第11話:隠された施設
次の日、俺達はレボルの手紙に書いてある住所に向かっていた。
(...それでその男がね、超能力の事をSOPって呼んでたんだけど正直名前なんてどうでも良いって思った)
(他にはある?)
(それぐらいかな)
電車の中なので超能力...SOPに関する話はテレパシーを使っている。SOPってなんの略なんだろう。
少し遠かったが電車を降りて目的地まで歩く。
「本当に大丈夫なんですか?」
「分からない。最悪、俺達全員が死ぬかもしれない。
でも、政府を止めないともっとたくさんの人が死ぬんだ。
それも嘘かもしれない。でも、俺は自分の安全より誰かの幸せを守りたい。
死にたくないなら帰って貰って構わない。俺1人でも行くつもりだ。
地震で俺だって死んでたかもしれないんだ。今さら命を惜しむつもりは無いよ」
すると萌黄が言った。
「私は、一希くんについて行くよ。私も同じ気持ちだし1人じゃできることが限られるでしょ?」
「俺も、一希について行く。俺達、仲間だろ?俺は一希を助けるって決めてるんだ」
宗一がそう言うと凛も言った。
「私も!友達だし一緒に戦った仲でしょ!」
そして和が言った。
「命をかけるのに理由は必要ですか?僕がついて行きたいからついて行くんです。
先輩の役に立って見せますよ」
最後に葵が言った。
「...私も、先輩方について行きます。...頼られた事、なかったので」
「みんな...!ありがとう!」
「何泣いちゃってんのよ」
「早く行こうぜ!」
本当、コイツらは...。暖かい気持ちが心を満たす。
俺が、コイツらのリーダーで本当に良かった。
目的地に着いた。...はずだ。
「あれ?廃工場だよ、ここ。間違えたの?」
「そんなはずない。確かにここだ」
ついた場所はボロボロの廃工場で勿論誰もいない。
「隠し通路があるのかも。国を敵に回すんだからそもそも簡単に見つけられるのがおかしいのよ」
「なるほどな。みんな、隠し通路が無いか探そう」
「分かりました」
「オーケー」
それから俺達は工場の中ををくまなく捜索した。
しかし隠し通路どころか手がかりが何も見つからなかった。
「もー!いくら探しても何も無...」
突然、凛の姿がパッと消えた。
「は?消えた?どういう事...」
次の瞬間俺達は眩しい光に包まれた。
「うッ!」
「眩しい!」
眩しい光が消え俺が目を開けると明らかにさっきまでいた廃工場とは全く違う場所に立っていた。
「どういうこと!?︎」
さっき消えた凛もいた。
「...!」
「なるほど、僕たちが今立っている台座のような物を使ってワープしたのではないかと葵が言ってます」
ワープか。今の科学技術でそんな事できるのか?
俺達は清潔そうな白い部屋にいた。
電灯が部屋を明るく照らしている。部屋には台座以外は特に何もない。
部屋の角ある防犯カメラがこちらを見ていた。
「誰かこっちに来てる!」
ドアから足音が聞こえて来る。そしてドアが開いた。
出て来た男は白衣を着ていた。
かなり若い。
「初めまして。私は朽葉と申します。貴方達の事は知っています。
レボルさんのところへ案内するので私について来て下さい」
「分かりました」
(信用して大丈夫なの?)
(信用するも何もお前、こういう時はついて行くしかないでしょ)
(そうなんだ)
葵が作ったネットワークで凛と宗一が話している。ついて行かないという発想が無かった。
そういうところが凛らしいと俺は思った。
施設内はかなり入り組んでいた。そして窓がない。
「朽葉さん。ここは地下ですか?」
「そうですよ。よくわかりましたね。転移装置であの部屋までワープできるんです。
みなさんが偽物ではないか確認していたので少し時間がかかりましたが。
ここでは国に対抗するためのあらゆる研究が極秘で行われているんです。転送装置はその集大成ですよ」
たくさんの白衣を着た人が、いろんな部屋で研究をしたり書類を持って移動したりしていた。
(たくさん人がいるわね。ここまで大きい組織だとは思わなかったわ)
(ああ、何も嘘をついていなければ良いけどな)
「着きました。朽葉です。入りますよ」
廊下の奥にある扉が開き、俺は緊張した面持ちで扉の先を見つめた。
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