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LEVEL5 〜超能力を巡る戦いの記録〜  作者: 更待クロム
第1章:政府革命編
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第15話:サルスという脅威

俺達3人は部屋に入り、荷物を置いてさっそくベッドに寝そべった。


「ボフッ」


「本当にホテルみたいだ!」


しばらく3人でごろごろしていた。



和が突然口を開けた。


「葵が心配です」


「そんなに?」


「はい。基本的に葵は僕としか話せないので」


「...大丈夫だと思うよ。あいつらはいい奴等だから」


少し和の表情が和らぐ。


すると突然部屋で放送が流れる。


《至急会議室に来て下さい。調査の結果わかった事を報告します》


朽葉さんの声だった。「行くぞ!」俺達は勢いよく部屋を飛び出した。


◆◆◆


私達3人は部屋に入ると荷解きを始めた。


凛は浴室や洗濯機を見てまわっている。


「すごい!萌黄ちゃん、テレビもつくよ!」


「はいはい。あ、ついでにそこの当番表も見といて」


「うーん...私達はだいぶ後みたいだよ!助かるね!あとは、すごく快適なんだけど窓が無いのがちょっと残念だね」


「確かにね」


凛がベッドに飛び込んだ。


「ボフッ」


「あいつらも今ごろはごろごろしてるでしょうね」


「そうね」


私はベッドに座る。


「葵ちゃんは藤黄くんと別々で寂しい?」


「え...私...ですか?私は...寂しいですけど...えっと...2人が優しいので大丈夫です」


葵は挙動不審になりながらそう答えた。


「かわいいねー。よしよし」


凛が葵の頭を撫でているとアナウンスがなった。


《至急会議室に来て下さい。調査の結果わかった事を報告します》


「この声は朽葉さんだね」


私達は部屋を出て、会議室へ向かった。


◆◆◆


会議室には幹部らしき人達が座っている。


そしてその中になぜかいる俺達。


「ここに座っていていいんですか?」


と小声で朽葉さんに聞くと


「いいんです。SOPを持っているだけでも幹部扱いなので」


と教えてくれた。


少し待っていると月城さんが会議室に現れる。そのまま中央の席に座った。


それを見た朽葉さんは声を張り上げる。


「これより未確認生物について判明した情報の共有と、これからの方針について説明したいと思います。

最初に特審に潜入している者達からの情報です。議会は未確認生物の名称をサルスと定め、危険度レベル5に指定しています。

危険度を知らない方もいるので危険度について説明します」


朽葉さんは5段階の危険度について俺達のために説明してくれた。


「それから、露草さん達6名は危険度レベル4に指定されています。

外を出歩く際はくれぐれも気をつけて下さい」


(高すぎない?)


(2回も返り討ちにしてるからじゃない?)


(もうちょっと危機感持った方がいいぞ)


「次にサルスの一体であるトカゲマル研究チームからの情報です。

トカゲマルの細胞を採取しDNAを解析したところ、完全に地球上の生き物では無いことが判明しました。

さらに突然変異を繰り返し異常な環境適応能力を持っています。


そして3本ある尻尾のDNAだけ他とは違うことが判明し、解析してみるとあらゆる器官になることができることが分かりました。尻尾の構造も解析すると切り離されやすい仕組みになっていることが分かりました。


おそらく尻尾を切り離すことで分裂し、増えていくと思われます。それと、嗅覚が発達しているので視覚はありませんが匂いで周りを感知していると思われます」


朽葉さんは大画面でトカゲマルの映像を見せながら説明をする。


「ちょっと待て」


幹部の席に座っていた1人が朽葉さんの説明を止めた。


「サルスをいつ捕まえたんだ?

あとなんでそんなに名前がダサいんだよ」


説明を止めた男は俺達よりも幼く見えた。


和がイラついている。


「地上にいたサルスをそこの藤黄さんが手なづけたんです」


「せめてもっとかっこいい名前にしろよ。例えば...デストロイヤーとか」


すると朽葉さんと男のやり取りを聞いていた月城さんが言った。


「吉岡君、...感情を抑えるんだ」


「...はい」


見ていた和が嬉しそうな顔をした。


朽葉さんは説明を続ける。


「最後にサルスが出現した場所を調べているチームからの情報です。

この日本地図を見てください」


そう言うと朽葉さんは大画面に日本地図を映した。


地図には3つ赤く点滅している箇所がある。


「この赤く点滅している場所が巨大生物がいる場所です。

1体は大阪にとどまっていますが残り2体は移動し続けています。


まずは大阪にいるサルスと関係があると思われる巨大生物の映像です」


映像が切り替わり、大阪の街が映し出される。


そして空中に浮かぶ巨大な球体。


直径数十メートルもある球体には無数の目のようなものがついていて一つ一つが動いている。地上では大量のサルスがうろついていた。


「この生物はおそらくサルスを生み出す存在だと思われますが不明です。

自衛隊が出動していますが倒すことはできないでしょう。


次に日本列島を北上し続けている巨大生物の映像です」


再び映像が切り替わり、上空の映像が映し出される。


それはドラゴンのような翼の生えたサルスだった。1体目と同じく数十メートルもある。


そしてトカゲマルと同じく目は無く、尻尾は3本ある。


ドラゴンのような威容を放つサルスは高速で飛行し続けている。


「サルスが突然変異を繰り返す中でこの姿になったと思われます。

そして定期的にサルスを生み出しています」


ドラゴンのようなサルスの尻尾の1本が突然切り離され、地上に落ちる。


地上に落ちた尻尾はトカゲマルと同じ姿になり近くにいた人々は悲鳴を上げながら逃げまわっていた。


「次に逆に南下し続けている3体目の巨大生物の映像です」


映像が切り替わり、ビルに挟まれた道路が映し出される。次の瞬間、


「ドゴォォン!」


と音を立てて道路が割れた。


会議室が緊張に包まれる。


「地上からは見えませんがおそらくワームのように地中を移動する巨大生物です。

この生物も定期的に地上に出るとサルスを生み出しているようです。


1時間後に予想されるサルスの場所を表した日本地図を表示します」


映像は日本地図に戻る。


大きな赤い点は大阪、北海道、鹿児島に散らばり、小さな赤い点が日本各地に現れていた。


会議室に緊迫した空気が流れた。


「見ての通りこれを特審が隠蔽する事は不可能です。

すでにテレビでもニュースになっています。今後の方針としては一般人への被害を抑えるため、サルスを駆除していきます。


そして大量にサルスを生み出すこの3体の討伐を目標にします。あわよくば特審との協力関係を築き、交渉を持ちかける事が最終目標です。以上で報告を終わります」


会議が終わり、俺達は会議室を出る。


これまでにないほどの日本の危機を感じ、部屋に向かう俺達の顔はどんどん曇っていった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。次回の投稿は8月13日です。

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