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崖っぷち聖女、拾ったショタ魔王がくっっさモフモフだったので、ついついお持ち帰りしてしまいました!?  作者: 向夏夜なくの
二章 日常と邪悪魔法

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第24話 聖女検定五級

いつもの四畳のあばら家で、マグノリアは珍しく勉強をしていた。


「精が出るの。応援しておるぞ」

「ありがとう!マオ君」


地頭が悪いマグノリアが勉強する気になったのは、ナマケモノのような聖女ユルリナでさえ聖女検定五級を持っていると聞いたからであった。


マグノリアは基本的なプライドは捨てているが、それは勝てる相手に勝たないという訳では無い。


天才のアガサや火力おばけのシャーリーはさておいて、あんな四六時中寝ているばかりのナマケモノ女にだけは聖女の格で負けたくは無かった。


それに教会には、『聖女検定は聖女としての価値を表す』という言葉がある。


聖女教会本部の女教皇を十段として、その下の枢機卿が九段など、偉い順に段が高い。それだけ教会内で威張れるということになる。


とは言え、当然のように級が上がれば上がる程に試験は難しくなっていく。


地頭的に段は無理かもしれないが、将来的にギリギリ一級までは取りたいなぁ。と、マグノリアはぼんやり思っていた。


ちなみに、シャーリーは三級を保有している。(ユルリナは五級、アガサは四段)


「マオ君、この問題教えてよ」

「ふむ。どれじゃ」


マグノリアの先生はマオだ。


聖女検定の問題を魔王に聞くなどおかしな話だが、試しに模試を受けてみたマオは、ノー勉で五級に合格する基準に達していた。


尚、マグノリアは百点満点中、たった三点だった。


「じゃじゃん! 問題です。百億コロを支払って聖女になった後に、借金で首が回らなくなった場合。当人は聖女の職業を剥奪される。マルかバツか」

「バリバリにマルじゃの」

「なんで!? お金と聖女の職は関係ないでしょ。バツしかあり得ないわ!」

「これは聖女とか言う以前の問題じゃな。聖女は人々の手本になる存在じゃ。金を返さんと言うのは人の道理と外れておる」


――私って、人の道理から外れてるの!?


「聖女って、まだ人だったのね!?」

「人じゃなければ何なのじゃ?」

「労働基準法が適用されないから、人の理を外れたと思っていたわ……」

「人かどうかを労働基準法が適用されるかどうかで判断べきではないの。そもそも、そのような難しい言葉、よく知っておるな!」

「マオ君こそ、何で知ってるの?」

「前世では、手下に労働基準法を適用させておったのじゃ。ホワイト魔族なのじゃぞ」


前世でマオが勇者に殺されてしまった一番大きな理由は、城を攻められたのが定時後であった為だ。


ほとんどの魔族がお家に帰ってしまっていた為に、魔王の部屋まで直行されてしまい逃げる時間が稼げなかった。


「マオ君はやっぱり素晴らしいわね! ついでに、この問題も教えて頂戴」

「ふむ。良いぞ」

「街の結界内に魔物が侵入した場合、聖女は直ちにその魔物を討伐しなければならない。これは流石にマルよね」

「いや、バツじゃの。大バツじゃ」


マオは自らが討伐されたく無いからバツと言ったのではない。本当に答えがバツなのであった。


「どうして?」

「問題文だけでは無く、世の中を見るのじゃ。魔王が討伐された今、結界内に侵入出来るほどの魔物が発生することは常識的に考えて無い。であれば、まずは住人避難をしつつ、結界の誤作動を疑うべきじゃ。その後に討伐じゃの」

「凄い! マオ君は天才ね!」

「ま、まあの(照)」


マオはマオで、マグノリアに褒められたいが為に猛勉強を重ねていた。


過去十年間の過去問であれば、即座に正解を教えることが出来る。


「おっ! ダクトから何やら良い匂いがするの!」


マグノリア家の窓に直付けされたシャーリー家のダクトから、今夜も芳しい香りが漂ってくる。


「今夜は生姜焼きじゃ!」


そうして、今日も今日とてご相伴にあずかる二人であった。

◯作者コメント


聖女の世界は資格が全てです!

想像以上の学歴社会!


一番下の五級でこのレベルですけど、聖女になるような女性はみんな頭が良いので余裕ですね!

(本当か、、?)


次回、資格試験を受験します!

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