前準備
朝になる、暖かな光が窓から入る、異世界に来てから初めてまともにベットで眠ることができた。久しぶりによく眠れた気がする。だめだな今の俺はラスクを信用しすぎている、異世界で俺は一人で生きていく力を身に着けないとラスクに頼りすぎないようにしないと。
「おはよう。」
ラスクが挨拶をしてくる。俺よりも早く起きていたみたいだ。俺が返事をするよりも先にラスクが動く。
「じゃ、さっさと朝食食って、討伐しに行くぞ。」
こいつはなぜか俺よりも行動が早いみたいで生き急いでいるみたいだ。別に俺もさっさと元の世界に帰りたいから早く行動を起こそうとしてくれているのはありがたいんだけど。やっぱりこいつがなんの目的もなしに俺に協力することはおかしい気がする。
朝食を食べながらラスクと話をする。
「ラスクさんってここらへんの場所で有名なんですか?」
「そうだな、最近町の中に入り込んだ魔物を討伐したからな。」
俺のせいで有名だったらしい。そういえば討伐対象に関すること何も聞いていなかったな。
「ライコウモリってどういう種族なんですか?」
「雷の魔法を使用すること以外はお前の世界のコウモリと基本的には同じだと思うぞ、ただ今回の敵は構造変化の魔法を持っているから多分人間も食うぞ。」
そういえば構造変化って具体的にどんな魔法なのか知らないな。
「構造変化ってどういう魔法なんですか、あとどの程度の強さなのか教えてください。」
ラスクは食事の手を止め俺の会話にこたえる。
「構造変化は人間の使用例がない魔法で、主な使用方法は体の構造を変えることだな。体の構造を変化させて巨大化することによって、戦闘能力や知能を上昇させる。あと危険度は1級クラスだから、お前じゃ天地がひっくり返っても勝てないぞ。」
この世界の魔物怖い。それにライコウモリの使用魔法が本当に構造変化じゃなければいいんだけどな。ラスクが討伐してくれるといって、ギルドマスターが安心した理由を理解することができた。待て、俺なぜか討伐についていくことになってるよなこれ。
「あのー、ラスクさん今回私討伐に参加する前提で話していますけど、私足手まといにしかならないと思うんですけど大丈夫なんですか?」
「一切問題はないな、それと何か勘違いしているみたいだから言うけど、今回メインで戦闘するのはお前だぞ。」
こいつ何言ってんだよ、さっき天地がひっくり返っても俺じゃ勝てないって言ったくせに俺にメインの戦闘を任せるって馬鹿なのか。ラスクは普段から深い考えをしている多分理由があるはずだけど、そういえば今回の魔物って手なずけようとしているんだった。
なるほど、俺が戦闘に協力しないときっと魔物は俺に対してではなくラスクにのみ従うということになると面倒だからな、ちゃんと俺の実力を見せろということだろう。
「私に戦闘させる理由は魔物を手なずけるために必要ということであっているでしょうか?」
「正解だな、だけどそれだけじゃないお前元の世界で戦闘経験ほとんどないだろ、俺がいる間は絶対に安全だから戦闘経験つけれるときにつけとけ。」
ラスクは俺がこの世界で生きられるような手助けをしてくれている、本当に助かるだ。いつかはラスクがいなくても一人で元の世界に帰る方法を見つけられるようになろう。そう心の中で決意を固めた。
「それで、今回の討伐だがお前の攻撃は今回の討伐対象相手には一切ダメージを与えられないだろうけど。お前の魔法なら自己防衛くらいならできるはずだ。だから、今回はお前がライコウモリに隙を作れ、俺が攻撃はしてやるから。」
ラスクは攻撃をしてダメージを与える役を担ってくれるみたいだ、確かに俺の魔法だと構造変化を持っているなら、攻撃を入れることができないだろう。正直隙を作って自分で自分を守るだけなら簡単だと思う、いくら知能があっても相手はコウモリだ。
その方法なら俺でも戦うことができると思った。そうだいつもはラスクが俺に対して何も説明せずに、俺を困惑させているから今度は俺が何も説明せずに、相手に隙を作ってラスクが攻撃できなかったことをからかいたいと思った。
一番は俺の攻撃が相手に通用して俺一人で討伐できるといいんだけどな。そう考えると、ラスクが絶望する言葉を吐いてきた。
「あと、構造変化の魔法じゃなければいいという希望はあんまりもたない方がいいぞ、ギルドは調査力が割と高いからな。」
頼む、死にたくないから似ている弱い魔法であってくれと心から願った。




