乗り物
「何止まってるんだよ。さっさと行くぞ。」
ラスクがそう話しかけてくる、俺はうなずいてから歩き始める。元の世界のことを思い出していただけど今することではない、俺は気が緩んでいた。
俺は生きれるならよかった。ラスクがいるならこの世界で簡単に生活できる、それならこの世界で生きるのも悪くないのかもしれない。いや、この世界の魔物に裏切られたことを忘れてはいけない。ラスクは敵か味方かもわからないんだ。
今ここに残ってもいいと思った理由は元の世界の景色だ。なら、やっぱり俺は元の世界に帰りたいんだろうな、なら今は元の世界に戻ることだけ考えよう。絶対に不可能だと思った時その時に考えればいい。
2日間たった、太陽が真上に来るころに町が見えてきた。何度か魔物に襲われたが俺が何かをするまでもなくラスクがすべて殺していたこともあり道中思ったよりも苦労することはなかった。
町の中に入ろうとすると兵士の人たちが話しかける。
「入りたいなら、何らかの身分証の提示をお願いします。」
ラスク俺身分証ないぞ、これ最初から終わっているのではいや、ラスクがどうにかしてくれるだろ。
「これで、いいか?」
ラスクがそういいながら身分証を俺に見せながら提示をする。こいつこの展開が予想できるなら、事前に見せておけよ。心の中で悪態をつきながら、ラスクの身分証を名前や階級の部分を除いてコピーして幻術を作り見せる。
「分かりました、入ってもいいですよ。それにラスクさんが来てくれるなんてよかったです。お連れの人も一緒でいいので少し今から話す時間をくださいませんか?」
ラスクは俺に対して話を聞いてもいいかどうか、目で確認してきた。ここでこいつらを助けると魔物を買うときに楽かもしれないと思い。うなずいていいと答えることにした。
「いいぞ、話を聞いてやる、その代わり後で俺の要望を聞いてほしいのとこいつと一緒に聞くががそれでいいか?」
ラスクも同じことを考えていたらしい。これで魔物が手に入る可能性が上がるだろう。
「ありがとうございます。それでいいですから、ギルドまで案内いたします。」
この町の討伐者ギルドまでやってきた。応接室へと通される。中にはギルドマスターなのだろうか老人が俺たちの前に座っている。
「急で申し訳ないのですが、ラスクさんにお願いがあります。ライコウモリの変異体が現れました。それを討伐していただきたいのです。」
場の雰囲気が一気に変わる。緊迫した雰囲気になるそんな変異体一体でこんな雰囲気になるものなのだろうか。ラスクは何かを期待している様子だ、何を期待しているだろうか。その間にギルドマスターが話を続ける。
「突然変異体は巨大化し、知能が高くなっている報告や洞窟の構造が変化している報告が上がっております。もしかしたら構造変化の魔法を使用する可能性があります。うちの冒険者たちで討伐隊を組んで討伐するつもりでしたが、何人犠牲者が出るかわからない状態です。報酬はたくさんお支払いいたします、討伐していただけるのならありがたいのですが、していただけますでしょうか?」
ラスクは何か思いついた様子でとんでもないことを言い出した。
「じゃあ、捕獲でもいいなら受けますよ。」
こいつそのコウモリを俺の乗り物にしようとしているのかよ!?嘘だろコウモリに乗れるわけないだろ嘘だと言ってくれ。
困惑しながらギルドマスターがラスクに質問をする。
「なぜ、捕獲なら受けるんでしょうか?」
ラスク頼む違う理由を言ってくれ、別の理由があるんだろう。
「いや、こいつが俺と一緒に行動するために、何らかの移動する手段が欲しくってそれにちょうどいいと思ったからだ。」
俺をさしながらそう言う。なんでだよ、馬よりもコウモリに乗る俺の方が想像できないよ。
「ラスクさん!私コウモリに乗れる気がしません、無理です。」
俺はそう全力で否定をするが、ラスクには無駄だった。
「空飛べる方が楽だろ、とりあえずやってみて無理だったら討伐すればいいし、ほかの移動手段を探せばいい。」
何も言えない、ラスクの言っていることは正論だ。でもどうせ成功しないことに挑戦するのは嫌なんだけどな。
「あの、すみません。話している途中で申し訳ないのですが、どうやってコウモリを手なずけるつもりなんでしょうか?可能だと思いませんけど。」
「知能が高いんだったら、脅せばなんとかなるだろ。手なずけるのが無理だったとしても討伐は絶対にするから安心してくれ。」
ギルドマスターは諦めたようだ、だけどラスクが討伐してくれるといったことに安心感を覚えているような様子を見せる、ラスクの実力は信頼されているみたいだ。
「じゃ、明日討伐しに行きますから。」
ラスクがそういって話が終わる、正直ラスクにはいくつか文句を言いたいことがあるが、どんな文句を言ってもこいつは言うことを聞かないだろうし無駄だろう。
俺は異世界で一人で行動し続けるつもりだった。だけどラスクは破天荒な性格だった。




