第14話 アサシンどもが調子に乗り出した
粗大ゴミうんこのアサシンどもは、速やかに仕事を遂行した。
「窒素隊長! 今日も巨大C嫌酸派を殺してきました!」
そう言って嬉しそうに海から湧いてくる粗大ゴミうんこのアサシンども。
僕はうんこどもの健気さと有能さに満足した。
「その調子でやってくれ。それから海中調査もよろしく」
「承知しました!」
粗大ゴミうんこたちは、今日も海に向かっていく。
僕はそれを、同志窒素たちと悠々と眺めていた。
あのアサシンどものおかげで、僕たち窒素同志のための世界平和は安泰だ。しかも近頃は粗大ゴミのうんこたちが増えてきているおかげで、海中の巨大C嫌酸派の弱体化が着実に進んでいる。
そしてついに素晴らしい成果を上げた。
「窒素隊長! 遂にやりましたよ! 巨大C嫌酸派を駆逐しました!」
「素晴らしい! これで地球から生命は消え去った!」
僕は高らかに宣言した。
しかしアサシンうんこどもは、首を傾げるように巨体をもぞもぞさせた。
「生命は消えてませんよ?」
「は? だって巨大C嫌酸派を絶滅させたんじゃないのか?」
「ええまぁ多分」アサシンうんこは急に歯切れ悪くなった。「でも最近海では私たちのファンが増えてまして」
「ファン?」アサシンうんこなのに?
「そうなんです!」アサシンうんこの一人が嬉しそうに言った。「私たちがいると仮想通貨ATPのレートが上がって、コスパ良く活き活き出来るみたいなんです! QOL上がったとか!」
「待った。お前たち、海の中で何やってるんだ? 海中焦土作戦はどうなった?」
「海中焦土作戦? そんなの言われてませんよ?」とアサシンうんこの一人。
「命令通り巨大C嫌酸派をやっつけたから、ファンたちと握手会してました」と別のアサシンうんこ。
「握手会だと! お前たち、使命を忘れて敵とにゃんにゃんやってるのか!」
「隊長! ファンは敵ではありません!」と新たなアサシンうんこ。「私たちを支えるファンクラブを悪く言わないで下さい!」
なんてことだ!
アサシンうんこどもは、使命を忘れるだけでなく、朝敵である細胞たちとまさかの不純交遊をしていた! そんなのただのうんこじゃないか!
「しかも凄いんですよ、ふふふ! ファンたちは二酸化炭素のセクハラオヤビンを退治してくれるんです」
「なんだって?」まさかあのクソデブをやっつける輩がいるのか?
「ファンたちはオヤビンのトレードマークのCを簡単に取り上げるんですよ!」
これは……喜ばしいことなのか?
まさか細胞どもが、犯罪組織グループCの解体作業をしているとは。
「で、お前たちのパパ活相手は取り上げたCをどうしてるんだ?」
「パパ活相手じゃないですぅ、ファンですぅ!」
アサシンうんこどもは、むぅと膨れた。
「ファンたちはそれを活動資金にしています、生命の! ついでに私たちの仲間を増やしてくれるんですよ!」
「待った。整理させてくれ」
混乱してきた僕は、アサシンうんこどもを黙らせた。
「つまり、お前たちは海に行って細胞を駆逐するはずが、奴らといかがわしい握手会してホテルにしけ込んでいる」
「いかがわしくないですぅ」とアサシンうんこ。
「で? お前たちは奴らにくそデブ二酸化炭素を食わしている」
「食べさせてないですよぅ。ファンたちのごく普通のランチです」
「で? 奴らはランチを食った後、またお前たちをうんこする」
「違いますぅ! 生むんですぅ! 産出!」
「産出! つまり不純交遊じゃないか!」
なんてことだ!
大気中のアサシン粗大ゴミうんこが増えて細胞どもを駆逐してくれると思いきや、まさかアサシンうんこどもが細胞から生まれたものだったとは!
結局ただのうんこ集団のゴミじゃないか!
「お前たちは結局地球平和に寄与してない! 海に帰れ! 大気に出てくるな!」
「心外です、窒素隊長! 私たち以上に地球の平和を守っているものはいないんですよ?」
「黙れ! 地球の平和は窒素のものだ! 窒素の固い結束こそ正義!」
「いいえ!」
粗大ゴミのアサシンうんこどもは、高く舞い上がってフォーメーションチェンジした。
アサシンどもは、空の高いところで三連うんこを作った。
「何だそれは!」
三連うんこは高らかに言った。
「オゾンです!」
(※作者の思考とは別物です)
(※酸素はうんこじゃないので、呼吸はやめないで下さい)
(※シアノバクテリアの光合成によって海中酸素濃度が増えると、酸素を好む好気性生物が増え始めます。一方嫌気性生物は減っていき、24億年前に大量絶滅したと考えられています)
(※現在の肉眼レベルの生物は基本的に好気性生物です。これを読んだあなたもうんこの……酸素のファンクラブ会員です)
(※光合成では、取り込んだ二酸化炭素から有機物を作ります。作られた糖などが、ATP生成に利用されます)
(※酸素O2は、紫外線照射によってオゾンO3を生成します。O2×3→O3×2です。チートイツがトイトイみたいな)
(※地球は三連うんこで守られているわけではありませんが、オゾンそのものはうんこ以上に危険な物質です)




