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男装女子と善人女子  作者: 私信
自覚編
28/37

第二十八話 恋愛相談 その②

ここからは日常編に戻ります。

主人公カップルを楽しんでください。


「おはよう、ハルキちゃん」

「はい! おはようございます!」

「あ……! 前みたいに下駄箱になんか入ってる! って、また手紙かぁ」

「……やはり燃やしますか?」

「いやいや、燃やさないからね!? てか、やはりってなに!?」

「まったく……今度は誰ですかね? とりあえず、ボクもついて行きますから」

「だから、まだ告白と決まったわけじゃ……」

「あれ? ボクの方にもなにか入ってるぞ?」


 ハルキちゃんの方にもまた同じ便箋があった。


「とりあえず、内容を確認しよう!」

「ですね!」

「えーと……放課後に二年の空き教室に来いって書かれてる」

「ボクもです。偶然か? いや、偶然にしては便箋の柄が同じなのは不可解だ」

「とりあえず行ってみよう?」

「はい!」

「じゃあ、またあとで」

「はい! また!」


 こうして、私は教室まで向かう。


「はぁ……それにしても、なんの用なんだろう?」

「ふわぁ……ごきげんよう、皆さん」

「あっ、おはよう。雪菜ちゃん」

「ええ、おはようございますわ」

「……眠そうだね」

「はい! 毎日ぐっすりと眠れるのはいいことですわね!」

「うん、そうだね!」

「その手にあるのは手紙ですの……? 古風な方もいるものですのね」

「いやいや、まだ決まったわけじゃないから!」

「なにがですの?」

「あ、いや、なんでもない……」


 それから時間は飛んで放課後の二年の空き教室。


「まったく、なんだというんだ?」

「まだ誰も来ないね……?」


 そうして五分後、男女二人がやってくる。


「お、遅れました!」

「呼び出したのにすまない!」

「いいよべつに!」

「それで、ボクらに用があるんですよね? 先輩たちは」


 ハルキちゃんがそう切り出すと、二人は話し始めた。


久保くぼ悠太ゆうた。三年だ。呼び出してすまない」

「わたしは和田わだ星華せいか。二年です。突然すみません……」

「それで、二人してなんの用ですか?」

「だね! 私たちでよければ協力するよ?」

「それでは教室の隅で話し合いたいので、早乙女さんとわたし、春木くんと久保先輩で分かれましょう」

「そうだな!」

「……よくわかりませんが、はい」

「わかった」


 そして和田さんと私、久保先輩とハルキちゃんに一旦分かれる。


「実は、恋人とイチャイチャしたくても、できないんです……!」

「あ、そうなの? それって、久保先輩と?」


 そう尋ねると、コクリとうなずく和田さん。


「それで、どうして私たちを……?」

「校内一のラブラブカップルに聞いたら、なんか参考になるかなって」

「ああ……そういうことね」


 なんだか、久しぶりにカップル扱いされた気がする。

 というかハルキちゃんと私って、今はそんな扱いになってるのか……


「じゃあハルキちゃんと合流してアドバイスするから、しばらく解散!」


 それからハルキちゃんのもとへ向かうと、ハルキちゃんは怒鳴り散らす。


「知るか! ムラムラしたらしろ!! そもそもそんなこと、ボクに聞かないでください!」

「…………どうかしたの?」

「実は……久保先輩はイチャイチャできないのに不満らしいです」

「こっちも同じだけど、どうしたらいいんだろう?」

「では、ボクたちも久しぶりにイチャイチャしますか!」

「えっ?」

「才上の件でしばらくイチャイチャ出来てませんでしたからね。なので、ボクたちのイチャイチャを見せつけてやりましょう!」

「うん!」


 やっぱり参考にしてもらうには、見せるしかないのかな?

 まあ、ハルキちゃんはイチャイチャしたいだけだろうけど。

 でも、私だってイチャつきたかったし、イーブンだよね!


「じゃあ先輩たち、見ててください! ボクが座るので、つむぎさんは抱きしめてください」

「うん! 二人ともよく見ててね!」


 そんなふうに言うと、ハルキちゃんが椅子に座る。

 そんなハルキちゃんの顔に胸が当たるように、私は抱きしめた。


「これが身長差があってもハグできる方法だよ!」

「ほういうほほでふ」

「ふふふっ……そこで喋られると、胸がくすぐったいよ……!」

「なるほど、参考になります……!」

「二人ともありがとう!」

「ごほん、学生なので行き過ぎた行為はしないように! ボクらだってそこまでいってるわけじゃないので!」

「そうだね。私たちはハグで止めてるからね。だからこそ、余計なことを考えずに色々できるわけだし、二人ともファイト!」

「ああ! ありがとう!」

「お礼はないですが、代わりにお二人が困ったときには力になりますね!」

「うん。そのときはよろしく!」

「ではボクたちは解散するので、くれぐれもやりすぎないように!」


 こうして、私とハルキちゃんは去っていく。


「でもさ、久しぶりにイチャイチャできてよかったね!」

「はい! 最近才上が邪魔でしたので!」

「はっきりと言うね……でも雪菜ちゃんに悪いけど、私もハルキちゃんとイチャイチャしたかった!」

「そうですか! 今日はうちに寄っていきますか?」

「うーん、今日はいいや!」

「そうですか……」


 ハルキちゃんが目に見えて落ち込む。


「なら明日はどうかな?」

「いいですね! そうしましょう!」


 一瞬で明るい顔になるハルキちゃん。

 こういうところが大型犬なんだよなぁ。


「ハルキちゃんって、やっぱり可愛いね!」

「そうですか? ありがとうございます……」


 そんな感じで、久しぶりの日常を過ごした私たち。

 ハルキちゃんともイチャイチャできたし、大満足……

 とまではいかなくとも、そこそこ満足した私だった。

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