第10話:襲撃(後編)
萌黄と杉原は激しい戦いを繰り広げていた。
この男、私の刀を受け流しつつ、私が刀の峰を使っているか常に見ている。おまけに今更気づいたけど超能力を持っていない!
(一希、妨害で隙を作って。一気に押し切るわ)
(分かった)
一希は隊員が持っていた銃の弾がゴム弾である事を見抜き、何丁も銃を空中に浮かせ、杉原に向けて一斉に撃った。
「「ダーン!」」
(今だ!)
杉原はギリギリでそれを避ける。
だが杉原が萌黄から目を離した刹那、萌黄は刀を刃の向きに持ち変え、恐ろしいほどの精密さで警杖を真っ二つにした。
切った!
(もう一回撃って!)
「「ダーン!」」
大量のゴム弾が杉原めがけて発射される。
しかし杉原は全ての弾を避けた。
「警杖を切っただけで私を倒せると思っているのか。君達では私に勝てない。諦...」
「ぎゃー!」
杉原が目にしたのは葵達から逃げる米沢だった。
「あれは...米沢!」
(今よ!急いで!)
杉原が米沢を見て動揺している隙に一希は準備を進めていく。
そして杉原の視界が防がれる。
杉原の目の前に現れたのは隊員達が持っていた盾だった。
周りを見回すと全方位盾で防がれていた。盾は全て杉原を向いており、押しても蹴っても動かない。飛び越えることもできず、完全に閉じ込められた。
上を見ると大量の銃が浮いていて照準は全て杉原に向けられている。
「お前の負けだ。お前は強いが俺達を舐め過ぎた。」
杉原は悔しそうに顔を歪める。
「クソォォッッ!!︎」
「ズガガガガッ!」
大量のゴム弾の雨に打たれ、杉原は全身を走る激痛と衝撃により失神。
杉原との壮絶な戦いは終わった。
その時、結界に亀裂が入り、砕け散った。
◆◆◆
服部は気づいた。
目の前の男が自分と同じく身体能力を強化していると。
筋肉量は増えていないが明らかに強いパワーを持っている。そして自分と互角の力を持つ男に苛立ちを感じていた。
立ち上がると
「めんどくせぇなあ!」
と言って男と戦い始める。
まあいずれは俺が勝つがな。こんな小僧に負けるわけがない。
服部は自身の勝利を確信していた。
◆◆◆
(殴り合ってるだけじゃ勝てないぞ。どうする?)
(そうだね。私の能力、SOPだっけ?戦闘に向いてないから暇だね)
(妨害してって言ったじゃん!いいから何かして!)
(うーん...そうだ!ショボいけどすごく悪いこと思いついちゃった♪)
凛はそう言うと服部に手をかざした。
すると服部の頭の上に水の球が生まれ水が流れ始めた。
「ぬおぉっ!冷てえ!!︎なんだこれ、水!?︎」
水の球はいつまでもなくならない。水は流れ続ける。
「クソッ!前が見えねえ!早く止めろ!」
「止めるわけないでしょ♪」
(やっちゃえ宗一!)
(お前、エグいな。助かるけども)
そして再び始まる殴り合い。
もはや殴っているのは宗一だけで、服部も必死に抗うが全て避けられる。
「ふざけんな!!︎こんなガキにぃッ!!︎」
服部の意識は飛び、結界が壊れる。
結界が消えると、元の場所に戻っていた。
杉原達は見当たらない。
「あ〜疲れた!」
「疲れたな」
「これ以上は色々危険だから明日、レボルの所へ向かおう」
「はーい」
「了解」
「萌黄ちゃん、銭湯行こう」
「良いわね」
こうして、杉原達との戦いは幕を閉じる。今後の事を考えるのは今はやめた。
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