別世界の人
俺はこいつを利用すると決めた。とりあえず会話をしよう、俺のことを相手に信用させるために。
「あなたは俺の敵じゃないんですか?それになんで俺の事情を知っているんですか?」
「それは俺の事情を話しながら説明するよ、とりあえず自己紹介をしよう。俺の名前はラスクよろしくな。」
「私の名前は大隈 征吾といいますよろしくお願いします。」
俺の名前を言った一瞬ラスクの顔が歪むだけどその表情はすぐに元に戻って話し出す。
「お前、最初からいろいろやったな。わかってると思うけどお前は討伐依頼がでている。だけど俺はお前を討伐する気は今は一切ない。理由は俺は昔別の世界の人と会ったことがある、なんなら一緒に冒険をしていた。」
衝撃的な事実が発覚した。俺以外にも転生者はいたらしい、こんな世界で生きることができるのだろうか。そいつが生き残った方法に興味がわいた。そのままラスクは話し続ける。
「とりあえず、お前のことは俺が保護してやるよ。俺がまた別世界から来た人と会うなんてこれもまた縁だからな。はっきり言おう俺の種族にとってお前は敵だ、お前はゴブリンの姿に見えてこの近くにゴブリンの国があってずっと戦争してるんだよ。だけど俺はそうだと思っていないからな。」
俺に似ている種族が近くにあるらしいいいことを知った。相手の目的はなんだ?善意での行動か否か、そんなこと判断できるほどの情報がない。これは、本当のことを言うかどうかは置いておいて保護の話を受けることにしよう。
「保護していただけるのありがたいのですが、なんで保護をしようとするんですか?
「保護というか、半分は監視が目的だな。俺はお前の境遇を最低限くらいは理解しているから殺す気はないけど俺だって殺してほしくない奴くらいいるからな。」
一応それを信じることにして、ほかの疑問を口にする。
「討伐した証明はどうするんでしょうか?」
ラスクは馬鹿にしたような表情で言う
「それは、普通に討伐したっていうだけでいいだろ。」
こいつは馬鹿なのか、この世界の奴らがそれで納得するとは思えない。
「ラスクさんは頭が悪いんですか、それで納得しないと思いますが。」
「頭が悪いのはお前だろ、なんで町の住民が避難したかわかってるだろ。それに俺は、えーとこの国だと何だったかな。そうだ、2級討伐者だから信用は十分にあるからな。」
これは完全に俺が馬鹿だった。そうだ、住民への被害が予想される奴の攻撃でまともな原型を保っていられるとは思えない。だけどそのレベルで2級討伐者ってやつなのか1級の奴はどのくらい強いんだろうか。
俺が考え事をしていると、俺の思考を読んでいたらしく。
「この国の仕組みだと、1級冒険者は存在しないんだよ。もっと高みを目指せるようすべての討伐者に目標として定められている。だから実質俺が討伐者の最高峰だからな。」
納得はできた。だけど改めて俺に常識がなさすぎる。ラスクからいろいろ聞いておかないといけないな。
「それで、俺は今したいことも特に何もないから。お前のしたいことの手伝いをしてやるよ。なんかこの先の目標とかあるか?」
目標は素直に答えていいだろう。こいつが協力してくれるなら、俺のできることは一気に増加する。
「私は元の世界に帰りたいです。そのための協力をしてください。お願いします。」
これは俺の心からの願いで。嘘偽りは一切なかった。
「元の世界に帰りたいか……。あいつは諦めていたけど、それがお前の目標ならついて行ってやるよ、面白そうだしな。じゃ俺はギルドに報告しに行ってくるから。10分くらいここで待っとけよ。」
「分かりました。待っておきますね。」
10分間一人で思考する時間ができた。いろいろ疑問はあるがそれは追々ラスクに質問をするとしよう。ラスクは討伐者とかいうよくわからないギルドに所属していてその中でも上位の実力を持っているみたいだ。
あいつはこの世界の魔物たちと同じ種族だ。完全に信用してはいけない、そのことは胸の中にしまっておいた方がいいだろう。




