ラスクを説得しよう
どうやってあのライコウモリを手なずけようか、一番手っ取り早いのは圧倒的な実力差を見せつけて屈服させることだが、そういえば相手を服従させる魔法はないんだろうか。
「相手を服従させる魔法ってないんですか?]
「そんな魔法があるなら、魔物を繁殖させることは可能だろ。それよりも時間がないぞ、早く討伐しないと相手が繁殖してまずいことになるから、さっさと案を提示しろ」
早く討伐しないといけない、本当にそうなのだろうか。そんなことはないだろう。
「確かに、次世代の個体が構造変化の魔法を手に入れると厄介です。ですが、早く討伐しなければならないわけではないと思います。」
ラスクが笑みを浮かべる。
「それはなぜだ。教えてくれるか?」
「分かっているとは思いますけど、まずそこまで討伐する優先度が高いならラスクさんだけに任せることはせずに国が動いて討伐をしようと動くと思います。それに本当に繁殖しようとするんでしょうか?」
「確かに国が動いていないのはおかしいな。だけど繁殖しようとしないというのはどういうことだ。」
こいつ多分わかっているだろうに、俺に説明をさせようとしている、腹が立つ。
「知能が十分に高いと、恐れるのではないでしょうか。遺伝の仕組みに気づいて、自分の子供が自分を脅かすことを。もしそうじゃないなら、今頃より様々な種族が国を作っていると思ったからです。」
ラスクはため息をつきながら答えた。
「それは正解だ。だけど早く討伐したいというのも事実だ、実際に時間はあるけど早く討伐するに越したことはないからな。」
なら最初からそう言えばいいだろ。ラスクの真意を読むことはまだできなかった。
時間はあるといっても、会う方法は思い浮かんだが、結局服従させる方法は賭けをする方法以外に思い浮かばないだろう。もう少し考えて思い浮かばなかったときはそれをするとしよう。
どれくらい時間が過ぎたかわからないがだいぶん時間がたった。しょうがない、また賭けをしよう。
「残念ながら、服従させるいい案は思い浮かびませんでした、だから相手に服従しろと言いましょう。」
ラスクからすぐあきれたように反論が飛んでくる。
「ちょっと待てよ、そんなん服従するわけないだろ。それに服従しなかったらどうするんだよ。」
俺は笑顔を作りながら話す。
「服従しなかったら殺すだけでしょう。それに今回の相手の性格は慎重そうでした、だからこそこちらの実力を図るためにも一度服従したふりをするということも考えられるのではないでしょうか?」
ラスクが納得したようにうなずく。
「なるほどな、理解したその案を採用させてもらおう。だがそれは俺一人でできることだ。俺一人で戦闘はやらせてもらおう。」
納得するようにしているが、きっと最初からこの方法は頭の中に浮かんでいたはずだ。それに一人でやらせろと言ってきた。ラスクを一人で行動させた場合いくらでも嘘をつくことができるそれは防がなければならない。
「ラスクさん、私は戦闘経験を積むことができる機会を逃すつもりはありません。自分よりも圧倒的な格上と戦闘することになりますが、ラスクさんがいるなら絶対に安全ですよね。」
ラスクは俺が思っているよりも強いと思っている。
それに今回の敵相手にラスクはひるんだ様子を一切見えないし、最初に洞窟に入ったとき相手を挑発するようなことを言っていた、つまりあの状況で接敵したとしても俺を守りながら戦闘をすることができるということだろう。
「分かったよ、一緒に戦闘をしよう。なるべく自分の身は自分で守れよ。そもそも戦闘にならない可能性もあるけどな。とりあえず今日は町に帰って明日敵のところに行くとしようか。」
何とかラスクを説得することができた、今度はライコウモリを説得するときだろう。日が暮れてきていた、太陽が沈んでいる。元の世界でも見ることができた景色だ。なんだか安心することができた。何とか説得してライコウモリを手に入れてやろう。




