第23話:作戦準備
「君達にはこれから大阪へ向かってもらう。目的はサルスから逃げられなかった民間人の救出だ」
月城さんは俺達に新しい任務を告げる。
「サルスという種全体がレベル5に指定されている。
特審にスパイがいない今、奴等がどんな手段を使ってくるかわからない。一般人が巻き込まれる可能性も出てくる。
それに大阪にいる巨大生物が何かすれば彼らの生存は絶望的だ。一刻も早く民間人を救出してくれ。
今回は露草、涼風、海棠、藤黄、谷川、朽葉の6人で任務に当たってもらう。
朽葉はMARK1だけを現地に送る。お前自身はここに残っておけ。」
「わかりました」
「スカイドラゴン、トカゲマルも現地に送ろう」
「どうやって送るんですか?」
「大阪にも地下施設がある。お前達も全員転移装置でそこに送る予定だ」
「!...施設はここだけじゃ無かったんですね」
「何かと便利だからな。他に質問はあるか?」
「はい」
萌黄が手を上げた。
「その巨大生物は今回の任務で倒すべきですか?」
月城さんは答える。
「今回は民間人の救出が最優先だ。優先度は低いが現場の状況に応じて朽葉の判断に任せる。
危険ならすぐに撤退するように」
「「はい!」」
俺達は転移装置の台座の上に乗る。
するとまわりが光に包まれ、目を開けるとさっきまでと似たような雰囲気の部屋が広がっていた。
「朽葉さん、お疲れ様です。我々大阪支部にお越しいただき、ありがとうございます」
白衣の者を何人か引き連れ、男がそう告げる。
「この施設に被害は出ていないようですね。安心しました。
避難民の受け入れ場所は用意できていますね?」
「はい。転移装置を通して数ヶ所の巨大シェルターと行き来できるようにしています。
想定より人数が増えても対応可能です。
食料と水も大量に取り寄せてあります」
「よろしい」
朽葉さんは俺達を指さす。
「彼らがサルスを駆除しつつ、民間人を救出します。あなた達もシェルターへの誘導をお願いします」
「分かりました。朽葉さんが指揮をとられるのですか?」
「ええ。ですが私自身は本部に戻ります。意味はすぐに分かることになりますよ。楽しみにしてください」
「へ?」
男はそれを聞いてポカンとした。
自慢したいのかな。
朽葉さんは転移装置で帰って行った。
男は俺達を見る。
「初めまして。私はテミスの大阪支部を任されています。吉田と申します。
あなた達のことは朽葉さんからお聞きしております」
「初めまして。露草一希です。5人のリーダーをしています」
「あなたが露草さんでしたか!『スカイドラゴン』の整備はできています。
地上に転移し次第、すぐに飛び立てますよ」
「ありがとうございます」
転移できる量には上限がある。
それに万が一不具合が起きると危険なので『スカイドラゴン』は先に転送していたのだ。
吉田さんと話していると突然転移装置が光り出した。
「来たか」
ケンタウロスのような多脚構造の機体には、『KUCHIBA MARK1』の文字。
現れたロボットの目が怪しく光る。
《朽葉です!さあ、出発しましょう!》
「ッ!?︎」
吉田さんは驚きすぎて声も出ないようだ。もっと説明した方がいいんじゃないか?
《私もこの姿で戦います。誰かを乗せたりはできないので私は戦うことしかできないですね。
救助用の車の護衛をすることにします》
「...これが、朽葉さんが以前おっしゃっていたSOPですか!」
朽葉さんは嬉しそうだ。
《その通りです!どんな能力かと言うと......》
俺達はそれぞれの役割について話し合った。
最終的に、俺と萌黄と宗一が『スカイドラゴン』に乗り、救助を待っている人々を見つけ出し、周りのサルスを倒す。
吉田さん達が救助ヘリ、または車で人々を救出する。
トカゲマルに乗った和と葵、そしてKUCHIBAさんは車の護衛など、という役割分担に決定した。
状況によっては変更することもあり得るが、とりあえずはこれで行くことになった。
作戦会議は終わった。
後は、実行に移すのみだ!
ここまで読んでいただきありがとうございます。次回の投稿は9月6日の19:30です。




