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LEVEL5 〜超能力を巡る戦いの記録〜  作者: 更待クロム
第1章:政府革命編
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第5話:日常と非日常

緊迫とした昨日とは打って変わっていつもの朝、萌黄と凛には当分は何もしないように言っている。


仲間を増やすのも一筋縄ではいかない。信頼できる仲間を見つけなければならないからな。


つまり同じ目的を持つ可能性が高い超能力者を仲間にするべきなのだがそうたくさんいるわけがない。


それに震災の被害に遭っていない凛には手紙は来ていなかったらしい。他の超能力者も乗り気になってくれるとは限らないのだ。


結局しばらくはすることがなくなってしまった。これからどうするか考えながら俺はアパートの玄関を出た。


「わっ!」


「わー!!︎」


「おはよう、あいかわらずビビり過ぎ。同じアパートに住んでたんだね。

これからもよろしくね」


「マジか」


萌黄だった。すごい偶然だな。


学校に向かって歩いていると後ろから凛が走ってきた。


「おっはー!昨日のリブちゃんの生配信見た?やっぱり可愛いよね〜。

声かな?なんというかオーラが可愛いのよね」


急に聞いた事もない人の話が始まった。


「見たよ」


気がつくと宗一が隣にいた。


「おはよう。一希はミーチューブとか見ないからな。結構有名だけど。

凛は涼風さんと仲良くなれたんだな。俺は海棠宗一だ。よろしく」


「人を馬鹿にする奴は嫌いだわ」


「第一印象は最悪だね〜♪」


煽るな煽るな。


宗一は苦々しい顔になる。


「凛は黙っとけ」


「あと、私もそんな人知らないわね」


「まあまあ落ち着いて」


学校が見えてきた時だった。


「私、忘れ物を思い出したから取ってくる」


「わかった。萌黄、先に行ってるぞ」


「ああいう子でも忘れ物するんだな」


「まあね。萌黄ちゃんも実はそういうところがあるって言う事私は知ってるからね」


凛は何故かドヤ顔だ。


萌黄、お前ボロクソ言われてるぞ。


◆◆◆


私、涼風萌黄は背中に視線を感じた。誰かが私を観察している?まさか警察が捕まえに?


そう、私は人を殺した。いくら恨んでいたにしろ殺人は許されざる行為。


ましてや人違いとはとんだ恥ね。


「私、忘れ物を思い出したから取ってくる」


「わかった。萌黄、先に行ってるぞ」


もう人は殺さない。でも捕まるつもりもない。


「どなたですか?ついて来るなら通報しますよ。」


すると物影から五十代ほどの男が現れた。


「その通報を受けて私が来たのだが。君が涼風萌黄か。

君には20時17分、『山海の宿』というホテルでの殺人の疑いが掛かっている。

取り調べのため、身柄を確保させてもらおう。」


私服警察かな。確か警察は警察手帳だっけ?あれを見せるはずだけど。


どうも怪しいわね。


「貴方は本当に警察ですか?警察手帳を見せてください」


「...やれやれ。上からは偽造の許可が出ていなくてね。演技をさせてもらったがバレてしまっては仕方がない。

私は内閣府特務防衛審議会実働部隊の杉原だ。素直に従ってくれれば手荒な真似はしない。

これは国のため、君のお友達のため、そして君自身のためでもあるのだ。

君とて知られたくはないだろう?」


「従うはずがないでしょう。そんなに秘密にしたいなら指名手配だってできないですよね?

私は今捕まるつもりはありません」


「そうか、残念だ。お前ら、あいつを捕えろ」


杉原の合図とともに5人の男が姿を現す。


隠れていた!?︎計6人か。


隊服を着た5人は腰に警棒の様なものをつけていた。出て来るなり素早く萌黄を囲み、捕まえようと手を伸ばして来る。


「ウッ!」


萌黄は一人の腹を蹴ると同時に警棒をひったくり、あっという間に残り四人を叩きのめして気絶させた。


「「ぐあっ!」」


そのまま萌黄は杉原に向けて走り出す。


「まったく、あまり暴れてくれるなよ」


杉原は萌黄が接近してもなお、余裕の態度を崩さない。


次の瞬間


「バシッ!」


と音が鳴った。


蹴りで警棒が弾かれた!?︎武器がなくなった!


そこからは一方的だった。


殴りかかっても全て受け流され、お返しのパンチを喰らい地面に手をついてしまった。


「諦めるんだな。これ以上暴れると罪が重くなるぞ」


「クソッ!」


勝てない。...捕まる!


その時だった。


突然萌黄が手から落とした警棒が浮いた。


「何っ!」


警棒は高速で杉原に向かって行き勢いよく眉間にぶつかる。


「グハッ!」


そのまま杉原は倒れて気絶した。


「萌黄、大丈夫か!」


「一希君!ありがとう」


曲がり角からは凛と驚いた顔の宗一が覗いていた。


◆◆◆


昼休み、俺達は4人で弁当を食べる。


「一希、これって夢?」


「違うよ」


「これってアニメの世界じゃないの!?あり得ないでしょ!」


俺は今までの事を包み隠さず話した。どうせ聞かれるので旅館の時の事も話した。


「そんなことが...確かに許せないな。」


「萌黄ちゃんが怒るのも当たり前だよ!」


「...誰も、私を責めないのね。嫌われてもおかしくないのに」


「そんなに気にしなくて大丈夫だよ。俺たちも政府に刃向かう時点で犯罪者みたいなものだから、一緒だよ」


「...3人とも、ありがとう」


「ところでさっきのアイツ等は誰だ?」


「内閣府特務防衛審議会の実働部隊と名乗っていたわ。政府の裏組織って事でしょうね」


「その中に地震を起こした元凶がいる可能性が高いな」


「リーダーの杉原は暴れると罪が重くなると言っていたわ。当たり前だけどまた追っ手は来るわね」


それにしてもなぜ萌黄が人を殺したってバレたんだろう。


あ!そう言えば!


「あいつらまだ倒れてるのか!見つかったらやばいぞ」


もう学校にはとっくに着いてしまっている。


「俺が見に行こうか?」


「いや、宗一、帰りに4人で行こう」


俺は嫌な予感がした。


帰り、4人で行ってみると誰もおらず、ニュースにもなっていなかった。


「誰もいないね。いつ逃げたんだろう」


凛の言う通り、いつ逃げたのか。


まったく人が通らないわけでもない場所に6人の大人が倒れていたら、すぐ見つかってニュースになるはずだ。


なっていないと言うことは、おそらく...


「何者かがずっと私たちを見張っていたのかしら」


「そうだな、きっと今も俺たちを見ている」


「それってやばくないか!?今喋っているのも聞かれてるんじゃ...」


「それはわからない。声は聞こえていない可能性もある」


宗一が一人で行かなくてよかった。一人だけになった後捕まっていたかも知れない。


なんとも言えない緊張感が漂う。


張り詰めた空気の中、俺達は改めて政府と戦う覚悟を決めた。

ここまで読んでいただきありがとうございます。7時30分に毎日投稿中です。

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