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LEVEL5 〜超能力を巡る戦いの記録〜  作者: 更待クロム
第1章:政府革命編
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第28話:二人の隊長 前編

和が2人の隊長と鉢合わせたとき、俺達も和を見つけていた。


「あれは凛!と、姫乃先生!?︎」


二人は特徴的な隊服を着ていた。


「萌黄の予想が正しかったみたいだな」


「そうね。目的はサルスの駆除?それとも私達が狙いかしら?」


「とりあえず、和を助けるぞ!」


スカイドラゴンを急降下させ、俺達は2人の前に立ちはだかった。


「涼風先輩!生きていたんですね!」


「?...なんのこと?」


和はいつの事を言ってるんだろう。誰もピンときていなかった。


俺達は凛の方へ向き直った。


「萌黄ちゃん!久しぶりだね!」


凛が萌黄に笑顔を向ける。


萌黄は無表情のまま、凛に質問を投げかける。


「凛、...あなたは本当に、私達を裏切ったの?」


それを聞いた凛は不満そうな顔になった。


「だから言ってるじゃん。萌黄ちゃん達を裏切ったわけじゃないって。


私は元々特審の隊長だったし、殺そうとしたのも命令だから仕方なかったのよ」


「じゃあ俺達を見逃してくれるのか?」


俺は凛に一応聞いてみる。



「それはできないわ。私達は特審として、犯罪者に然るべき対応をとらなければならない。


あなた達が極悪で無いとしても、その身柄を確保させてもらうわよ」


凛の代わりに姫乃先生が答えた。


「ん?俺達を殺したいんじゃなかったのか?」


俺も疑問に思ったことを宗一が聞いた。


「あなた達は私の生徒よ。殺したいわけないじゃない。


それに、あなた達がほとんど正当防衛で戦っていた事も知っているわ。

刑が軽くなるよう私も尽力するわよ。」


だから捕まってくれと言うことか。


「断る。そんな事、信用できるわけないだろ」


例え本気で助けようとしてくれていたとしても、組織という巨大な存在を一人でどうこうできるものではない。


一人の発言力は小さい。組織が国の機関であるなら尚更だ。


それが実働部隊の隊長だとしても、議会は規則を破る事を許さないはずだ。


「そう、残念だわ。大人しく捕まってくれないなら、

こちらとしては多少強引にでもあなた達を捕まえるしかないわね」


交渉は決裂した。


俺はここから逃げるため思考を巡らせる。


スカイドラゴンは3人乗りだ。4人も乗る事はできない。


それに、凛は空を飛べる。


つまり、走って逃げ切るか、撃退するしかないわけだ。


走って逃げ切れるわけがないから、撃退するしかないな。


はたしてそんな事が俺達にできるのか。


異空間のような場所に閉じ込める凛のSOPは厄介だ。


閉じ込められれば、抜け出す事はまずできないだろう。


となると凛を失神させるしかないな。


それも凛が気を失えば、元の場所に戻れる事に賭けるしかない。


なら姫乃先生は?凛が序列3位で先生が序列4位だと言っていた。


そして先生が持っている武器はピストル一丁のみ。


銃に頼ると言う事は他に攻撃手段が少ないと言う事。


それに、萌黄は弾丸を避ける事ができる。


更に先生は俺達を殺す気がない。


つまり、ゴム弾の可能性がかなり高い。俺は考えた作戦を、3人に伝えた。


「先生を萌黄1人で、凛を俺と宗一で倒すぞ」


「わかった」


「わかったわ」


今は葵がいない。


全てを説明する事はできないが、2人もその事を分かっている。


「全員で来なくていいの〜?」


凛はそう言うと空中に浮かび上がった。


◆◆◆


凛が空中に浮かび上がるのをみると、一希は俺に指示を出した。


「宗一!」


俺は凛に向けて両手を前に出す。


病室で目覚めたその日から、ずっと練習してきた。


持て余していた自分のSOPを、いつか完璧に使えるようになるために。


「え?」


俺は凛にかかる重力を増やし、宙に浮かぶ凛をむりやり落下させた。


空中でバランスを崩した凛は足で着地する事もできず、アスファルトに叩きつけられた。




と、俺の脳は予測していた。


手応えを感じるはずが感じていない事に気づき、脳が警鐘を鳴らす。


そこに確かにいたはずの凛は影も形もない。


「いない!?︎」


俺が困惑していると、後ろから凛の声が聞こえた。


「やっぱり、SOPを嘘ついてたんだね。私もそうだから別にいいけど」


俺は慌てて後ろを振り返ると、凛が和の肩に手を置いて立っていた。


和自身も驚きと恐怖で固まってしまっている。


「和から離れろ!!︎」


そう叫ぶ一希の声で我に帰った俺は二人に向けて走り出す。


でも、もう遅すぎた。


「まずは一人」


その瞬間、音も立てずに和の姿が消えた。


「...消えた......」


「あれ〜?逃げなくていいのかな〜?」


「ッ!」


凛に恐怖を煽られ、俺は思わずたじろいでしまった。


「和に何をした!」


一希はその言葉に臆することなく凛に聞いた。


「私が創った空間に閉じ込めただけだよ。安心して。二人もすぐに会えるよ」


「ふざけるな!和を返せ!」


俺はそう叫ぶと、再び両手を向ける。


凛に前方に進む力を与え、勢いよく吹き飛ばした。


しかし、ぶつかった音がしない。


「残念♪後ろだよ」


後ろに来る事は分かっていた。


俺は即座に回避行動をとる。


さっき凛は和の肩に手を置いていた。


要は触られなければいいということ。


俺が凛の手を避けた次の瞬間、俺の目に映る景色が変わった。


◆◆◆


「二人目」


宗一が消えた。


「よくも、...よくも二人を!」


二人が生きているのかわからない。それでも、そう願うしかない。


俺は怒っていた。


俺は車を浮かせると凛に向かって飛ばす。


当たったはずが気づくと凛は違う場所にいた。


「当たらないって分かってるでしょ?」


高速で避けた?


でも風や衝撃波は出ていなかった。


という事は、...


まさかテレポート!?︎


俺は次々と車を凛にぶつける。そして凛はその全てを避けた。


攻撃が激しくなっても凛が焦る様子はない。


何故、涼しい顔をしていられるんだ?


凛はテレポートするとき、必ずギリギリでかわしている。


舐めプの可能性もあるが何かテレポートの条件があるのか?


そして凛は俺達の攻撃をかわすときにしかテレポートを使っていない。


それに、異常なほど簡単に攻撃を避けている。まったく焦らないのだ。


つまり、...


テレポートは常に発動している!


そして条件を満たした瞬間にテレポートしている!


その条件は、おそらく凛に攻撃が当たるときだ。


ということは、どんな攻撃も絶対に効かない!?︎



気づいてしまったばかりに、俺の絶望は大きくなる。


そんなの勝てるわけない!



いや、...待てよ?


逆に考えると、攻撃をしない限り、凛がテレポートすることはない。


これを使えば、...


「そろそろ飽きたから捕まえるね」


凛が俺を煽る。


でも俺はもう攻撃しない。


俺は車を凛の周りを囲むように置いていく。


「ガンッ!ガンッ!ガンッ!」


そして車でうまく蓋をした。


「ガンッ!」


「ちょっと!なんのつもり?」


「お前のSOPは理解した。俺にはもう通じないんだ」


「あっ!...蓋までされてるじゃん」


凛が飛んで出ようとするが失敗に終わった。


「諦めて二人を返すんだ。その後でお前を出してやるよ」


「やだね」


凛は余裕の表情を崩さない。


「一希こそいいの?二人がどうなるかわからないよ?嫌なら大人しく私を解放してよね」


「ッ!」


凛とは思えない知的な反論に俺は少し驚いた。


そしてその事に気づかなかった自分を恥じた。


「そもそも、こんなので私を閉じ込めたつもり?隊長を舐めすぎだよ」



凛はそう言うと周りの車を全て浮かせた。


浮かび上がった車を後ろに飛ばすと、凛はゆっくりと俺に向かって歩いてくる。


俺は青ざめた。


今になって俺は凛の本当のSOPに気づいてしまったからだ。


異常に多い能力。


そして俺と同じ物体を動かす力。


凛のSOPはテレポートでもない!


凛が持つSOPは、...



SOPのコピーだ!

ここまで読んでいただきありがとうございます。次回の投稿は9月21日の19:30です。

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