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第10話 水蒸気を撲滅し第一党になった

 僕はその後も同志を探し続けた。

 そして何度も何度も水蒸気と戦った。しかしやつは、プラナリアみたいに何度も何度も再生する!

 たまにハーレムで浮かれぽんちの炭素にも体当たりした。あいつはマジでくそデブだ!

 一体どこだ?

 一体どこにいれば仲間がいる!?


 だが僕は焦ってはいなかった。

 何故なら僕たち窒素は、非常に安定したNとNの結束がそれぞれにある。つまりそれは、何にも揺るがない固い精神ということだ。いかにバランスボールの水蒸気が僕たちを分断しようと、いかにくそデブの炭素がハーレム見せつけて来ようと、僕らの世界平和を望む強い心は決して折れない!!


 そして僕には分かっていた。

 僕たち窒素が寄り集まり守りを固めたら、水蒸気や炭素どもにはどうすることもできないのだと。

 そうだ! みんなで寄り集まってハトを作ろう。

 世界はラブアンドピースだ!


 僕のそんな熱い願いが届いたのだろうか?

 水蒸気のバランスボールが、次第に減っていく。

 そして隔離されていた窒素同志が、次々と解放された!

 僕たちみんなの平和への熱い願いが届いたんだ……!


 しかもそれだけではない。

 今まで隔離され孤立していたというのに、我が同志たちは大したものだった。みんな堂々と構えて現れた。何一つ、僕たちは間違っていなかったというように。


 僕たちそれぞれが持つ固い三つの手。

 各々がただそれを、固く結び合っていただけだ。

 非暴力運動は、遂に水蒸気を駆逐した!


 そして僕たちは、僕たちの地球を取り戻した!

 

「地球の大気は、僕たち窒素のものだ!!」


 僕がそう高らかに言うと、クールな同志はこう言った。


「大気はな」


 同志と僕は下を向いた。

 地表の赤が、薄まっていた。

(※作者の思考とは別物です)

(※大気中の水蒸気をやっつけられるわけがないし、蒸発しない限りプラナリアみたいに増殖しません)

(※窒素に陣形は組めません)

(※原始地球はマグマに覆われ、隕石の衝突エネルギー等で高温状態だったのですが、隕石の衝突が次第に減ることによってゆっくりと冷却していき、大気中の水蒸気が雨になって海になっていったと推定されています)

(※窒素分子に思想はありません)

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