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LEVEL5 〜超能力を巡る戦いの記録〜  作者: 更待クロム
第1章:政府革命編
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第16話:初任務(前編)

任務と戦い1時間後、ドラゴンとワームは予測通り北海道と鹿児島に到達する。


そしてなぜか、移動をやめた。


サルスを増やし、拠点にしようとしているようだ。


九州と北海道の住民はすでに避難を開始している。


ワームが地上のインフラを破壊していたので九州の住民は船を使って避難しているとテレビで報道されていた。


今のところ巨大生物達に動きは見られていない。


そして大阪は、サルスが支配する街となっていた。


自衛隊が銃火器を使ってサルスを倒していく。はじめはそれでよかった。


しかしだんだん銃が効かない強度を持つサルスが現れると、もはや自衛隊では相手にならなくなった。


テレビ画面の奥では逃げ遅れた住民達がビルの屋上からヘリに助けを求めている。


サルスは知能が低く、扉を開けられない。体が大きい事もあり建物の中は意外な事に安全だった。


全国に出現したサルスは大阪のサルスほど凶暴ではなく、被害はほとんどでていない。


不要な外出は避け、サルスを見かけ次第すぐに近くの建物の中に入るように伝えたテレビ局の努力の賜物だ。


俺達は初任務として廃工場から1番近いサルス2体の駆除を命じられた。


「殺さないといけないんですか?」


和が悲しそうにこっちを見る。


「命令だからな。仕方ない」


「和がサルスをみんな手なづけたらいいんじゃない?」


珍しく凛が真面目な意見を出したな。


「それはだめだ」


「あ、お前は!」


和がおもわず顔をしかめる。


そこに立っていたのは吉岡と呼ばれた、あの少年だった。


「俺は吉岡健人だ。任務には俺も同行する。俺の邪魔はするんじゃねーぞ」


「何よコイツ!ムカツク!」


「声に出すなよ」


俺は吉岡を見る。


「それで、なんでだめなんだ?」


「そこのそいつが手なづけたからと言って他の人間に危害を加えないとは限らない。被害が出てからじゃ遅いんだよ。分かってんのか。

だいたい大量のサルスを飼う場所なんかどこにあるんだよ」


吉岡に殴りかかろうとする萌黄を宗一が必死に止めている。


「ストップ!落ち着いて!」


それにしても口が悪いな、コイツ。


「なるほどな。和は納得した?」


「まあ...正論なので...」


俺達は1体目のサルスのところへ向かっている。


「やっぱり人がいないわね」


「外に出ないようにテレビのアナウンサーが言っていたからな」


「ところであんた、何年よ!」


凛、まだ怒ってたんだ。


「中2だ。なんか文句あんのか」


「一希、コイツ殴っていい?」


「ヤメロ」


「...吉岡君が1人で倒して力を示せばいいんじゃないの?そうすれば凛も納得するわよ」


そう言って萌黄が指さした先には1体のサルスがいた。


「最初からそのつもりだ!」


ノリノリだな。


吉岡は背負っていた袋から竹刀を取り出す。


「なんで竹刀!?︎」


「竹刀に慣れてるからに決まってんだろ」


吉岡が竹刀を構えた瞬間、吉岡から強烈な殺気が放たれる。


そして凄まじい速度でサルスに近づき、サルスの頭を打った。


「ズパァーン!」


それは、サルスの頭が弾け飛ぶ音だった。


そうはならないだろ。普通。


「......まあ...そこそこね」


「負けを認めて下さい。平坂先輩」


「もう1体もアンタらで倒せるだろ。俺はもう帰る。1体は倒したからな」


そう言うと吉岡は帰っていった。


「任務を無視したぞアイツ」


「本人も言っていた通り1体は倒したから自分の仕事は終わったって言いたいんじゃない?」


「それとも自分がいない間に手なづけていいって事じゃないですか?

だとしたら実はいい奴だったのかもしれないですね」


「いや、そう本人が思わせたくてやっただけかもしれないぞ」


残り1体。俺達はサルスがいる方向に向けて歩き出した。

ここまで読んでいただきありがとうございます。次回の投稿は8月10日です。

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