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LEVEL5 〜超能力を巡る戦いの記録〜  作者: 更待クロム
第1章:政府革命編
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第26話:空中戦

俺達は巨大な球体から距離を取り、その周りをゆっくり飛行する。


「あいつは倒してもいいよな?」


「そうね。親玉に気づかれないようになるべく早く倒したいわね」


俺達が話していると、こちらを向いている目のうちの一つが光り出した。


「しっかり掴まって!」


「ギュイイーーンッ!!...ブウォン」


俺はスカイドラゴンを巧みに操り、初撃をギリギリでかわした。


ビームが当たったビルは、バランスを保てなくなり崩壊していく。


「ブウォン」


球体は続けてビームを放つ。


「ドォンッ!!」


発射されたビームは俺たちではなく全く違う方向で飛んでいるヘリコプターに直撃した。


「...は?なんで...」


俺達が驚いていると萌黄がある事に気がついた。


「待って...あのヘリ、テミスのヘリじゃないわよ」


ヘリは高度をどんどん失い、墜落した。



俺達が考える暇もなく、球体の目は光る。


「ギュイイーーンッ!!......ブウォン、ブウォン、ブウォン」


俺は全力で次々と放たれるビームを避けると、スカイドラゴンを球体へ向けた。


「ドドドドドッ!!」


スカイドラゴンに搭載されたマシンガンから大量の弾丸が飛び出す。


弾丸は衝突と同時に火花を散らし、煙を出した。球体の方は、少し傷がついた程度だ。


「嘘だろ...硬すぎる...」


「ギュイイーーンッ!!......ブウォン、ブウォン、...」


俺はまたもや飛んでくるビームを避け続ける。


「このままじゃジリ貧だ。何かあいつを倒す方法はないのか?」


「応援を呼ぶか?」


「いや...私なら、倒せるかも知れないわ」


萌黄は自身の銃を取り出して見せる。


「わかった。あいつはビームを貯めて撃っている。次の連射が終わったタイミングで撃ってくれ」


「わかったわ」


「ギュイイーーンッ!!......ブウォン、ブウォン、...」


フェイントも混ぜて次々とビームを避けていく。


「ブウォン」


最後のビームを避けると俺はスカイドラゴンを静止させ、萌黄を見た。


「今だ!」


◆◆◆


一希の合図を聞きくと私は素早く銃を取り出し、構えた。


姉の形見であるこのモデルガンは、人に使ったことが一度しかない。


サルスに対しては全くなく、実戦で使うのは初めてと言っても過言ではなかった。


それでもテミスに帰った後、ずっと射撃訓練を続けていた。


成果はいくつかあった。


照準を合わせる技術が向上したのは勿論、銃の弾速を調整できる事に気付いた。


威力を下げる事はできないけど、上げる事ができた。


更に、元々は存在しないその弾丸は、自由に形や素材を変えることができる。そしてその弾丸は私の銃の形状に関係なく自由に撃ち出せる。


速すぎてわからないけど、直前に銃が変形しているか、撃ち出された直後に形が変わっているのかも知れない。


更になんと、弾を撃つとき、この銃は反動がない。そして着弾までの衝撃波を減らすことができる。


あまりに便利なので、この銃のデメリットは人に使えないことぐらいしかないと私は思っている。


朽葉さんに弾丸の形状などについて教わり、ある程度の知識をつけた。


そしてこの生き物の構造についても考えていた。



ビームを撃ってくるということはそれを生み出す器官があるということ。


単純な構造の可能性が高いのでおそらく中心で核としても機能しているのだろう。


火薬庫を爆発させて戦艦を撃沈させるように、弾丸を貫通させれば爆発して内側から倒すことができる。


さっき一希が撃った弾丸がほとんど効かなかったのを見ると、

球体の硬度は恐らくダイヤモンドの次に硬いと言われている、『タングステン超硬合金』に匹敵する。


全てが硬いわけではなく、中は柔らかいはず。


硬い部分は5センチか、分厚くても10センチ程度かしら。


となると弾丸の素材は『タングステン超硬合金』より密度が高い『タングステン合金』がいいわね。


火薬も必要ないから『タングステン合金』のみで作る。


全長は確実に貫通させるため10センチほどにする。弾速も少し危険だけれど大体マッハ7ぐらいかな。


私は瞬時に考えをまとめると、その引き金を引いた。


◆◆◆


俺が「今だ!」と叫んだとき、球体はすでに次の行動に移っていた。


その光景を見て、俺は、おそらく宗一も、大きな恐怖を抱いた。


球体がビームを放つエネルギーを貯めるとき、ビームが出る目が光っていた。


それが今までは一ヶ所だけだった。


俺達は回数を重ねるうちに、それが当たり前だと信じ込んでいたのだ。


球体がエネルギーを貯め始めたとき、今回は全方位についた全ての目が光っていた。


球体にとってはヤケクソの攻撃だったのかも知れない。


でも逃げ回っていた俺たちにその効果は抜群だった。


それでもなるべく被害を抑えるため、すぐに回避行動を取れるよう身構えた。


その時、萌黄が銃の引き金を引いた。



「ピカッ!」


無音で発射された弾丸が着弾すると同時に眩い光を放ち、俺は思わず顔を背けてしまった。


弾丸はいとも簡単に球体の装甲を貫き、核を貫いた。


エネルギーを生み出していた核は衝撃により誘爆する。


しかし、その硬い装甲により爆風は抑え込められ、周囲への被害は最小限のものになった。


装甲の内側はドロドロに溶けた球体は浮力を失い、地上に落下した。


「ドゴオォォンッ!!」


道路に落下した球体は地面を突き破り、大阪の地下に広がるありとあらゆる空間を突き破るとついに止まった。


そしてできた大穴は周りが熱で少し溶けていた。


「パン!」


「やったな」


俺達はハイタッチをすると、達成感を感じながら周りを見渡した。


いくつか崩壊したビルはあるけど、勝つことができてよかった。


「葵ちゃん達地上組は無事に帰れたかな」


萌黄がそう聞いてきた。


「まだだろうな。俺達も向かうか」


「そうだな。全員生きて帰ろう」


俺はスカイドラゴンを再び前進させた。

ここまで読んでいただきありがとうございます。次回の投稿は9月15日の19:30です。

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