第24話 — 宝の地図
アリスは怪我をしたふりをして、茂みの中から姿を現した。
入口を見張っていた奴隷商人の一人が剣を抜いた。
「おい! お前は誰だ?」
そいつが一歩前に出た瞬間、俺は後頭部に一撃を叩き込んだ。同時に、フランコももう一人の見張りに正面から攻撃を仕掛けた。
「そっちは大丈夫か、フランコ?」
彼は頷いた。
「よし」
俺はアリスのほうを向いた。
「囚人たちの解放は頼んだぞ」
彼女は頷いた。
それから俺たちは隠れ家へ突入した。道中で何人もの奴隷商人を倒しながら、さらに奥へ進んだ。
地下にはいくつもの牢があり、エルフ、人間、亜人、さらにはドワーフまで、さまざまな種族の囚人が閉じ込められていた。
フランコは吐きそうだというように口元を押さえた。
「この人たちの状況はひどすぎる……もう生きていない人もいる。こんなクズどもは、自分たちの犯した罪の報いを受けるべきだ!」
俺は横目で彼を見た。
「気持ちは分かる、フランコ。何とか冷静になれ。こいつらには、どんな手を使ってでも相応の報いを受けさせる」
俺たちは再び進み始めた。まだ道中には奴隷商人がいたが、それほど苦労せずに対処できた。だが、俺たちの目的は隠れ家のリーダーらしき人物を見つけることだったので、先へ進み続けた。
目の前には、いくつもの松明に照らされた長い廊下が伸びていた。
フランコは道の先を見つめた。
「見つかるかな?」
俺は肩をすくめた。
「どうだろうな、フランコ。先へ進もう。警戒しておけ。見張りの奴隷商人がまだいるかもしれない」
彼は頷いた。
進んでいると、何人かの男たちが現れた。俺たちはそいつらを倒し、さらに進んだ。だが、そいつらは先ほどの連中よりもずっと装備が整っていた――これはいい兆候だ。
小さな階段を見つけ、迷わず下り始めた。最後の段に着くと、フランコが前方を指さした。
「ジュリアス、見て! あの扉……かなり装備の整った奴隷商人が何人か警備してる」
俺はすぐに右側の廊下へ隠れ、フランコは左側に陣取った。男たちの数を数えるため、そっと覗き込んだ。
「入口には戦士が四人いる。フランコ、二人を頼む。残り二人は俺がやる」
彼の表情が引き締まった。
「了解」
だが、俺たちが動く前に扉が開いた。
奴隷商人の一人が姿を現し、状況を報告し始めた。
「ボス、大変です! 俺たちは包囲されています!」
上品な服を着た小柄な男の表情が、明らかな怒りへと変わった。
「何があった?」
「冒険者らしき男が二人、上にいる連中を次々と倒しています。ボス、早く! 今すぐここを出ないと!」
リーダーは険しい顔のまま頷いた。
俺はフランコに向かって三本の指を立てた。
三……二……一!
俺は右側から飛び出し、フランコは左側から攻撃した。
最初の男を縦斬りで倒した。続いて、その仲間が休む間もなく攻撃してきた。俺はすべての攻撃をかわし、横薙ぎの一撃で反撃した。
フランコを見ると、彼はすでに敵の一人を倒していた。残るはあと一人だ。
俺は最後から二番目の戦士へ突っ込んだ。そいつは反射的に防御し、俺たちの剣が交差した。
「フランコ、今だ!」
フランコが飛び込み、敵に蹴りを叩き込んだ。その威力で男は吹き飛び、事務室の扉のそばで止まった。
俺は剣を鞘へ収めた。
「ここは片付いたな。あとはボスだけだ」
フランコはリーダーの襟首をつかんだ。
「こいつをどうする、ジュリアス?」
「決まってるだろ。首都へ連行して拘束する。そこで自分の犯した罪について裁きを受けさせる」
フランコは拳を握りしめたが、何とか落ち着きを取り戻した。
「分かった」
彼が奴隷商人のリーダーを縛っている間、俺は事務室で書類を探し、ほかにも隠れ家があるのか情報を集めていた。男は何度も賄賂を持ちかけてきたが、俺は腐敗した人間とは程遠い。フランコについては、その表情を見れば、リーダーの首が床を転がるところを見たいだけなのが簡単に分かった。
棚の最後の引き出しを開け、中身を探り始めた。その時、レノの森の地図を見つけた。信じられないことに、そこには**「宝の地図」**と書かれていた。
X印が三つあり、どれもこの近くにあった。
俺は地図をリーダーの目の前に掲げた。
「これはどういう意味だ?」
男は顔を横に向け、むすっとした表情のまま目を閉じた。何も答えなかった。
「へえ、そういう態度か。いいだろう。自分の目で確かめてやる。どうせ、どの場所もすぐ近くだからな」
リーダーは目を見開き、止めどなく汗をかき始めた。
*こいつの反応を見る限り、あの場所には何か重要なものがあるはずだ。それに近くにあるんだから、見に行ってみよう。*
俺たちは隠れ家の入口へ戻った。アリスはすでに囚人たちを解放しており、どうやら立っていられる奴隷商人は一人も残っていなかった。生き残った奴らは縛られ、捕縛されるのを待っていた。
俺はフランコとアリスのほうを向いた。
「頼みがある。俺が地図に印のある場所を調べに行く間、どちらか一人が首都の衛兵を呼びに行って、兵士の部隊をここへ送るよう頼んでくれ」
アリスが一歩前に出た。
「私に任せてください、ジュリアスさん」
俺は小さく笑った。
「よし。森では気をつけろよ、アリス」
彼女は頷き、俺の馬に乗った。
それから、もう一度地図に目を落とした。
あとは、あの場所に何があるのかを確かめるだけだ。




