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LEVEL5 〜超能力を巡る戦いの記録〜  作者: 更待クロム
第1章:政府革命編
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第35話:体験と決心 完結編

私達は巨大なビルの目の前に着陸した。


「ここは...」


「国家機関だからな。当然ビルも大きい」


私達はビルの中に入り、奥へと進んだ。


先生は厳重そうな扉の前で止まると、鍵を取り出し、扉を開けた。


奥は薄暗く、階段を下った先には更にセキュリティが高い扉がある。


先生はカードと暗証番号、顔認証を使い2つ目の扉を開けた。


「かなり厳重ですね」


「異能の存在は国家機密だ。万が一でも知れ渡るような事があってはならない」


中は通路になっており、たくさんの部屋に繋がっていた。


先生はそのうちの一つに入ると、中の警備員に男を渡した。


「隊長!お疲れ様です!」


「ああ、後で情報局に渡しておいてくれ」



先生は私に特審の事、SOPの事について教えてくれた。


「コーヒー、飲めるか?」


「はい。ブラックもいけます」


「ガコンッ」


私は先生に奢ってもらったコーヒーを飲んで一息ついた。


「本当に入るのか?」


「はい。先生の役に立ちたいんです。それに、今の日本にはたくさんの犯罪組織があるんですよね?


私は子供達にそんな事考えないで欲しい。日本の闇を肌で感じて欲しくないんです。


ところで、先生は何故教師に?」


「俺は、...子供が好きなんだ。教えることよりもな。


お前と同じだ。俺は子供達の未来を壊したくない。そのために特審に入った」


「序列1位が先生なら、特審は安泰ですね」


「でも涼風さんの後継者だった海棠も辞めてしまったからな。息子さんと二人暮らしで忙しいらしい。


その結果隊長は俺と生成だけだ」


先生はため息をつくと私を見た。


「俺が稽古をつけよう。姫乃のSOPを十全に活かせる戦い方を俺が教え込む。


2年後に俺が出す試験に合格したら、特別に隊長にしてやろう」


次の日から私の稽古は始まった。


ほぼ毎日先生の稽古を受けていたが、教師になるための勉強も続けた。



そして2年後、私は国家試験を受け、見事合格した。


「黒鳶先生!合格できました!」


私は先生に合格通知をみせた。


「やったな!盛大に祝いたいところだが、今日が隊長になるための試験日だ」


「はい。今日のためにずっと稽古してきましたから」


ビルの地下にある稽古場にて、私と先生は向かい合った。


「試験の合格条件は、俺に一撃を入れる事だ。今回は武器の使用は禁止、お互い素手で戦う。


制限時間は5分だ。俺からは攻撃せず、姫乃の攻撃を防ぎ続ける。


姫乃が動いたら、始めの合図とする。いつでも来い」


私は稽古で先生が言ったことを思い出した。


相手が慣れる前に倒す。


私の場合、発動条件があるテレポートをどれだけ連続で出せるかが勝敗を分ける。


私は作戦を考えると、走り出した。


「バシッ!」


私の拳を先生が防ぐ。


「バシッ!バシッ!」


続けて繰り出す私の拳を先生は次々といなした。


先生が私の動きが単調だと感じてきたタイミングで私は一発の拳に全体重をかけた。


予想通り先生は簡単に拳をいなし、私は転んだ。


しかし、これこそが私の作戦だった。


体が床につくと同時に私は先生の真後ろの空中にテレポートし、先生の頭に蹴りを入れようとした。


しかし、先生はそれを読んでいたのか頭に手をやり蹴りを防いだ。


「バシィッ!」


私は蹴る反動を使いわざと後ろの壁に向かって吹き飛んだ。


再び来る私の奇襲に備え、先生は後ろを警戒した。


一撃目の奇襲が完全に死角だったために、先生は私が死角からしか来ないと思い込んでしまったのだ。


私は壁にぶつかると同時に先生の目の前にテレポートすると、勢いをつけたまま先生の腹に拳を叩き込んだ。


「ドンッ!」


先生は少しよろけたが、何事もなかったかのように私の方を向いた。


「おめでとう、試験は合格だ。よくやった、姫乃。今日からお前は、実働部隊の隊長だ」


私は生成を抜かし序列2位になった。



後々紅葉と凛に抜かされる事になるけど、


私は二人の実力を認めていたし、別に序列にこだわってもいなかった。


私の教え子達が殺されると聞いた時は、間一髪で萌黄と生成の間に入り、


萌黄に触れながら生成の爆発を自分が先に受ける事で私と萌黄はテレポートに成功した。


萌黄が気を失ったので、私は近くの病院のベッドに連れて行った。


テミスの処遇についての会議が終わった後、私は前を歩く先生の後ろ姿を見ながら考えた。


先生はあくまで公平な立場から見ていたが、先生の事だ。


最初からあの子達が助かる道を考え続けていたに違いない。その上で、みんなが納得するように私に説明させたんだ。


忙しそうに提出された学校の課題に目を通す先生を見て、これからも先生について行こうと、私は心に決めた。

ここまで読んでいただきありがとうございます。次回の投稿は10月12日の19:30です。


皆様、お疲れ様です。次回からついに物語が動き出します。ぜひ読んでみてください。

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