表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
男装女子と善人女子  作者: 私信
自覚編
30/40

第三十話 初めての感情


「ふぅ、たまにはよそのおうちでシャワー浴びるのもいいかもしれないなぁ」


 ちょっと落ち着かないけど、今後浴びる機会が増えるだろうし、我慢我慢。


「うーん、よく見たらいろんな服が畳まれているなぁ。あっ、ワイシャツだ!」


 着ちゃおうかな?

 どうせあとで洗濯するんだし、申し訳ないけどハルキちゃんを茶化すためにも、一着だけ着てみようかな。

 

「ごめんね、ハルキちゃん」


 そう謝り、私はハルキちゃんのワイシャツを着る。


「おおー! 着てみると、案外ダボダボだなぁ! でも下着も見えないし、意外とアリかも」


 そして、そのまま洗面所を出る。


「ハルキちゃん! ほら、彼シャツ! というか、カノシャツかな?」

「そういう格好はボクの部屋だけでしてください!」

「もしかして、着たらダメだった?」


 私がしょぼくれていると、ハルキちゃんは真顔で言った。


「いえ、セクシーすぎるので、ボク以外に見せてほしくないんです!」

「……わかった。じゃあ、さっきの出してくれた服に着替えてくるね!」

「はい。あと、そのシャツはその……あとで着てもらうので、持ってきてください」

「うん! ハルキちゃんってえっちだもんね!」

「はい! さっきは刺激が強すぎて逃げましたから、お詫びにたくさんイチャイチャしましょう!」

「うん!」


 なんか、ようやくハルキちゃんのことがわかってきた気がする……!

 女の子だけど、男の子みたいな素敵な子。

 

 まあ、男の子として育てられたんだから、仕方ないのかもしれないけど。

 こうして、改めてハルキちゃんの出した服に着替える。

 ワイシャツも持って。


「よーし! それじゃあ、上に行こっか!」

「はい! それにしても、まさかおうちデートになるとは……」

「いいんじゃない? 私はハルキちゃんと一緒ならどこでも楽しいからね」

「それは……ボクもそうですが」


 そうやって階段をのぼりながら話す私たち。


「でも、ボクのでよかったですか? 着替え」

「うん。なんだかハルキちゃんの匂いがして落ち着かないよ!」

「そうですか」


 それからハルキちゃんの部屋に入ると、わざとハルキちゃんに倒れかかる。


「……つむぎさん?」

「なんか、も……悶々しちゃって。ごめんね? ハルキちゃん」

「そうですか! でも、ムラムラとは違うんですね?」

「……いや、どちらかといえばムラムラかも……」

「マジですか!? あのつむぎさんが!?」

「私だって性欲はあるよ? 人間だもん!」

「ですよね……」


 まずいなぁ……

 ものすごくハルキちゃんに触れてほしい。

 全身からハルキちゃんの匂いがして落ち着かないし……そのせいかな?


「私を思いっきり抱きしめて!」

「は、はい!」


 ギュッと抱きしめてくれるハルキちゃん。

 でも、足りないなぁ……

 

 なんなんだろう? この気持ちは。

 満たされないというか、欲しくなるというか……


 そうだ!


「ごめんねハルキちゃん。この服脱ぐ!」

「えっ!?」


 ハルキちゃんの前で下着姿になる。

 でも、さっきもなったし平気だよね?


「ふぅ、スッキリした! これでムラムラしないもんね!」

「あのー……ボクがするので、早く服を着てください」

「じゃあ、ワイシャツを着るね?」

「まあ、それなら……」


 こうして、彼シャツ……というか、カノシャツをする。


「うーん……やっぱり、下着姿よりエロく感じます……」

「でも、これなら匂いもあまりしないし、私自身ムラムラもしない!」

「では、寝そべってください」

「うん。なに?」

「抱きしめてもいいですか?」

「うん! イチャイチャしよう?」

「はい!」


 それから、カノシャツをしながら抱きしめられる私。

 

「あったかいね」

「まあ、つむぎさんは素肌ですから」

「そっか」

「あと、つむぎさんはボクの服を着るとエロい気分になること、覚えておきます!」

「うん! 将来のためにもね?」

「は、はい……!」


 ハルキちゃんが動揺する中、私は落ち着いていた。

 恋人に抱きしめられるのって、やっぱり落ち着くなぁ。

 ハルキちゃん自身の匂いは嗅ぎなれてるからかな? 服の匂いと違って。

 

 もっとも、ハルキちゃんは落ち着いていないみたいだけど。

 鼓動の音がいつもより速いし。


「いつもよりドキドキしてるね」

「そりゃあ、恋人が下着姿同然なら、誰だってドキドキしますよ!」

「じゃあハルキちゃんも脱ぐ?」

「ぼ、ボクもですか!?」

「冗談だよ。まあ私も、ハルキちゃん相手なら緊張するだろうけどね」

「そうですか……。なんにせよ、つむぎさんもボクを意識してるようで嬉しいです!」

「そりゃあ、好きな子だし。ていうか、女の子だし」

「それにしても、つむぎさんもムラムラするんですね……」

「でも、ハルキちゃんに対してだけだよ?」

「ふふっ……なんだか、つむぎさんもボクに似てきましたね」

「ハルキちゃんは優しくなってきたんじゃない? 私に似て」

「はい。ずっと一緒にいますからね」

「これからも、ずっと一緒だよ?」

「はい!」


 こうして、初めてハルキちゃんに対してやらしい気持ちを持った私。

 でも、ハルキちゃんは受け入れてくれた。

 今思えば、いつもハルキちゃんはあの気持ちを抑えてるのかもしれない。

 そう思うと、やっぱりハルキちゃんってすごいなぁ。

 そんなことを考えつつ、ベッドの上でイチャイチャする私たちだった。

自覚編はここから始まると言ってもいいでしょう。

引き続きよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ