第8話:二人の後輩
春休みが終わってすぐ、新一年生の入学式の日、俺達を含む全校生徒が集まった。
「校長先生ってどの人だっけ」
「あのハゲてる人じゃない?」
「違う違う。校長先生はあの髪も髭もフサフサの人だよ。ハゲてる先生は、教頭先生だよ。二人は途中から来たから知らないんだったね」
「もしかしたら校長が教頭の髪を奪って自分の髪にしたのかもね。だったらすごい面白いけど」
あんまり大きな声で言うなよ。
「萌黄、超能力者がいないか探してくれ」
「分かったわ。...超能力者は私を入れて6人...なんで宗一から気配が見えるの?」
「...言い忘れてた。後で説明する」
「とりあえず私達以外に二人いるわ。学年は、一年生ね。クラスは同じで二人で何か話しているわ。
一希、二人を勧誘するという事でいいのね?」
「ああ、ただ敵がいる事が明確になった今、あの二人を迂闊に信用する事はできない。尾行するか」
「又の名をストーカー」
「又の名を不審者ね。そんなのやりたい人いるの?」
「...確かに。尾行はやめよう。そう言えば春休みは誰も襲われ無かったんだな」
「どう考えてもおかしいけどもう終わった事だしどうしようもないわね」
「もう何も無いとか?」
「...有り得なくはないんじゃない?その方が今はありがたいね」
放課後、人気のない教室に3人の影が現れる。俺と、超能力者である男女だ。4人だとビビるだろうという事で俺一人で勧誘することになった。
「どうしましたか。僕たちが何かしましたか?」
一人でもダメか。
「別に君たちに文句が言いたかったわけじゃないよ。...俺は超能力者だ。君たちもそうだろ?」
「...どうしてそう思うんですか?」
「俺の仲間が教えてくれたんだ。君たちの力が必要だ」
「なるほど......先輩の言う通り、僕たちは超能力を持っています。
どうして僕たちが必要なのか、教えて下さい」
なかなか勇敢な奴だな。もう一人の女子は俺と喋っている男子の後ろに隠れている。
そんなに怖い?と思いながら俺は今までのことを話した。
「レボルは信じられるんですか?」
「レボルが嘘をついていた可能性、例えばレボルが政府の人間だった場合、これはありえない。俺たちを騙す理由がない。
別に何もしていないし俺たちを勧誘したかったとしてももっと違う方法を取れたはずだ。
次にレボルの組織が犯罪組織だった場合、政府に敵意を持っているだろうし戦力を集めたかった可能性もある。
でも地震が自然に起きたものではない以上、政府が起こしていないならレボルが起こしたことになる。その場合俺たちが死ぬ可能性もある。それはおかしいだろ?
レボルを信じなければ進むことができないし、いったん信じることにしている」
「でも、レボルがあえてわざと地震を起こした可能性もありますよね」
「その可能性もあるがそうする必要が分からない以上、信じるしかない」
「...分かりました。レボルが正しかった場合、僕たちも他人事では無いですね。先輩の仲間に加わります」
「俺は露草一希だ。君たちは?」
「僕は藤黄和です」
(...私は谷川葵です。よろしくお願いします)
頭に直接聞こえる声。これはもしかして...
「葵はテレパシーが使えるんです。僕は生き物にお願いができます」
「操るってこと?」
「いえ、僕が生き物にお願いをして聞いてもらうという感じです」
「ごめん。悪気は無かったんだ」
「大丈夫です。気にしてないので」
二人の後輩が仲間になった。俺はもう少し相手の気持ちを考えようと反省しながら学校を出た。
「というわけで仲間になった藤黄と谷川だ。俺達も6人になった。そろそろレボルの言っていた場所に向かうつもりだ。
だがそこで一つ問題がある。宗一と凛が能力を教えてくれない」
「ごめん、忘れてた」
「私も。聞かれなかったからそこはプライバシーの権利があるのかなって思ってた」
「お前らにプライバシーの権利はない!」
「「え〜!?︎」」
「えー」
やべ。
「冗談だ。ごめんなさい。萌黄、その冷めた目つきやめて。怖い」
やらかした。もう少し相手の気持ちを考えるって反省してたはずなのに!
「俺は身体能力の向上、かな。親父がくれた能力なんだ。」
「私は水を生み出す能力だよ。大量に出せるよ」
凛は手の上に水のボールを出して見せた。
「なるほど、ありがとう。今後の作戦に役立つよ」
(みなさん、聞こえますか?藤黄です)
「わ!?︎」
(谷川の能力じゃなかったっけ?)
(葵はテレパシーのネットワークを作る能力なので今のように6人をいっぺんに繋げる事もできるんです)
(これは便利だな。人目を気にして話す必要がなくなった)
(テストも教えてもらいながら解けるしね。)
(絶対やるなよ)
こうして俺達6人は更に仲を深めていった。
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