↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/26

第23話 — 静かな森

カグラからレノの森を調査するよう命じられた俺は、王宮の馬を借りて現地へ向かった。到着すると、主要な街道から森へ入り、そのまま奥へと進んだ。


何かがおかしかった。道の半分ほどまで来ていたのに、魔物が一匹も現れない。ゴブリンですら襲ってこなかった。


俺は進み続けた。森の奥へ入れば入るほど、不安が募っていく。まるで誰かが、この地域の魔物をすべて始末したかのようだった。


その時、森の奥から人間の叫び声が響いた。


俺は眉をひそめ、声のした方へ馬を走らせた。


「来い! 来い!」


現場に着くと、二人の冒険者が巨大な紫色の蛇と戦っていた。Cランクの魔物だ。少女は地面に倒れており、仲間の剣士が彼女を守ろうとしていた。


俺は馬から降り、剣を抜いて迷わず駆け出した。


蛇が俺に向かって飛びかかり、噛みつこうとした。俺は左へかわす。蛇が再び襲いかかり、今度は右へ身をかわした。


十分に近づいたところで跳び上がり、上から斬り下ろして、蛇の首を落とした。


「ザシュッ!」


蛇の身体はゆっくりと消えていき、最後には魔核だけが残った。


俺は魔物の残骸が消えていくのを数秒見つめた。


*こいつが、森のほかの魔物を食い荒らしていたのか?*


剣を鞘へ収め、冒険者たちのところへ歩いていった。


「二人とも、大丈夫か?」


地面に座ったままのツインテールの少女が、心からほっとしたような笑みを浮かべた。


「はい! 助けてくださってありがとうございます!」


緑色の髪の剣士は自分の剣を鞘へ収め、蛇の魔核を拾い上げて俺に差し出した。


「こちらです、あなた。そして命を救ってくださってありがとうございます! 失礼しました……まだ自己紹介もしていませんでしたね。僕はフランコ、こちらは仲間のアリスです」


「会えてうれしいよ。俺はジュリアスだ」


自己紹介を終えると、俺は魔核をフランコに返した。


「それは君が持っていな。装備を強化する足しになるだろう」


それから二人を見た。


「ところで、君たちみたいに若い冒険者が、どうしてこんな危険な森にいるんだ? 二人とも、まだ十六歳にもなっていないだろう」


フランコは、自分はDランクの冒険者で、Eランク冒険者のアリスとパーティーを組んでいると説明した。彼女の薬草採取の依頼に同行しながら、弱い魔物を狩り、その魔核を売って小遣いを稼ぐつもりだったらしい。


ところが、入口付近では魔物が見つからず、アリスが探していた薬草もまだ見つかっていなかった。そのため、二人は森のさらに奥へ進むことにしたのだという。


俺は、王国の騎士であり、国王の命令による秘密任務を遂行していると二人に伝えた。それから、気をつけるよう忠告した。この森では、人が行方不明になることがよくあるのだ。


俺は背を向けた。


*最近の新人冒険者ときたら……*


再び馬に乗ったが、出発する前にフランコが馬の前へ回り込み、俺の進路を塞いだ。


「待ってください! ジュリアスさん、待って!」


俺は眉をひそめた。


「ん? どうした、小僧?」


「僕たちも一緒に行っていいですか? アリスが依頼を終えるまででいいんです! あなたの秘密任務の邪魔はしないと約束します。迷惑はかけません!」


アリスも仲間のそばへ来て、手を合わせながら懇願した。


「ジュリアスさん、お願いします! 一緒に連れていってください!」


俺はため息をついた。


「分かった。じゃあ行こう」


二人は満面の笑みを浮かべた。


俺たちは一緒に森の奥へ進んだ。途中で何匹か魔物が現れたが、フランコが片づけた。Dランクにしては、将来有望な剣士だ。その腕前には感心した。


ある時、アリスが前方を指さした。


「ジュリアスさん、あそこです! 私が探していた薬草です!」


俺は眉をひそめ、彼女が指さした方を見た。


「それなら、採取しよう」


目的の場所に着くと、目を上げた先に大きな洞窟があった。入口には二人の男が見張りとして立っている。そのそばには、さまざまな種族の子供たちが鎖につながれ、ぎっしり乗せられた荷車があった。


フランコとアリスがその光景を目にした瞬間、俺は二人に静かにするよう合図した。


フランコは怒りに震え、拳を握りしめた。


「くそっ、奴隷商人ども……! どうします、ジュリアスさん? ギルドに知らせるべきです!」


俺は隠れ家の入口を見据えたまま答えた。


「奴らと戦う」


少し間を置いた。


「作戦がある……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。