歩き出した。

一気に手直ししてるので、誤字やおかしな箇所あったら修正しますので教えていただけると助かります!

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