第二十八話 恋愛相談 その②
ここからは日常編に戻ります。
主人公カップルを楽しんでください。
「おはよう、ハルキちゃん」
「はい! おはようございます!」
「あ……! 前みたいに下駄箱になんか入ってる! って、また手紙かぁ」
「……やはり燃やしますか?」
「いやいや、燃やさないからね!? てか、やはりってなに!?」
「まったく……今度は誰ですかね? とりあえず、ボクもついて行きますから」
「だから、まだ告白と決まったわけじゃ……」
「あれ? ボクの方にもなにか入ってるぞ?」
ハルキちゃんの方にもまた同じ便箋があった。
「とりあえず、内容を確認しよう!」
「ですね!」
「えーと……放課後に二年の空き教室に来いって書かれてる」
「ボクもです。偶然か? いや、偶然にしては便箋の柄が同じなのは不可解だ」
「とりあえず行ってみよう?」
「はい!」
「じゃあ、またあとで」
「はい! また!」
こうして、私は教室まで向かう。
「はぁ……それにしても、なんの用なんだろう?」
「ふわぁ……ごきげんよう、皆さん」
「あっ、おはよう。雪菜ちゃん」
「ええ、おはようございますわ」
「……眠そうだね」
「はい! 毎日ぐっすりと眠れるのはいいことですわね!」
「うん、そうだね!」
「その手にあるのは手紙ですの……? 古風な方もいるものですのね」
「いやいや、まだ決まったわけじゃないから!」
「なにがですの?」
「あ、いや、なんでもない……」
それから時間は飛んで放課後の二年の空き教室。
「まったく、なんだというんだ?」
「まだ誰も来ないね……?」
そうして五分後、男女二人がやってくる。
「お、遅れました!」
「呼び出したのにすまない!」
「いいよべつに!」
「それで、ボクらに用があるんですよね? 先輩たちは」
ハルキちゃんがそう切り出すと、二人は話し始めた。
「久保悠太。三年だ。呼び出してすまない」
「わたしは和田星華。二年です。突然すみません……」
「それで、二人してなんの用ですか?」
「だね! 私たちでよければ協力するよ?」
「それでは教室の隅で話し合いたいので、早乙女さんとわたし、春木くんと久保先輩で分かれましょう」
「そうだな!」
「……よくわかりませんが、はい」
「わかった」
そして和田さんと私、久保先輩とハルキちゃんに一旦分かれる。
「実は、恋人とイチャイチャしたくても、できないんです……!」
「あ、そうなの? それって、久保先輩と?」
そう尋ねると、コクリとうなずく和田さん。
「それで、どうして私たちを……?」
「校内一のラブラブカップルに聞いたら、なんか参考になるかなって」
「ああ……そういうことね」
なんだか、久しぶりにカップル扱いされた気がする。
というかハルキちゃんと私って、今はそんな扱いになってるのか……
「じゃあハルキちゃんと合流してアドバイスするから、しばらく解散!」
それからハルキちゃんのもとへ向かうと、ハルキちゃんは怒鳴り散らす。
「知るか! ムラムラしたらしろ!! そもそもそんなこと、ボクに聞かないでください!」
「…………どうかしたの?」
「実は……久保先輩はイチャイチャできないのに不満らしいです」
「こっちも同じだけど、どうしたらいいんだろう?」
「では、ボクたちも久しぶりにイチャイチャしますか!」
「えっ?」
「才上の件でしばらくイチャイチャ出来てませんでしたからね。なので、ボクたちのイチャイチャを見せつけてやりましょう!」
「うん!」
やっぱり参考にしてもらうには、見せるしかないのかな?
まあ、ハルキちゃんはイチャイチャしたいだけだろうけど。
でも、私だってイチャつきたかったし、イーブンだよね!
「じゃあ先輩たち、見ててください! ボクが座るので、つむぎさんは抱きしめてください」
「うん! 二人ともよく見ててね!」
そんなふうに言うと、ハルキちゃんが椅子に座る。
そんなハルキちゃんの顔に胸が当たるように、私は抱きしめた。
「これが身長差があってもハグできる方法だよ!」
「ほういうほほでふ」
「ふふふっ……そこで喋られると、胸がくすぐったいよ……!」
「なるほど、参考になります……!」
「二人ともありがとう!」
「ごほん、学生なので行き過ぎた行為はしないように! ボクらだってそこまでいってるわけじゃないので!」
「そうだね。私たちはハグで止めてるからね。だからこそ、余計なことを考えずに色々できるわけだし、二人ともファイト!」
「ああ! ありがとう!」
「お礼はないですが、代わりにお二人が困ったときには力になりますね!」
「うん。そのときはよろしく!」
「ではボクたちは解散するので、くれぐれもやりすぎないように!」
こうして、私とハルキちゃんは去っていく。
「でもさ、久しぶりにイチャイチャできてよかったね!」
「はい! 最近才上が邪魔でしたので!」
「はっきりと言うね……でも雪菜ちゃんに悪いけど、私もハルキちゃんとイチャイチャしたかった!」
「そうですか! 今日はうちに寄っていきますか?」
「うーん、今日はいいや!」
「そうですか……」
ハルキちゃんが目に見えて落ち込む。
「なら明日はどうかな?」
「いいですね! そうしましょう!」
一瞬で明るい顔になるハルキちゃん。
こういうところが大型犬なんだよなぁ。
「ハルキちゃんって、やっぱり可愛いね!」
「そうですか? ありがとうございます……」
そんな感じで、久しぶりの日常を過ごした私たち。
ハルキちゃんともイチャイチャできたし、大満足……
とまではいかなくとも、そこそこ満足した私だった。




