第3話:涼風萌黄との出会い
休日だ!
最近ずっと強いとか勝つとか物騒なことを考えていて疲れたな。ファンタジーみたいで現実だと思えないんだよな。
ちょうどこの前旅館の抽選が当たったからそこでゆっくりするか。山海の宿という名前でそこそこ有名らしい。テレビで見たこともあるしな。
県をまたいだが県境に近かったためか意外と近かった。
しっかし近くにこんな綺麗なところがあるなんて知らなかったな。ご馳走に温泉、さらに露天風呂から絶景が見える。これは人気になるわ。
俺は温泉からあがって部屋に戻ろうとしていた。
その時だ。
「パァーン」
という音が旅館中に鳴り響いた。
「まさか...銃声か!?︎」旅行中にこんな事になるとは思わなかった。銃声がした場所がかなり近いぞ。
早くここから離れようと俺は走り出した。しかし運悪く例の現場に来てしまったのだ。
人が倒れているぞ。まずいな。
あれは、総理大臣!?︎...に似てる人か。
その時、俺には一瞬人影が見えた。
殺される!
逃げようとした瞬間、首筋に何か気配を感じた。
刃物!?︎もう一人いたのか!?︎死ぬ...
その時そいつが喋った。
「殺そうかと思ったけど...お前、何者?」
...は?何言ってるんだ。まだ能力は使っていないぞ。
とにかくコイツを怒らせないようにしないと。今は時間を稼ぐしかない。
「な、何を言ってるんですか?一般人ですよ。できれば逃してくれませんか?」
「お前から不穏な気配がする。言いたくないならいいわ。殺したい奴は殺せたし」
「あの、あなたたちは犯罪組織ですか?」
「君、勇気あるね。勘違いしてるようだけど私一人よ。それと、今回のことは誰にも言わないでね」
そう言って彼女は去っていった。
...それよりこの状況はまずい。見つかったら色々面倒くさいぞ。
慌てて俺は館から逃げ出した。
犯罪組織かは教えてくれなかったな。まあ違うんだろうけど。彼女は計画的に殺したのだろうか。それとも偶然「殺したい奴」がいたのだろうか。
もう休日が終わる。明日から学校か。
俺は憂鬱になりながら床についた。
次の日、俺は新しい友達の海棠宗一と登校していた。
「休日はどこか行った?」
「俺は山に登ったんだ。一希はどこに行ったの?」
「俺は...ずっと家にいたよ」
「ふーん、気分転換も大事だよ」
「...気をつけるよ」
殺人事件の現場にいたとは言えない。
「おはよう一希!この前のテスト、点数めっちゃ上がったよ!」
「凛、また一希に教えてもらってただろ。一希の勉強時間を削るのは駄目だぞ」
「な、なによソーイチ。一緒に勉強したからノーカンだもん。たまにわからないところを教えてもらっただけよ」
「ソーイチじゃない!俺はむねかずだ。紛らわしいからヤメロ。一希、お前凛に邪魔されてないか?」
あんまり気にしてないけどな。
「大丈夫だよ。やりたくてやってるんだし」
「それより二人とも!ニュースニュース!最近涼風萌黄って言う子が転校して来たらしいんだけど、その萌黄ちゃんが結構かわいいらしいの。ちょっと見に行かない?」
「.........」
「ちょっと、行かないの?」
「...でも、ねぇ?」
「そんなんだから点数が取れないんだよ」
「え〜!男子は興味ないの?意外だな〜」
「逆になんでお前は興味あるんだよ」
「理由なんていらないでしょ。ほら行こ行こ」
結局俺達はその転校生を見に行く事になった。俺も聞いたことはあるが正直別の教室に行くほどではないと思う。
行ってみると転校生の席にたくさん人が集まっていた。
「人気あるんだね。話しかけてみよっと」
まじか。行動力すごいな。
「萌黄ちゃん。私は平坂凛。隣のクラスなんだ。よろしくね」
「そうなの、よろしく」
凛が冷たくされてる。やっぱり隣のクラスから来られるのは怖いよな。
「ちょっと失礼。少しお手洗いに...え?」
涼風さんと目が合うと俺は動けなくなった。涼風萌黄はあの時の彼女だったのだ。
「君、ちょっとこっちに来て」
と言い彼女は俺を校舎裏に連れ出した。




