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崖っぷち聖女、拾ったショタ魔王がくっっさモフモフだったので、ついついお持ち帰りしてしまいました!?  作者: 向夏夜なくの
二章 日常と邪悪魔法

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第30話 いざ勇者金融へ

マオとマグノリアは、ノリと勢いで勇者金融にやってきた。


目の前の大きなビルは通称『勇者の城』と言われており、その一階が勇者金融である。


『CLUB 地下労働』も同じ建物の地下に入っており、他にもシーシャバーや雀荘、メイド喫茶など、全体的に癖強構成の雑居ビルであった。


今回は魔剣を取り戻すという大義名分があるので、こそこそと裏口から入ることはしない。正々堂々正面突破だ。


勇者金融の自動ドアを通ると、早速受付嬢に目をつけられた。


「特級滞納者のマグノリア聖女ですねー。本日は何用で? まさか借金を返済に来たんですか? 正気ですかー?」

「バカ言わないで。返済に来る訳がないでしょう! 一コロ(通貨単位)たりとも返す気は無いの。それより早く勇者を出しなさい!」

「アポイントはありますかー? 無いなら正気ですかー?」

「無いわよ。無いけど正気よ!」


受付嬢は途轍もなく無礼な口振りでマグノリアに応対する。これは借金を返す気配すらない特級滞納者に対しての特別対応である。


「勇者様はー、現在クラブで地下労働をしてらっしゃいますねー」

「では二人でクラブに向かうわ! 料金は借金にツケといて」

「ツケるのはまだ分かりますが、アソコの毛も生えてないような小さなショタをクラブに連れて行くって正気ですかー? 普通に年齢制限でアウトって分かりますかー?」

「マオ君は人間じゃないの。人の枠に当てはめるなんて、逆に正気なの?」


受付嬢は「人間で無いのなら何なのか?」と思ったが、これまで特級滞納者とまともな会話が成立した試しがない。


そこでマニュアル通り、とりあえず勇者に突き出すことにした。


「分っかりましたー。では、そこの階段を下りやがって下さいー」







マオとマグノリアは階段を下がりやがる。すると、段々と爆音の重低音が聞こえてきた。


――ドゥン!ドゥン!ドゥン、ドゥン!


「マオ君、いよいよ勇者と対面よ!心の準備は良い?」

「バッチリじゃ!魔剣に早く会いたいのじゃ!」


『CLUB地下労働』の扉を開ける。すると、女勇者がマイクパフォーマンスをしながら、多重債務者のDJと共に会場を盛り上げていた。


だが、会場の雰囲気はイマイチ。


「あのDJはダメね! 曲のチョイスが初心者丸出し、あれでは気分がアガらないわ!」


そう思った途端、勇者が傍らから剣を具現化する。そして、その債務者を叩き切った!


――グシャッ!


「斬ったのじゃ!我よりも魔王らしいのじゃ!カッコいいのじゃ!」


女勇者が躊躇なく人を斬る様を見て、少し尊敬の念を覚えたマオ。


使っていた剣は、確かにかつてマオが使っていた魔剣であったが、その使いこなしのレベルは前世の彼を優に超えている。


「あの剣は、やはり我の魔剣じゃった!」

「勇者に話をつけてくるわ! 正義は我にあり!」


丁度曲が途切れたタイミングで勇者に話しかけに行く。


「こら、女勇者!剣を返しなさい!」

「おー! 聖女マグノリアちゃ〜ん。そんなことよりさぁ。ちょっとDJやってくれな〜い? 今まさにドゥクシ!って斬っちゃったところでさ笑。とにかく居なくなっちゃったんだよ~」


マグノリアはDJというものに少し興味があった。元々人前に立つことは好きであるし、複雑そうな機械をゴチャゴチャ触るのも何かカッコいい。


目の前に斬らたてホヤホヤの人が血みどろで倒れているが、それよりもDJをやってみたいという好奇心が勝った。


「分かったわ。魔剣を取り戻す為に、マオ君も一緒にやるわよ!」

「のじゃ??」


ターンテーブルに意気揚々と立つマグノリアと、状況がよく分かっていないマオ。


ここからの曲選びや進行の全てが彼らに委ねられた。


「あ、この曲好きなのよね!これにしましょう!」


――♪♫♪


「マグノリアちゃん〜。この妙に軽快な曲は何なの〜?」

「知らないの? とっととラリ太郎よ!」


――だ~いすきなのはー♪

――マ〜リファ◯の種〜♪♫


「ふぁっく!? 最近の聖女は過激ね〜」


マグノリアとマオは勇者に斬られこそしなかったが、選曲がヤバすぎた為『CLUB地下労働』を出禁になった。

◯作者コメント


麻薬、ダメ絶対!

全くもって推奨する意図はありません。


聖女であっても、所持や使用は固く禁じられています。


あっ、魔剣で人を斬るのもダメです!

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